「価値観の多様化」に困惑しないための、相手を理解するコミュニケーション技術 Part4
※このPart4の前に、ぜひPart1~Part3をお読みくださいね。
1.ここまでの振り返り
Part1~Part3では、相手を理解するための「質問技術」を共有しました。
このPart4では「共感技術」を共有します。
相手は"人"ですので、我々が質問するにしても「この人は感じの良い人だなぁ」「寄り添ってくれているな!」と感じて貰えないと、質問の場をうまく作れません。嫌な感じの人からの質問には答えたくないからです。
質問の際には、以下に説明する「共感技術」を使ってみてください。
2.「共感技術」について
以下が「共感技術」をまとめたものです。
少なくとも、これ👆を意識して会話をすれば「良き人間関係」が築けるコミュニケーション技術です。
「共感」は相手の言葉に表れた「状況」や「考え・意見」に対して「同意・理解」を示すことです。
それには3つのStepがあります。
※Step❸は2つに分かれます。
Step❶:相手の発言を、全部または一部を繰り返して言う
Step❷:相手の感情を反映する
Step❸-1:同意
Step❸-2:理解
以下に、各Stepを解説します。
3. Step❶:相手の発言を、全部または一部を繰り返して言う
これは、相手の発言・発話を、我々が全部または一部を繰り返して言うという技術です。
例えば、
・相手「今日は暑いですね」 私「暑いですね」
・相手「暑い季節は嫌い」 私「暑い季節は嫌いなんですね/嫌いなんですね/暑い季節は嫌いと言っているんだね」
いわゆる、オウム返しですね。
これだけでも好印象のレベルは上がります。
4.Step❷:相手の感情を反映する
この相手の感情を反映するとは、相手の様子や表情、相手の発言の背後にある感情・気持ち・想いを我々が言葉にすることです。
以下、例です。
相手「暑い季節は嫌い」
私「嫌いなんですね」
👆Step❶:相手の発言を、全部または一部を繰り返して言う
私「なんか、辛そうですね…」
👆Step❷:相手の感情を反映する
言葉としては、「大変ですね」「素晴らしいですね」「凄いですね」「頑張ってますね」等の、相手の発言の背後にある感情・気持ち・想いを表すものとなります。
但し、このStep❷:相手の感情を反映するは、意外に難しいので、適当な言葉が思い浮かなければ、省略し、次のStep❸に移行しても構いません。
5.Step❸-1:同意
同意とは、相手の発言内容に同意、賛成することです。
言葉としては、「私も(私は)そう思います」「言う通りですね」「そうですね」「ありますね」等です。
以下、例です。
相手「暑い季節は嫌い」
私「嫌いなんですね」
👆Step❶:相手の発言を、全部または一部を繰り返して言う
私「なんか、辛そうですね…」
👆Step❷:相手の感情を反映する
私「言う通りですね」
👆Step❸-1:同意
6.Step❸-2:理解
理解とは、相手の発言内容に理解を示すことです。但し、これは必ずしもその発言内容には同意、賛成していないのです。続いて「しかしながら…」という否定的発言を挿入できます。
言葉としては、
「言っていることはよく理解できます」
「おっしゃることはよくわかります」
「それは理解できます」
「そうなんですね」等です。
以下、例です。
相手「暑い季節は嫌い」
私「嫌いなんですね」
👆Step❶:相手の発言を、全部または一部を繰り返して言う
私「なんか、辛そうですね…」
👆Step❷:相手の感情を反映する
私「おっしゃることはよくわかります」
👆Step❸-2:理解
私「しかしながら、私は暑い夏が大好きなんです!」
👆否定的発言
理解を示しているので、次に否定的発言を挿入しても、相手はこの人は自分の話を聴いてくれているなと感じ、好印象を保てます。
以下、サンプルを示しておきますね。
7.わざとらしくならないように、職場やプライベートで練習する
共感技術は、職場やプライベートでの訓練が必要です。わざとらしくならないように、間や抑揚に留意し日頃から意識的に使ってみましょう!
最初は下記👇の"共感の「さしすせそ」"を使うことから始めても良いかと思います。
8.質問技術と共感技術を駆使する
以下に、「対話の中で質問技術と共感技術を駆使する」例を掲載します。
👨「最近、漫画やアニメに夢中な若者が多いと聞くのですが、
山口さんはどうですか?」👈質問の応用技術-「事例提示喚起」
👧「BLが好きなんです!」
👨「BLが好きなんですね」👈共感技術/Step❶:相手の発言を、全部または一部を繰り返して言う
「そうなんですね!」👈Step❸-2:理解
👧「はい!」
👨「BLでは具体的にどのような漫画が好きなのですか?」👈質問の基本技術/具体性の追求-特定
👧「リンクアンドリンクが推しなんですよ💛」
👨「リンクアンドリンクが推しなんですね」👈共感技術/Step❶:相手の発言を、全部または一部を繰り返して言う
「リンクアンドリンクというと…」質問の基本技術/具体性の追求-非特定
9.終わりに
価値観が異なっているように見える相手でも、相手に関心を持ち、相手を理解しようとする姿勢を持ちたいものです。
その際に、質問技術と共感技術を使い、相手を理解することを試みてください。
(完)