見出し画像

なぜいま出版社をつくるのか

創業時に、何度も「なぁんだ(版元じゃくて)編プロか」と言われましたし、その後も口座開設を奨められたり、誘われたりしましたが、創業理念に反すると、頑固にネット直販でやれるところまでやってみる、という思いでした。

それなのに、なぜいま出版社をつくるのか。

それは、コロナ禍で誰もがオンライン、デジタル化待ったなしの状況をみて、デジタル出版の将来展望とともに、本と出版流通の価値を再確認したためです。

コロナ第一波から立ち直ってまだ混乱した直後で「出版のDXを本気でやる」など、我ながらなに言っているかよくわかりませんが、1.デジタル出版の限界、2.紙の本と書店流通の価値の再発見、3.オンラインとオフラインの相乗効果、4.出版のサービス事業化、などの観点から、ビジネスを見直すタイミングと感じました。

電子書籍の売上は、絶対額は小さいながらも着実に上がっていて、デジタルシフトして正解だったと思っていますが、誰もがオンライン前提の世界で、デジタルコンテンツの可処分時間の奪い合いになっているときに、私自身、紙の本を買う機会が増えていますが(なぜなら家やオフィスで本を読む時間ができたので)、書店流通がない不利に気づいてしまいました。

実のところ数年前から、電子書籍と本は併存するし、多くの人がそのことに気づくときが来ると思っていましたが、併存すると思っていながらビジネスを分化させたままでした。そのようなことから、いわゆる版元をつくることにしました。

ところで、誰も気に留めないことだと思いますが、この記事のタイトルを「なぜいま出版社にするのか」にしなかったことに大きな意味があります。

今回、デジカルの出版レーベルだった金風舎を子会社として独立させ、取次口座を開設したのは、コンテンツの企画、制作、発信のラインをデジカルで構築し、そのサービス事業化がデジカルの事業目的だからです。

文章、動画、音声と、オンラインメディアがステップを踏んで進化していますが、すべてのコンテンツの根源は、紙の文章と考えています。

デジカルとしては、この考えに基づいて、書籍の編集制作プロダクションから、文章コンテンツの企画から制作、発信をサービスする事業会社に進化させたいと考えています。

いま株式会社金風舎のサイトをリニューアル中ですが、サイトに採用情報のページは作成せず、社員募集もしない考えです。金風舎の編集制作はデジカルの企画制作ラインが担当します。

そして、この企画制作ラインで、デジタル出版事業とデジタル図書館事業とともに、法人向けの経営企画に関する情報発信サービスを開発展開したいと考えています。

このような事業目的でデジカルの社員募集します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?