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ICONOS

良い音というものは聴衆の感受の問題であって、ノイズが無く明瞭な音、いわゆるハイファイなもののことを言わない。雑音だらけでも、ある特別な演奏の力が伝わってくるとき、それは良い音とされる。
曲の途中で入ってくる(鳴き声のような音、これは終盤にリード音となる)リード音は、SoftubeのModel 82で作られている。これは見た目もそのまま、往年の名機Roland SH-101のソフトウェアモデリングシンセである。Softubeの他のモデリング製品と同様、音の再現度は高い。もう少し再現度を高めるとしたら、程よく音を劣化させることであろうか。古い機材に特有なノイズ、これがあるために何故かセッションに馴染むことがあるかもしれない。余計な雑音は、かえって音楽性を高めるのである。Model 82には、この音を劣化させるためのパラメーターが搭載されている。徹底的な再現にはここまでの機能が必要なのはわかる。しかし、そのように聴こえるというだけで本当の実在感を描けているのかは判断は難しい。聴衆の望みは贅沢なものである。


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