水彩で綴る 「コラージュから水彩へ」
「コラージュから水彩へ」
いつかは絵を描くと、なんとなく思っていましたが、
今になってみると何故か後回しにしていたような気がしています。
それまでは、雑誌や広告などを切り抜いてコラージュをしていました。
かなり作り溜めていましたが、テーマは主に「窓辺からの眺め」でした。
こんな高台の窓辺から眺めたら、海岸はこんな風だろう、とか。
かすかに海の香りがする風にカーテンが揺れて、
気付かぬうちに時間が過ぎている、といった風な。
もう一つのテーマは「夏の庭」。
強めの風が庭の草木を踊らせて、寝椅子に沈んだ身体を包み込んで
くるくると渦を巻いている。しばらくして誰もいない寝椅子の上のタオルが
風にはためいている、といった風景。
或る時、最初に作った何枚かが、ニス仕上げをしてあるけれど、
色が褪せているのに気づき、少しがっかりしてしまいました。
その時にやっと、ああ今絵を描いてみたらいいのかもしれないと、思いました。
初めは何も見ずに、頭の中のイメージだけをたよりに、
家にあった水彩絵の具の残りを使って、
暗くなり始めた山の中の道を描いてみました。
わずかながら手応えがあって、今度は自分で撮った写真を見ながら描いてみることにしました。
一枚一枚と続けていくうちに、何を描こうとしているのかが見えてきたような気がします。
普通の水彩絵の具と、発色が好きなのでポスターカラーも使います。
何度か特別な色の絵の具もバラで買って使ってみたりしましたが、
結局は、少しずついつもの絵の具を混ぜながら色を調整していく方が、
自分らしい絵になると思っています。