光る君へ 第41回 | 移ろいゆく世で渦の中にいる人、しなやかな人
光る君へ 第41回「揺らぎ」
権力を手に入れた道長様の、正しさを振りかざした顕著な横暴ぶりが露わになりました。
元服した敦康様が御簾を越え、
「ただお顔が見たかっただけでございます」と
中宮様と対面したという報告を受け、
道長様は
「敦康様が二度と内裏へ上がられぬようにいたせ」と
なんとも過度にお厳しい判断をされました。
そんな行き過ぎた道長様は、行成から
「左大臣様がおかしくおわします。失礼します」と
言われてしまいます。(よく言ったぞよ行成!)
さらにさらに(+_+)
帝(三条天皇)から、道長様の三男・顕信を蔵人頭に任じることを打診されましたが、道長様は帝に借りを作ってはいけないとこれを辞退。するとこの事実に落胆した顕信は突如出家してしまいます。顕信は出世に野心を燃やしていただけに、その機会を父に奪われたと、精一杯の父への恨みだったのでしょう。
顕信の母である明子様の恐ろしいこと。
「あなたが殺したのよ!」
とまで言われてしまう道長様。
(そりゃそうだ。母としてこんな地獄はない。しかし息子の出世への強い欲望があってこそのこの事件、道長様と明子様の合作では)
道長様のいまのお姿は、
組織のリーダーならば分かりみが深いというか、
国や政に重きを置くからこそ、
ひとりの人間の尊厳をおろそかにしてしまう
ということなのでしょう。
ちなみに「悪政こそ後世にまで恩恵をもたらす」
という言葉があるように、
現時点では国民の幸せをないがしろにしているような
悪名高き暴君の時代こそ、
のちの世まで名が残り、その時代のものは
後世にまで長く国民に富や豊かさをもたらしているのです。
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そして憎悪のかたまり←、 清少納言登場!
愛しき帝が崩御し傷心の中宮様に、グサッと刃を刺す言葉を述べました。
清少納言にとっては、全身全霊で仕えてきた定子様や次々に亡くなる中関白家一族、そして東宮になるはずだった敦康様への待遇があまりに酷いと、悲劇の渦中から抜け出せないでいるのです。
それでも前を向いている隆家や、自身の境遇を受け入れている敦康様、脩子様の穏やかさとは相容れない、清少納言だけが闇落ちしています。
清少納言を見ていると、移ろいゆくこの世では「信念」とは不幸を招く鍵なのだと思ってしまいます。
清少納言の存在や言動に、あっけにとられている藤壺メンバーにひとり笑みを浮かべて見送るお方が一人。
和泉式部!
夫以外に二人の親王と熱烈な恋愛をし、そして死別したにも関わらず、悲しみに嘆く日々を乗り越えたのちに、今回の藤壺での歌詠みで「恋をしているからかしら♡」との発言!
・・・お強い。
前回でも「罪のない恋なぞ、つまりませんわ」と言うなど、場数を踏んだ戦士のような、憂いも悲しみも全部飲み込んで今の幸せと共に生きるような姿が、眩しすぎますね。
和泉式部は清少納言をどう見ていたのでしょうか。
憎悪の念をひけらかした清少納言に、その場にいた皆がダメージを受けたであろうに、ひらりと攻撃をかわし、何かを感じたご様子の和泉式部でした。
そんな和泉式部といつか意気投合してほしいなと、勝手にわたしが期待しておりますのが、道長様の次女・妍子様。
和泉式部も妍子様も、「置かれた場所で咲けばよい」の精神で通ずるものがあり、そのしなやかさは道理に反することはあれど(笑)、見習いたいものです。
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最近、イケメンたちが次々に亡くなり
(伊周殿、まひろの弟・惟規、帝・一条天皇)
麗しいお姿が見れなくなったことは残念ですが、
中宮様が一層美しくなられて、惚れ惚れしてしまいます♡
愛する帝の死を受け入れ、喪に服した鈍色の装束姿・・・。
「喪服の女性は色っぽい」とよく言いますが、
ほんとに、ずっと見ていたくなるような美しさでした。
明るい表情も、怒った険しい表情も、とっても素敵です。
父の意のままになりとうない、と
弟たちを集めて結束を図る様子も、たいへん頼もしく美しいお姿でした。中宮様もまた、憎悪の渦に飲み込まれず、エネルギーの向く先を変えられたしなやかなお方。
中宮様と弟ズも、F4に負けない一致団結ぶりが見られることを楽しみにしています。