楽天・フランコが代打の代打逆転サヨナラスリーランホームラン!ディグプロ5月31日
皐月最後の福島の夜空に、杜の都の大砲が一筋の光を描きました。
今回は、5月31日に行われた交流戦6試合を振り返っていきます。
※以下一部敬称略、試合順は開始時刻順、同時刻の場合はスポナビ野球速報の表示順に。
日本ハム対DeNA戦
ES CON FIELD HOKKIDO
18:00プレイボール
スコア 日本ハム3-4DeNA
スタメン
日本ハム DeNA
1 右 万波 1 中 蝦名
2 指 万波 2 遊 森敬
3 三 郡司 3 一 オースティン
4 一 A.マルティネス 4 指 筒香
5 中 松本剛 5 三 宮﨑敏
6 捕 田宮 6 左 佐野恵
7 左 宮崎一 7 捕 山本祐
8 二 上川畑 8 右 梶原
9 遊 水野 9 二 林琢
投 金村 投 東克
日本ハム、DeNA共に中6日で金村、東克が先発します。
2回表、DeNAは二死から山本祐のヒットで三者凡退を免れると、8番・梶原の放った打球は右中間最深部まで到達するヒットに。山本祐は悠々生還し、梶原も三塁に到達するタイムリースリーベースになりました。その梶原は守備でも、2回裏の二塁ランナーを本塁上で補殺してみせるなど強肩を発動させました。
DeNAは4回にも先頭打者・筒香のソロで1点を追加。0-2とリードを広げます。
しかし、ここから日本ハムの反撃が始まります。点を失った直後の4回裏、こちらも先頭の郡司が打席に入ると、真ん中低めのカットボールを捉えた打球は左中間スタンドまで伸びるソロに。
さらに5回裏。東克の前に二者凡退に倒れつつも、打席には水野。その4球目、真ん中近いストレートを叩くと、打球は日本ハムファンの待つライトスタンドに飛び込む同点ソロとなりました。
これで勢いを得た日本ハムは8回、ヒットから3番手・山﨑康のボークで無死二塁のチャンスを作ると、松本剛の送りバントが成功し、さらに悪送球の間に二塁走者の代走・五十幡が一気に生還。終盤で3-2と逆転に成功します。
しかし、クローザー・田中正が登板した9回表。先頭の森敬が三振に倒れ、一死一塁で打席にはオースティン。振り抜いたのは2球目でした。アウトハイのストレートを一閃すると、打った瞬間それと分かる打球はライトへの起死回生同点ソロに。助っ人気迫の一発でDeNAが3-3に追いつき、試合は延長戦へ突入します。
回は10回表。DeNAがヒット、死球で二死一、二塁のチャンスを作ると、打席には森敬。その3球目でした。高めの変化球を弾き返すと、打球はショートの頭を越える勝ち越しタイムリーに。梶原の積極走塁によっても生まれたこの一打を
と振り返った"ハマのフェラーリ"。打っても走っても止まるところを知りません。
10回裏は5番手・ウィックが登板。二死二塁のピンチを迎えながらも最後は田宮を三振に打ち取り、来日初セーブを携え試合終了。DeNAが怒涛の逆転劇で連敗を2で止めました。
勝利投手:森原康平(1勝1敗12S)
敗戦投手:河野竜生(1勝2敗)
セーブ:ウィック(1S)
本塁打
DeNA:筒香嘉智4号ソロ
オースティン3号ソロ
日本ハム:郡司裕也5号ソロ
水野達稀3号ソロ
投手リレー
DeNA:東克-徳山-山﨑康-森原-ウィック
日本ハム:金村-田中正ー河野竜-杉浦
楽天対ヤクルト戦
福島県営あづま球場
18:00プレイボール
スコア 楽天5×-3ヤクルト
スタメン
楽天 ヤクルト
1 右 小郷 1 右 丸山和
2 遊 村林 2 二 山田哲
3 中 辰己 3 遊 長岡
4 指 浅村 4 三 村上宗
5 三 鈴木大地 5 指 サンタナ
6 一 渡邊佳 6 左 青木
7 左 岡島 7 一 J.オスナ
8 捕 太田光 8 捕 松本直
9 二 小深田大翔 9 中 山崎晃
投 早川 投 サイスニード
楽天、ヤクルト共に中6日で早川、サイスニードが先発します。
先制したのはヤクルトでした。2回表、サンタナがツーベース、青木が相手のファンブルと悪送球の間に出塁し無死一、三塁のチャンスを作ると、チャンスで頼れるJ.オスナがレフトへ犠牲フライを打ち上げ、1点を先取します。さらに二死三塁となって山崎晃も今季初ヒットのタイムリーで続き、0-2としました。
しかし、楽天もすぐさま反撃。直後の2回裏に鈴木大地のヒットから二死三塁の好機を作り出すと、交流戦好調の太田光にタイムリーが生まれ、1点差に迫ります。
