子どもが事故に遭遇したら|元 救急救命士の父の対応
ひとつ前の投稿で事故の話を書きました。
書きながら思い出したことがあります。
万が一、中学生以下の子どもが
事故に遭遇したら、
「むやみやたらに事故のことは話さないようにね」
ということを優しく教えてあげてください。
信用できる大人(家族)には正直に話す、
でも学校では話さない、ということです。
もし医療従事者ではない
わたしたちが事故に遭遇したら、
助けを呼ぶこと、医療従事者の指示に従って
動くこと以外はあまりありません。
①落ち着いて、助けや救急車を呼ぶ
②パニックを引き起こさないよう
安心・愛を前提に言動する
この、安心・愛を前提に言動することの一つとして
中学生以下の子どもの目撃者への対応をお伝えします。
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ある日、父が運転する車にわたしが同乗していて、
普段全く通らない道をなんとなく通って帰ろうと
いう感じで通ったら、
車と自転車の交通事故に遭遇しました。
自転車に乗っていた10歳くらいの子と車の事故で、
救急車をこれから呼ぶような状態でした。
その子と一緒に遊んでいたもう一人の女の子が
その場で立ち尽くしていました。
目撃者となる女の子です。
その目撃者の女の子にとっては
友だちが目の前で大変なことになり、
大人でも困惑する状況に、
泣くこともせず、ひたすら一人で耐えている様子でした。
しばらくして救急車が到着し、
警察や関係者が続々と集まってくる間、
父は、その目撃者の女の子の
保護者にも来てもらうよう連絡先を聞き電話、
するとすぐにその女の子のおばあちゃんが来てくれました。
父はそのおばあちゃんに状況を説明し、
しばらくはその女の子の心のケアのため
一緒に寝てあげたり、学校から帰ってきたら
なるべくそばにいてくださいと話しました。
そして
「明日学校に行ったら、先生から子どもたちに
今日あったことのお話があるから、
君はクラスの友達には話さないようにね。」
と女の子に言いました。
状況から見て、救急車で運ばれた子は
入院することになり、
しばらくは学校をお休みすることになるので
その間は、目撃者の女の子は
きっと一人で事故のことを抱え、
学校生活を送ることになります。
小学生は大人のように判断ができませんから、
悪気はなくとも、クラスメイトの事故の話、
そしてそれに遭遇した子は
からかわれたり、変な噂の対象になりやすいものです。
たとえば噂が一人歩きしているのを耳にすると
「わたしは本当のことを知っているのに、、、」
と黙っていることが心苦しくなるかもしれませんが、
その心苦しさや、自責の念、心の傷には寄り添いながらも、
事故に遭った子、そして目撃者の子の尊厳を守るために
むやみやたらに学校では話さない、
信用できる大人に抱えていることを打ち明ける、
ということを教えてほしいと思います。
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わたしの父は定年まで消防士で、
救急救命士として現場で働いていました。
医師ほどの医療行為はできないものの、
救急で搬送される間、応急処置をしてきました。
搬送を終えたその後のストーリーも
よく聞いてきたであろうから、
被害にあった周りの人へも臨機応変に対応してきたと思います。
こういう仕事をしている人は守秘義務があるので、
父からはあまり仕事の話は聞いてきませんでした。
そんな父の、もう一線を退いた人間ではあるものの、
できることを模索している姿を見て、
わたしはnoteに書いてみました。