ヤクルト・石川雅が交流戦歴代最多を更新する28勝目!ディグプロ6月10日
交流戦歴代最多記録タイが生まれたその翌日、すぐさまそれを更新する猛者が現れました。
今回は、6月10日に行われた6試合を振り返っていきます。
※以下一部敬称略、試合順は開始時刻順、同時刻の場合はスポナビ野球速報の表示順に。
日本ハム対阪神戦
ES CON FIELD HOKKIDO
18:00プレイボール
スコア 日本ハム4-3阪神
スタメン
日本ハム 阪神
1 中 江越 1 中 近本
2 指 A.マルティネス 2 二 中野
3 一 加藤豪 3 左 ノイジー
4 右 万波 4 一 大山
5 左 松本剛 5 三 佐藤輝
6 三 野村佑 6 右 前川
7 遊 上川畑 7 指 ミエセス
8 捕 伏見 8 遊 木浪
9 二 奈良間 9 捕 坂本誠
投 伊藤大海 投 大竹耕
日本ハム、阪神共に中6日で伊藤大海、大竹耕が先発します。
両先発試合序盤から点を取られ合う中、我慢比べを制したのは日本ハム・伊藤大海でした。
伊藤大海は3回に一死二、三塁のピンチを招くと、近本をセカンドゴロに打ち取る間に1点を失います。ですが続く中野を三球三振に仕留め、最小失点で防ぎました。
しかし3-1で迎えた4回表にも一死二、三塁の窮地を作ってしまいます。無失点で防ぎたい場面でしたが、6番・前川に2点タイムリーを浴び同点に。
それでも降板せず、7回まで3失点で投げ抜きました。
そして、その粘投に加藤豪が応えます。
3-3の同点で迎えた8回、日本ハムは江越のツーベースとA.マルティネスの四球で無死一、二塁のチャンスを作ります。この場面で打席には加藤豪。2ボール2ストライクからの5球目でした。アウトローのツーシームを弾き返すと、打球はセンター前に落ちるヒットに。二塁ランナー・江越が一気に三塁を周り、日本ハムが貴重な1点を勝ち越しました。加藤豪は
と、新庄監督の強攻作に自信をもらったといいます。
1点をリードした日本ハムは、9回に守護神・田中正を投入。
田中正は大山、佐藤輝、前川を凡打に仕留め、三者凡退締め。日本ハムが終盤に勝ち越し勝利しました。
なお、この試合で阪神・前川がプロ初打点を記録しました。
勝利投手 宮西尚生(1勝1敗1S)
敗戦投手 大竹耕太郎(6勝1敗)
セーブ 田中正義(1勝1敗9S)
本塁打
日本ハム:伏見寅威1号ソロ
A.マルティネス8号ソロ
楽天対中日戦
楽天モバイルパーク宮城
14:00プレイボール
スコア 楽天1-0中日
スタメン
楽天 中日
1 中 辰己 1 左 鵜飼
2 二 小深田大翔 2 中 岡林
3 右 小郷 3 二 福永裕
4 指 浅村 4 右 細川成
5 左 岡島 5 三 高橋周
6 三 フランコ 6 一 ビシエド
7 一 阿部寿 7 指 石川昂
8 遊 山﨑剛 8 捕 木下拓
9 捕 炭谷 9 遊 村松
投 早川 投 松葉
楽天、中日共に中6日で早川、松葉が先発します。
試合は序盤から両チームチャンスを作りながらもあと1本が出ず、投手戦が展開されます。
楽天は1回に一死一、二塁のチャンスで無得点で終わると、中日は2回に二死一、二塁、3回に二死満塁のチャンスを作ったものの、どちらも得点は0で終わりました。
しかし、均衡が崩れるのは意外と早めでした。
3回裏、炭谷と小深田大翔のヒットで一死一、三塁のチャンスを作った楽天は、浅村に打順が回ります。フルカウントから浅村が詰まりながら打ち上げた8球目は、フラフラっと舞い上がりセンターの前にポテンと落ちるヒットに。
浅村の執念がこもったタイムリーで楽天が1点を先制します。この一打について浅村は、
と胸を撫で下ろしていました。
1点の援護をもらった早川は、中日打線を一刀両断。7回までに109球を投じ、被安打4、3与四死球も無失点に抑えてマウンドを降ります。
8回は酒居が抑えると、9回は守護神・松井裕が三者凡退締めのピッチングを見せて試合終了。
楽天がわずか1点のリードを守り切りました。
勝利投手 早川隆久(3勝4敗)
敗戦投手 松葉貴大(1敗)
セーブ 松井裕樹(1勝1敗11S)
西武対ヤクルト戦
ベルーナドーム
14:00プレイボール
スコア 西武0-2ヤクルト
スタメン
西武 ヤクルト
1 遊 源田 1 二 山田哲
2 指 外崎 2 中 内山
3 三 マキノン 3 指 川端
4 一 渡部健 4 三 村上宗
5 右 川越 5 左 青木
6 中 長谷川信 6 右 サンタナ
7 二 平沼 7 捕 中村悠
8 捕 古賀悠 8 一 J.オスナ
9 左 若林楽 9 遊 長岡