3、4回と両チーム無得点に終わった中で迎えた5回表。ヤクルトは二死から四球、ヒットで一、三塁と追加点のチャンスが生まれると、この日3番の長岡が初球打ち。フラフラっと上がった打球はライトライン際へのテキサスタイムリーとなり、その差を再び広げます。
しかし、楽天も食らいつきます。7イニングス目に入ったサイスニードから小深田大翔がツーベースを放つと、続く小郷。すると3球目を捉えた打球はライト前にバウンドし、小深田大翔も生還。タイムリーで2-3と再び1点差に迫りました。
そして、楽天の1点ビハインドで迎えた9回裏。2番手のエスパーダから小深田大翔、小郷の連続ヒットで一死一、二塁と一発出れば逆転サヨナラのチャンスを作ります。ここで楽天ベンチは村林の代打に一度茂木を選択。しかし、ここでヤクルトが左の長谷川宙を切ると、今江監督は"代打の代打"としてフランコを抜擢します。
この起用には当時懐疑的な意見も多くありましたが、そんな矢先のファーストボール。外側のチェンジアップを文字通りフルスイングすると、豪快に放たれた打球は左中間へ。期待と確信の入り混じった歓声に乗ってボールはグングン伸び、見事スタンドイン。フランコが"代打の代打逆転サヨナラスリーランホームラン"をやってのけました。代打サヨナラ弾だけでも球団初、球界で見ると門田博光氏以来44年ぶり2人目というこの記録について
と笑顔で語ったフランコ。劇的という言葉では表せないほどの試合を勝利した楽天でした。
勝利投手:渡辺翔太(2勝)
敗戦投手:エスパーダ(2敗)
本塁打
楽天:フランコ1号スリーラン
投手リレー
ヤクルト:サイスニード-エスパーダ-長谷川宙
楽天:早川-ターリー-渡辺翔
西武対巨人戦
ベルーナドーム
18:00プレイボール
スコア 西武1-4巨人
スタメン
西武 巨人
1 遊 源田 1 左 丸
2 三 滝澤 2 右 E.ヘルナンデス
3 二 外崎 3 二 吉川尚
4 指 中村剛 4 一 岡本和
5 右 蛭間 5 三 坂本勇人
6 中 岸潤 6 指 大城卓
7 左 コルデロ 7 遊 泉口
8 捕 古賀悠 8 捕 岸田
9 一 佐藤龍 9 中 立岡
投 髙橋光 投 戸郷
西武、巨人共に中6日で髙橋光、戸郷が先発します。
試合が動いたのは3回表。巨人打線は二死からE.ヘルナンデスのツーベースでチャンスメークをすると、吉川尚の打球がライトの前へ落ち、先制タイムリーとなりました。さらに一、三塁から坂本勇人もタイムリーで続き、2点を先制します。
そして、2点リードで迎えた4回でした。泉口、岸田の連続ヒットで無死一、三塁と追加点のチャンスを作ると、打席には立岡。2年前に育成契約を結ぶこととなった"因縁の地"に再び足を踏み入れると、2球目。髙橋光のアウトハイのストレートをレフトへ弾き返し、タイムリーにしました。
と兜の緒をを締めなおしたベテラン。靭帯を損傷したこの地で再起を図ります。
5回の岡本和のタイムリーもあり、計4点の援護をもらった戸郷は、ノーノーを達成した前回ほどではないものの、この日も快調に投げ続けます。初回にいきなり迎えた一死三塁のピンチを凌ぐと、2〜5回までは三者凡退。6回も一死一、二塁と窮地を作りながらも無失点で切り抜けます。
7回に中村剛に反撃のソロホームランを浴びはしましたが、それ以上の失点は防ぎ、7回99球を投げ3安打、2奪三振、1四球、1失点で降板。エースの貫禄を見せつけました。
西武も攻略の糸口を見つけたいところでしたが、得点は中村剛の一発のみ。8回も2番手・船迫の前に三者凡退に倒れました。
1-4と3点ビハインドで迎えた9回裏も、西舘勇の前になすすべない三者凡退で試合終了。巨人が西武に完勝しました。
勝利投手:戸郷翔征(5勝2敗)
敗戦投手:髙橋光成(5敗)
セーブ:西舘勇陽(1勝2敗1S)
本塁打
西武:中村剛也7号ソロ
投手リレー
巨人:戸郷-船迫-西舘勇
西武:髙橋光-田村伊-與座-中村祐-豆田
ロッテ対阪神戦
ZOZOマリンスタジアム
18:00プレイボール
スコア ロッテ5×-4阪神
スタメン
ロッテ 阪神
1 左 荻野 1 中 近本
2 二 小川龍 2 二 中野
3 中 髙部 3 右 森下翔
4 指 ポランコ 4 一 大山
5 一 安田尚 5 三 糸原
