【やまのぼ ブックレビュー No.37】簡単なのに人を惹き付けるマジック・ひろむKADOKAWA
ツレヅレなるママに、ユーチューブを漁っていたら、マジックの種明かし動画に辿り着いた!
子どものころ、デパートの手品グッズ売り場で、よく遊んだことを思い出す。今は昔、その売り場の傍らで、手品師の実演がよく行われていたものだ。もちろん、無料である。いま、思えば強力な販売促進策だった。
「ボク!お手伝いしてくれる?」
その演者が、最前列の私を巻き込んで、手品を披露しようとするのだ。甘えん坊で人見知りだった当時の私が、心臓をガンガン鳴り響かせながら、演者の俄か助手に仕立てられてしまったのだ。
「しっかり、握るんだよ!」
渡されたスポンジ状の兎の番を、片手で握りしめている私の手を、一旦開かせて、演者は大人の大きな手で、再び私の手を包み込むように閉じさせた。
「仲良しさんの兎さんたちには、子どもが生まれるんだね・・・」
当時の演者がどう?言ったのか忘れてしまったのだが、そんな風なセリフを言いながら、私の手を開かせた。
すると!
どうだろ?私の開いた手から、たくさんの子どもの兎さんが、あふれだして来るではないか!
あの時以来、私が手品の虜になったのは言うまでもない。
少し成長すれば、再度開かせた私の手を閉じる時に、押しつぶした子どもの兎さんを、そっと握らされたことが分かるのだが・・・。当時の私は、三日三晩うなされていたようだった。
今回、ご紹介する「簡単なのに人を惹き付けるマジック」には、簡単な手品が満載。もちろん、その種明かしもマンガ入りで、詳しく説明されている。
持っていた消しゴムが消える!とか
相手が連想しているものを当てる!とか、
スマホから物が出て来る!などなど、手品がコミュニケーションの武器になることが分かる本である。
筆者は、マジックを演じるには、器用さは不要だと断言し、失敗に強くなる極意なども体得できるように構成された、お勧めの一冊だ。
でも、いくら種明かしされても、人をアッ!と言わせるためには、日々の弛まぬ練習に繋っていることは、昔も今も変わていない!
<やまのぼ>のお薦め度 ★★★★★
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<やまのぼ>のお薦め度規準
(独断と偏見です。あしからず)
★★★★★ 蔵書にして読み返したい
★★★★☆ 読みごたえありでお薦め
★★★☆☆ そこそこ読みごたえあり
★★☆☆☆ 時間つぶしにはなります
★☆☆☆☆ 本屋での立ち読みで充分
☆☆☆☆☆ 時間の無駄使いだけです
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