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『食堂かたつむり』を読んで

『食堂かたつむり』

ふわっと、忘れていた何かを蘇らせてくれるそんな一冊だ。

料理に、こんなにも説得力があり、メッセージがあり、そして人を和ませてくれる。
そして、こんなにもいろいろな背景があり、願いも叶えてくれる不思議な食堂である。

そして表現がとても綺麗だ。
「大粒の涙は浜辺に上がって産卵する海ガメの卵のように、ポッベタのうえのをするする滑って落下する。」

なんと素敵な表現なのでしょうか?
そんな事、考えた事もなかった。
これから涙する時は想像してみようと思う。
おにぎりがよそよそしい味とはどんな味なのだろう。
その場の雰囲気に合ってない事なのか……?

ザクロカレーも食べてみたいなぁ〜
ザクロなんて高級フルーツだから……

とても素敵なお洒落食堂でもある。

食材を探しに行ったり、その人にあったコーヒーを淹れたり…

りんごちゃんのご飯を食しただけで、日々の生活が変わる。
何かのきっかけに、人生が変わる。
そんなパワーを与えられる事が出来る、りんごちゃん…
声が出ない分、料理に研ぎ澄まされるか…と思う。

そんな心豊かな「かたつむり食堂」である。

りんごちゃんは、プロの料理人であり、職人でもある。

が、うっとりするのはココまでである。

エルメスが、まさかの食肉になるとは、思ってもみなかった。

りんごちゃんの手によって、さばかれるとは、

エルメスも、納得してたと思うけど…読みながら、エルメスを食肉にするのはやめて……と願ったが、あっけなくナイフを入れられたみたいだ。

おかんの病も、偶然にもふるさとに帰ってきたりんごちゃんのお陰で、おかんも初恋の人と結婚式を挙げることが出来た。

りんごちゃんも、人生の事、お母さんの事が十分わかった食堂かたつむりだったんだと………思う。

食の大切さと、生きる大切さがわかった本である。

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