6 三 中村奨吾 6 指 前川右
7 捕 佐藤都 7 遊 木浪
8 遊 友杉 8 左 島田
9 右 和田康 9 捕 坂本誠
投 美馬 投 青柳
ロッテは美馬が4月4日以来の先発、阪神は中13日で青柳が先発します。
阪神は0-0で迎えた2回、ヒットと四球で二死二、三塁のチャンスを作ると、9番・坂本誠のボテボテの当たりがサードへの内野安打となり、タイムリーで1点を先制します。
しかし、ロッテもすぐさま反撃。3回裏に二死三塁のチャンスを作ると、2番・小川龍が意表を突くセーフティースクイズを敢行。これが見事ハマり、同点に追いつきます。さらには4回に安田尚の犠牲フライ、和田康のタイムリーで逆転。3-1とリードを奪います。
およそ2ヶ月ぶりの先発となった美馬は立ち上がりから要所を締めるピッチングをしていましたが、6回。先頭の糸原にヒットを許すと、続く前川右。フルカウントからの7球目のストレートを捉えられると、打球は大きな弧を描きライトスタンドへ飛び込むツーランに。ロッテファンにとっては痛恨の一発、阪神ファンにとっては歓喜のプロ1号弾で、試合は振り出しに戻ります。
さらに、ホームランを打った前川右は止まりません。同点で迎えた7回、二死二塁のチャンスで出番が回ると、3球目を捉えた打球はライトへの勝ち越しタイムリーに。若虎の大活躍で3-4と阪神が勝ち越しに成功します。
それでも、まだ引き出しを持っているのが今のロッテでした。1点ビハインドで迎えた9回裏、ロッテはゲラ相手にヒットと2四球で一死満塁のチャンスを作ると、3番・髙部。
その2球目、真ん中近いストレートを打ち上げると、大きく上がった打球はレフトへ。捕球と同時に三塁ランナーがスタートすると、見事生還。起死回生の犠牲フライでロッテが同点に追いつき、試合をまたしても延長戦に持ち込みます。
表が無得点に終わった10回裏。ロッテは二死から執念の繋ぎのバッティングでランナーフルベースの大チャンスを作ると、この試合ここまで皆勤賞の小川龍。阪神・漆原相手にわずか2球で追い込まれたものの、落ちる球を我慢してフルカウントまで回復させます。そして迎えた6球目。アウトローのワンバウンドしかけるほど低いボールを見送ると、判定はボール。小川龍はバットを放り投げました。
見事、押し出しの四球でロッテがサヨナラ。
と、火照った身体に、バケツに入ったキンキンの水を被った小兵でした。また、ロッテはこの勝利で連勝が10に。破竹の勢いは止まるところを知りません。
勝利投手:鈴木昭汰(1勝3S)
敗戦投手:漆原大晟(2敗)
本塁打
阪神:前川右京1号ツーラン
投手リレー
阪神:青柳-島本-石井大-桐敷-岩崎-ゲラ-漆原
ロッテ:美馬-菊地吏-高野-鈴木昭
オリックス対中日戦
京セラドーム大阪
18:00プレイボール
スコア オリックス2×-1中日
スタメン
オリックス 中日
1 中 中川圭 1 遊 村松
2 指 西野真 2 左 大島
3 二 太田椋 3 三 福永裕
4 捕 森友 4 右 細川成
5 遊 紅林 5 指 ディカーソン
6 左 西川龍 6 一 カリステ
7 一 頓宮 7 中 岡林
8 三 宗 8 捕 木下拓
9 右 杉本 9 二 田中幹
投 カスティーヨ 投 涌井
オリックスは中8日でカスティーヨ、中日は中6日で涌井が先発します。
中日は、初回からカスティーヨにアプローチを続けます。ヒットとカスティーヨのエラー、さらに四球で一死満塁のチャンスを作ります。先制できる場面でしたが、ディカーソンが三振、カリステがレフトフライに倒れスリーアウト。得点とはなりませんでした。
しかし、2回表。今度は相手の悪送球から盗塁、バントで一死三塁の好機を生み出すと、田中幹が高くバウンドするファーストゴロを叩きつける間に岡林が生還。ノーヒットで中日が1点を先制します。
先制点を許したオリックスは、中日・涌井の前になかなかチャンスを作れません。3、4回にはランナーこそ出したものの、3回にはピッチャーゴロから三塁ランナーが挟殺、4回は森友の5-4-3の併殺でランナーを生かしきれません。
それでも6回。中川圭、西野真の連続ヒットで無死一、三塁と逆襲の場面を作ると、太田椋の打球はセンターへの犠牲フライに。これで1-1の同点に追いついて見せました。
