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元友人A(高校時代)

高校二年生の頃のお話です

体重推定80kg、腰まで伸ばした髪をツインテールにしたAと仲良くなりました
見た目のインパクトは大です
でも私は見た目で差別しないので、あまり気にしませんでした

Aは私を大変気に入り、二人きりの友情が始まりました

Aが友情の証として、ラインストーンで出来たブレスレットをお揃いでつけよう!と持ちかけました
Aはピンク、私はブルーです

二人きりでお昼ごはんを食べ、二人きりで下校する

しかしAと一緒に居ると、Aの容姿から、ひやかす人が多いことに気付きました

二人で放課後屋上で行われた部活動?に顔を出しました
先輩のギャル男が、Aの姿を見て何か酷いことを言っています
Aは気付いてのるか気付いていないのか、私は先輩のギャル男を睨み付けました
私の顔が怖かったのか、おどけてます

それ以外にも、Aと二人で高校の目の前の坂を自転車で下っていると
それを見かけたイケてない男子生徒の集団が
「セーラームーン!」と叫びました
腰まで伸ばした髪をツインテールにしたAは、見る人に寄ってはセーラームーンの模倣です

休みの日、二人で原宿に買い物に行きました
Aはオシャレが大好きだったので
ブランドものなどに詳しいです
服屋に立ち寄りました
Aが服を見ていると、女性店員さんが「大きいサイズありますよ」とAに声をかけました
Aはどことなくショックを受けているような雰囲気でした

そういうことがあったからでしょうか?
それとも元からの性格でしょうか?
Aが鬱屈とした性格を露にするようになりました

私のお揃いのブレスレットが椅子に引っ掛かりました
Aが抜いてくれました
私は何気なく「さすがぁ!」とAに言いました
するとA「何がさすがなの?どういう意味?!」(太ってるから力が強いという意味?)と私に怒って問い詰めて来ました

お昼休み、誰も来ない校舎の裏で二人きりで黙ってお昼を食べていると
私のお腹がなりました
大きな音です
Aは「ハハッ」と嘲笑してきました
イラッと来た私は近くの窓をバンッと閉めて
「教室戻ろうか」と言いました

Aは携帯電話に電話するな!と言いました
なぜなら、中学時代に片想いだった男子生徒からの着信が消えてしまうからだとか
「友情より男かよ」と思いましたが、
私は「そうなんだ、ごめんね、あまり掛けないようにするね」と言っておきました

期末テスト前日
Aと「夜通し起きて勉強しよう」と約束しました
それぞれの自宅で、です
明け方にAから携帯電話に電話がありました
私が部屋のカーテンを閉めながら話してると
Aがいきなり「誰か居るの?」と聞いてきました
部屋には私一人、家族は寝静まってます
「今女の人の声で「何してるの?」って聞こえた」などとAは言います
怖い話として、それはそれで…

文化祭がありました
上級生の出し物に「カラオケ」がありました
Aが何度も何度も同じ歌を歌います
私も付き合わされました
上級生は冷めた目で「おぉ~(パチパチ)」などと言ってます
私は恥ずかしかった

Aは高校生活をエンジョイしたいように感じました
「高校生クイズに出たい」などと言っていました

夏期講習が始まりました
最寄りの駅より数駅離れた大きな会場で、
特進生が通う特別授業です

私はその授業で目から鱗
勉強の面白さに気付きました
真面目な生徒だったのです

Aは不真面目どころか、目立つことしか考えておらず、授業中に前の席の男子生徒の頭の上に、ゴミを置いて笑うなどして
鬱積した「目立ちたい欲」を満たしておりました

ある朝、夏期講習に向かう電車で
Aは「どこか遠くに行っちゃわない?海とか」と提案してきました
またしても「高校生活をエンジョイしたい」という欲望があるのだな、と私は薄笑いしました

勉強の楽しさに気付いた私は、夏期講習に出たかった
でもAは聞き入れません
途中の駅で引き返して来ました
Aはムスっとしています

Aは「目立ちたい」「高校生活をエンジョイしたい」という欲が人一倍あるのに、
容姿から、それが叶わぬ悲しい人なんだな、と思いました

元気がなくなっていくA
学校を休みがちになりました

私は「どうしたの?何か悩みがあるなら教えて、何でも話して」とメールしました
メールの返事は返ってきませんでした

久しぶりに登校したA
「心の風邪で高校を中退する」と言いました
私はどうしたらいいかわからなかったです
たぶん私が何を言っても聞き入れてくれないだろうな、と思い、本人の意志決定を受け入れました

高校を卒業してから20数年、Aがどうしてるかはわかりません
痩せて綺麗になって、人々を見返してくれてることを切に願います

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