HSS型HSPを自覚したとき
私はHSS型HSP、と自覚している。
特に医師の診断を経ていないし、HSPそのものも病気ではない。
そういう“気質”があるということである。
何故自分がその気質を持っていると自覚するようになったか。
遡ってみると、幼少期から既にその気質を持っていたような気がする。
HSS型HSPは、繊細で内向的だが刺激を求める気質と言われている。特徴的なこととして、
・細かいことを気にしすぎる
・深く物事を考える
・大きな音や声が気になる
・情報量が多くなると混乱する
大きく分けてこの4つの特徴がある。
一つ目の「細かいことを気にしすぎる」について、よく相手の気持ちを考えると、端から見るといいことのように思えるが、内心、相手の細かい行動パターンや思考を気にしすぎる傾向がある。「あの人、いったい何を考えているのだろう」「相手は自分のことをどう思っているだろうか」「こんなことしたら嫌われるのではないか」などといった、大して気にしなくて良いこともずーっと考えてしまう傾向が強い。
そのためか、よく言われるパターンで「メールなどの返信に30分以上もかかってしまう」ということが言われる。全くその通りである。
二つ目の「深く物事を考える」、これはある意味行動的な人で、次の次の行動まで考えて、「慎重に」行動するパターンが多いように思う。計画的というと聞こえは良いが、これも度が過ぎるとあまりに慎重になりすぎて結局何もできないことが多い。
行動的なのに何もできない。相反することが心の中で起きているのである。
三つ目の「大きな音や声が気になる」、HSP全般に言えることだが、音に敏感、ついでに光にも敏感に反応する。普段の話し声程度ならさほど気にならないけれども、あまりに耳障りな音や声にはかなり敏感に反応して不快な思いをする。こういった場面に直面すると、自分のまともな思考ができないことが多く、悩みの種になることが多い。
四つ目の「情報量が多いと混乱する」、これはHSPにとっては致命的とも言える特徴で、一種のパニック障害のようなものになる。情報量が多い現代社会において、SNSなどのツールは便利である一方、ウソか本当か分からないような情報も多数存在する。とりわけ深い思考をしがちなHSPの人にとっては、情報量の多さは「疲れやすさ」を助長しやすい。どれが本当なのかを見極める力はあるが、細やかな作業を繰り返し脳内で行っているので、一度脳内をクリアにする必要がある。メールやSNSをいったん整理して、休ませることが大切だと最近私はつくづく感じている。このnoteのように、整理して文章化するという作業もHSPの人にとっては大切かもしれない。
大きくわけて4つの特徴を挙げたが、これ以外にもいろいろな場面で「繊細さ」が出てくることがよくある。
私がHSPを自覚するようになったのは幼少期からではと話したが、確実に自分はHSPだと思ったのは、母親が病気になり、入退院を繰り返すようになった頃からだから、今から10年ほど前くらいからになる。その頃から常に不安と向き合わざるを得なくなったり、考えることが多くなったり、夜眠れなくなると言った体の不調が表面化しだした時期でもある。HSPは疲れやすいともいわれる。
あまりに不安や不眠が続くので、心療内科に通うようになり、薬を処方してもらい、現在ではかなり安定してきてはいるが、やはり細かいことは気になるし、音や声、光にも敏感だし、考えすぎる傾向はある。
HSPは病気ではないといったが、精神医学上では「不安障害」「社交不安障害」「うつ病」などといった病名がつくことがある。それは、その人の体に現れた症状によって変わってくるが、一般的にHSP傾向は特性であって、治らないし、治す必要がないと言われる。
その人の「個性」であり、「繊細さん」とも言われるほど身近で、誰しもがなり得るものと思っている。だからたいていのことは気にしないように、気にならないようになってきたが、それでも不意に表面化することはある。
思っていることを話しているうちに涙が出てくる、という話も聞く。まったくその通りで、自分の思いや考えがうまく言い表せないのでどうしても内側に、内側にと自分の気持ちを閉じ込めてしまうことがある。
私もその一人で、自分の考えや思いを内側に押し込めてしまうので、人には自分の気持ちが分からないようにしてしまう。だから、相手にとって「何を考えているのか分からない」と思わせてしまうこともあるし、それで迷惑をかけることもあったりする。
教員をやっていたときも、そういう気質からか、自分の気持ちをうまく伝えられずに、子供たちに不安を与えてしまったかなということも多くあった。同僚の先生にも迷惑をかけたこともあったし、正直この仕事向いていないのではないかと不安になって、深く考えてしまったこともある。
そういうときは一人でいた方が楽だったりする。いろいろな雑音が入ってこない、一人だけの部屋で何もしないことが唯一の「癒し」になることもあったりする。不安で仕方のない人、深く物事を考えてしまう人、もしかしたらHSPかもしれないと不安にならず、ありのまま、受け入れることも必要かもしれない。と私は思った。
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