同点で迎えた終盤はリリーフ陣による緊迫した投手戦が演出されましたが、1-1のまま迎えた9回裏でした。オリックスは中日の3番手・松山晋から先頭の宜保がヒットで出塁すると、すぐさま盗塁を敢行。これに対して木下拓も送球しますが、なんとこれが後ろに逸れて、宜保はその間に三塁へ進塁。一気に無死三塁となりました。
西川龍はファーストゴロに倒れてしまいましたが、頓宮が敬遠され一死一、三塁で打席には宗。一打サヨナラの場面で、その初球。真ん中付近のストレートに力負けせず弾き返すと、打球はレフトへのフライに。掴んだ瞬間宜保がスタートを切ると、ホームへの送球は間に合わずホームイン。見事、サヨナラ犠牲フライでオリックスが劇的勝利を収めました。
と振り返った宗、前打者が敬遠された怒りをバットに込めました。
勝利投手:マチャド(2勝1敗3S)
敗戦投手:松山晋也(2敗)
投手リレー
中日:涌井-清水達-松山晋
オリックス:カスティーヨ-本田圭-マチャド
ソフトバンク対広島戦
みずほPayPayドーム福岡
18:00プレイボール
スコア ソフトバンク2-1広島
スタメン
ソフトバンク 広島
1 右 柳町 1 中 秋山翔
2 遊 今宮 2 遊 矢野
3 指 柳田 3 二 菊池
4 一 山川 4 三 小園海
5 左 近藤健 5 右 末包
6 三 栗原 6 一 坂倉
7 中 川村 7 左 宇草
8 捕 甲斐 8 捕 會澤
9 二 廣瀨 9 指 羽月
投 モイネロ 投 大瀬良
ソフトバンク、広島共に中6日でモイネロ、大瀬良が先発します。
先制点は突然に。1回表、ソフトバンク・モイネロはサクサク二死まで取ったのですが、3番・菊池との勝負。ここで4球目を捉えられると、なんと打球はレフトスタンドに飛び込む先制ソロホームランに。初回から広島が一発で先制します。
しかし、その直後でした。大瀬良は先頭の柳町を味方の連携ミスによって出塁させてしまうと、続く今宮にタイムリーツーベースを浴びてしまい、すぐさま試合を振り出しに戻されてしまいます。
その後は手に汗握る投手戦が始まりました。モイネロは2回に三者連続奪三振を記録するなど5回までノーヒットで抑えると、6回には二死三塁のピンチを招きながらも菊池を三振に打ち取りリベンジ完了。無失点で凌ぎ、最終的に7回100球を投げ3安打、9奪三振、2四球、1失点でマウンドを降りました。
一方の大瀬良も退きません。2回にヒットを許しながらも6-4-3のゲッツーを完成させると、4、5、7回とランナーを得点圏に置きながら要所を締め全て0で切り抜けました。こちらも7回108球を投げ4安打、8奪三振、4四球、1失点です。
そして、同点で迎えた8回裏でした。ソフトバンク打線は今季抜群の安定感を誇っている島内颯と対峙すると、一死から山川、近藤健がヒットで繋ぎ一死一、三塁と一打勝ち越しの大チャンスを作ります。ここで打席には栗原。併殺だけは打ちたくないこの場面で3球目。ストレートを打ち上げると、打球はレフトへの大きなフライに。宇草が掴んだ瞬間山川の徒競走が始まりましたが、ボールに追いつかれることなくホームイン。勝ち越しの犠牲フライになりました。
と笑みを見せつつ、巨体を揺らして還ってきてくれた山川に謝辞を述べた栗原。値千金の一打でソフトバンクが2-1と勝ち越しに成功します。
1点リードで迎えた9回はR.オスナが登板。クローザーとしてしっかり三者凡退に締め、試合終了。ソフトバンクが終盤勝負を制しました。
勝利投手:松本裕樹(1勝)
敗戦投手:島内颯太郎(3勝2敗)
セーブ:R.オスナ(2敗13S)
本塁打
広島:菊池涼介3号ソロ
投手リレー
広島:大瀬良-島内颯
ソフトバンク:モイネロ-松本裕-R.オスナ
まとめ
なかなか内容としてエグい試合が多かったですね(笑)。狂喜乱舞か阿鼻叫喚か、そんな0or100だった5月最後の試合でした。本当ならサムネイル級の試合が山ほどあったのですが、その中でもやはりフランコ選手は抜きん出て輝いていましたね。交流戦に入ってから楽天がノっており、このまま順位浮上、なんていうこともあり得るかもしれません。
それでいうならば勢いの止まらないロッテなども交流戦での注目チームですよね。久しぶりの試合だったということもあり文字数がおよそ9000文字に及んでしまいましたが、明日からはもう少し文字数を抑えて書いていければと思っています(笑)。
最後までお読みいただきありがとうございました。