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医師と僧侶のカケコミ相談室 第23回 不安は無くせない、不安なまま動く!

脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
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11月12日(火)~16日(土)まで、七十二侯では地始凍(ちはじめてこおる)になります。朝晩の冷え込みがいっそう厳しくなり、寒さで大地が凍り始めるころです。

暖房器具や防寒着などの準備はバッチリ済んでいるでしょうか。本格的な寒さが来てから用意するのでは遅いのですが、我が家は毎年「今朝は冷えるね、灯油が無い!」という会話をしている気がします。どんどん寒くなるのは分かっているのだから予め用意しておいたらいいのですが、差し迫って必要になるまで後回しにしてしまうのです。そんな反省を活かし、「冬の初動チェックリスト」を作りたいと思います。

今週のアプリ「InTrip」では、そんな初動の大切さについてお伝えしています。自然災害、社会システムの変化など、私たちをとりまく環境が大きく変化している近年、何かあったときにどう動くかを事前に考えておき、実際に事が起きた時に素早く行動に移せるようにしておくことが大事。予測、準備、そして体がすぐ動くように、練習をしておくことも必要ですね。

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私は娘たちと一緒に、不審者対策の練習を何度かしました。変な人にからまれたらまず「お母さーん!」と大声で叫ぶんだよと伝えたのですが、いきなり大声を出すのは難しいもの。「お母さーん!!来て―!!」と叫ぶ練習を何度かしたら、「これでいざというときも大丈夫!」と安心感が生まれます。しっかり準備したら過剰に心配せず、目の前の現実、楽しいことに集中していきたいですね。

今週のQ&Aでは、不安を手放すにはどうしたらいい?というお悩みに、東凌さんが「不安は無くなりません、不安なまま動きましょう」と答えています。将太郎さんは、「病気になるのが不安で保険にたくさん入っている」という人へ、「保険に入れば安心という考え方は危険です」と回答。不安を無くすのではなく、どう受け止めてどう行動するのかが大切。そんな回答をお楽しみください!


Q1 勤務先がダブルワークOKになって数年、ダブルワークをはじめて成功した人、失敗して借金が残った人どちらもいます。自分も新しいことを始めたいけれど一歩踏み出せません。不安をどう乗り越えたらいいでしょうか。

Q2 40歳を過ぎ、残りの人生をどう過ごそうか真剣に考えるようになりました。死ぬときに人生後悔しないために、一番大切にすべきことは何でしょうか。

Q3 病気になるのが心配で保険を多めにかけており、ガン特約、先進医療特約など結構な出費です。医師として今の保険制度をどう思いますか?必要な保険、不要な保険などあれば知りたいです。

Q4 朝食について、食べない方がいい、しっかり食べたほうがいいなど様々な説がありますが、何が正解なのでしょう。私は朝は食欲がなく、無理して食べると体が重く感じます。


Q1 勤務先がダブルワークOKになって数年、ダブルワークをはじめて成功した人、失敗して借金が残った人どちらもいます。自分も新しいことを始めたいけれど一歩踏み出せません。不安をどう乗り越えたらいいでしょうか。

A1 「不安がなくなることはありません、不安なまま動きましょう」東凌

相談者さんは、新しい仕事を始めたいけれど「不安があって一歩踏み出せない」と感じているようです。そして、その不安をどう乗り越えたらいいのかというご相談ですが、「不安がある=行動できない」という方程式は成り立つのでしょうか。
不安とは、人間にとって根源的かつ普遍的な感情で、不安を感じずいつも安心している人はいません。新しいことに挑戦している人、結果を出している人は不安がないから行動しているのではなく、むしろ不安を原動力にしているはずです。「この時代、1つの仕事だけで生きていくのは危険だ」という不安や、「じっとしている間にチャンスを逃してしまう」という不安があるからこそ、現状を打破するために行動するのです。

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