投 髙橋光 投 石川雅
西武は中6日で髙橋光、ヤクルトは中10日で石川雅が先発します。
150キロ超えのストレートを投げる右の本格派の髙橋光に対し、130キロ台のストレートと多彩な変化球で相手を幻惑する、左の技巧派の石川雅。両者対照的な性格をしていますが、より強烈なピッチングをしたのは石川雅でした。
石川雅は初回からストレートやスライダーなど5つの球種を投げ分けると、その後も130キロ台のストレートで空振り三振を奪うなど、5回3分の2を投げ無失点の好投。速球派社会となっている現代の日本野球に"一石を投じる"投球を披露しました。投げ終えた石川雅は、
と、通算185勝目に喜びを見せていました。
その言葉通り、ヤクルト打線は石川雅の投球中に援護。4回表、髙橋光から2つの四球を選び一死一、二塁のチャンスを作ったヤクルトは、7番・中村悠。この場面で2球目を捉えると、打球はセンターへのタイムリーに。二塁ランナー・青木が生還し、ヤクルトが1点を先制しました。
1点リードした後は、ヤクルトブルペン陣がそれぞれ0点に抑える好リリーフ。9回には二死一、二塁から山田哲に欲しかった貴重なタイムリーが飛び出し0-2にすると、裏の守備では田口が西武打線を三者凡退にクローズし試合終了。
ヤクルトが完封リレーで勝利しました。
なお、この試合を6回途中無失点に抑えたヤクルト・石川雅が、交流戦歴代最多を更新する28勝目を記録しました。
勝利投手 石川雅規(2勝3敗)
敗戦投手 髙橋光成(4勝4敗)
セーブ 田口麗斗(2敗13S)
ロッテ対広島戦
ZOZOマリンスタジアム
14:00プレイボール
スコア ロッテ5×-4広島
スタメン
ロッテ 広島
1 一 池田来 1 二 菊池
2 遊 藤岡 2 左 西川龍
3 二 中村奨吾 3 中 秋山翔
4 指 ポランコ 4 一 松山
5 右 山口航 5 指 マクブルーム
6 左 角中 6 右 堂林
7 三 安田尚 7 三 デビッドソン
8 捕 植田将 8 遊 田中広
9 中 岡 9 捕 會澤
投 本前 投 森下暢
ロッテは本前が今季初先発、広島は中6日で森下暢が先発します。
試合は2回裏、ロッテ・角中の今季1号となるソロで動き出すと、3回には両チームが1点ずつを取り合い2-1に。広島は1点ビハインドの5回に西川龍のセカンドゴロによって1点を返し同点に追いつきますが、6回に広島先発・森下暢が犠牲フライを許し3-2に。
広島が追いついてロッテが突き放す展開が続きましたが、7回についに天秤が逆側に傾きます。
ロッテは3番手に今季ここまで無失点の西村天を投入。しかしこれが誤算となってしまい、會澤の代打・坂倉、菊池の二連打でピンチを背負うと、西川龍、秋山翔に連続タイムリーを浴び3-4と逆転されてしまいます。
しかし、ロッテは諦めませんでした。8回に二死二塁から角中にタイムリーが飛び出し同点に追いつくと、4-4で迎えた9回。
広島・栗林から先頭の佐藤都が四球を選ぶと、岡もヒットで続き無死一、二塁に。そして続く池田来が送りバントを決めて一死二、三塁にチャンスを拡大すると、打席には2番・藤岡。その3球目でした。外から入ってきたカーブをセンターへコンパクトに打ち返すと、打球はセンター前に落ちるサヨナラタイムリーに。
打った藤岡も
と喜びを爆発させた一打でロッテが劇的勝利を収めました。
勝利投手 益田直也(1勝15S)
敗戦投手 栗林良吏(1勝6敗7S)
本塁打
広島:會澤翼1号ソロ
ロッテ:角中勝也1号ソロ
オリックス対DeNA戦
京セラドーム大阪
14:00プレイボール
スコア オリックス7-3DeNA
スタメン
オリックス DeNA
1 右 茶野 1 右 関根
2 三 ゴンザレス 2 指 オースティン
3 左 杉本 3 左 佐野恵
4 指 森友 4 二 牧
5 一 頓宮 5 一 ソト
6 中 中川圭 6 中 桑原将
7 遊 紅林 7 遊 大和
8 二 西野真 8 捕 伊藤光
9 捕 若月 9 三 林琢
投 山﨑福 投 ガゼルマン
オリックスは中6日で山﨑福、DeNAは中5日でガゼルマンが先発します。
両先発2回まで毎回ランナーを出す不安定な立ち上がりでしたが、3回は三者凡退に。そしてようやく落ち着いてきたと思われた4回に試合が動きます。
オリックスはガゼルマンの前に先頭・杉本が倒れ、一死走者無しで森友が打席に入ります。するとその3球目でした。真ん中に入ってきたスライダーを思い切り振り抜くと、打球は右中間スタンドに飛び込む先制のソロに。オリックスが森友の一撃で先手を取ります。
さらに、森友は第三打席でも止まりませんでした。ヒットとエラーで一死一、三塁のチャンスとなったところで打席が回ってくると、その初球をスイング。すると打球は先ほどの打席とほぼ同じようなところに飛び、これも左中間スタンドに飛び込むスリーランに。自らのホームランで4点を得点したことに森友は、
と喜びと安堵を見せていました。
オリックス先発・山﨑福は6回途中3失点の粘投。6回に3点を取られたところで降板しましたが、2番手・比嘉がピンチを抑え同点は阻止しました。
これでさらに勢いづいたか、オリックスは8回に二死満塁のチャンスから頓宮、小田の連続タイムリーで3得点。7-3とDeNAを突き放します。
9回は山崎颯が7球でDeNA打線を三者凡退に。オリックスが快勝で連敗を3で止めました。
勝利投手 山﨑福也(4勝2敗)
敗戦投手 ガゼルマン(3勝3敗)
本塁打
オリックス:森友哉8号ソロ
森友哉9号スリーラン
ソフトバンク対巨人戦
福岡PayPayドーム
14:00プレイボール
スコア ソフトバンク6-10巨人
スタメン
ソフトバンク 巨人
1 一 中村晃 1 遊 坂本勇人
2 遊 今宮 2 右 梶谷
3 左 近藤健 3 指 秋広
4 指 柳田 4 三 岡本和
5 二 牧原大 5 一 中田翔
6 三 栗原 6 中 丸
7 右 柳町 7 捕 大城卓
8 捕 甲斐 8 二 中山礼
9 中 周東 9 左 重信
投 石川柊 投 今村
ソフトバンクは中6日で石川柊が先発、巨人は中2日で今村が今季初先発します。
この試合では、現在の巨人を屋台骨として支えている3人にホームランが飛び出しました。
まず1人目は、1回表の先頭打者でした。プレイボールと共に坂本勇人が打席に立つと、その4球目を捉えます。すると、打球は伸びて左中間スタンドにイン。いきなり初回先頭打者ホームランが飛び出し、巨人が1点を先制します。
さらに、2本目が出たのは3-1と逆転された直後の4回。石川柊に対し死球とヒットで二死一、二塁のチャンスを作った巨人は、この場面で大城卓に打席が回ります。そして3球目、甘く入ったフォークを一閃すると、打球は福岡PayPayドームの中段に飛び込む逆転スリーランに。本人も打った瞬間確信する当たりで3-4と巨人が逆転します。
最後に、3本目が打ち上がったのは4-6で迎えた7回。ソフトバンクの4番手・甲斐野から梶谷がヒットを放つと、二死一塁で岡本和。これも3球目、高く浮いたフォークを振り抜くと、打球はぐんぐん伸びてレフトスタンドに飛び込むツーランに。
と、甘く入ったボールを見逃さなかった結果の二試合連続弾で4-8とリードを広げます。
投げては先発含め計7人を投入するブルペンデーを開催し、なんとか6失点で逃げ切り成功。巨人が13安打10得点で打撃戦を制しました。
勝利投手 大江竜聖(3勝)
敗戦投手 石川柊太(3勝3敗)
本塁打
巨人:坂本勇人8号ソロ
大城卓三9号スリーラン
岡本和真15号ツーラン
ソフトバンク:甲斐拓也5号ソロ
近藤健介8号ツーラン
順位表
パリーグ
順位 チーム名 勝利-敗戦-引分 G差
1位 ロッテ 29-21- 3 ---
2位 オリックス 32-24- 2 0.0
3位 ソフトバンク 29-23- 2 1.0
4位 日本ハム 27-32- 0 6.5
5位 西武 24-32- 1 8.0
6位 楽天 22-31- 1 8.5
セリーグ
順位 チーム名 勝利-敗戦-引分 G差
1位 阪神 35-20- 2 ---
2位 DeNA 30-24- 1 4.5
3位 広島 30-27- 0 6.0
4位 巨人 29-29- 0 7.5
5位 ヤクルト 22-33- 2 13.0
6位 中日 22-35- 0 14.0
まとめ
石川雅選手、和田毅選手に引き続き本当におめでとうございます。和田毅選手に前日並ばれた中での試合でしたが、そのプレッシャーを感じさせない投球でした。ストレートは基本130キロ、失礼なことを言ってしまえばそこらのバッティングセンターに行けば我々でも打つことができる球速帯ですが、それでもいまだにストレートで空振り三振を奪えているということは回転数や緩急など様々な要因があるのでしょう。
42歳と43歳の投げ合い、これが実現しているのはプロ野球の現役寿命が伸びてきている証なのかもしれません。長きに渡りプロ野球を支えている2選手にはこれからも切磋琢磨していってもらいたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。