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暇な職場

今でこそ時々「働きたくない」と思ってしまうほど忙しいが、10年くらい前に所属してたチームでは、チームに割り当てられた仕事の割に人の方が多くて、「今日やるべき仕事が何も無いんだけど」って状態になる日が年に10日くらいはあった。「今日やるべき仕事は3時間で終わるんだけど」という日もそれなりにあり、要は暇だった。その時にチームで決めたのは「残業をしない」「他の忙しそうな部所の助っ人に行く」であった。プライム上場企業とは思えない話だけど、地方都市の事業所ってそのくらいのんびりしていたし、東京に転勤してもそういうマインドはすぐには変わらない。でもそんな決定をしてからは、意味もなく残業していた「働かないおじさんたち(≒ルンバさん)」が定時で帰るようになったし、定時で帰宅できてるくらいだから暇なんです、仕事があったらやります、と周囲にアピールする効果はあった。その後、行政対応とかの、それなりに重要だけど緊急度は低い仕事を回してもらえるようになって、ルンバさんたちも少しはモチベーションアップできたと思う。組織としての生産性が上がったかどうかは、自信が無い。残業代分が減った分は貢献できたと思いたい。

さて、暇を持て余していた時には書類保管棚の片付けや、電子ファイルのアーカイブ処理などを丁寧にやって時間潰しなどしてたけど、時間が余る時はそれでも余る。同じような悩みを持つ人がいないかWeb検索すると、同様の悩みは少なくない。2ちゃんねる、大手小町などにも同様のスレッドがあるし、Blog記事などもあった。従業員としての対策は、主に下記。画期的な対策は無い

 掃除、整理整頓、マニュアル作りなどの仕事を自分で作る
 仕事に関連する資格の勉強をする
 業務改善のマクロ作成やプログラミング(完成して稼働するとさらに暇になる悪循環)
 ネットサーフィン
 読書

個人的には忙しくなったけれど、日本中の職場に暇を持て余す人はまだまだ少なくないだろう。そういう人に給与を支給できている企業の生産性に驚くし、そういう人が居続けられる企業風土にも驚く。
客観的には、仕事が無くても給料がもらえるのなら何の問題も無いのだけれど、そういう状況を歓迎する人も案外少ない。ただ、だからと言ってそういう人が「暇なんです、仕事を下さい」と声を上げることもなかなか難しい。
上司も、自分の部所が人手不足か人手余りかを把握しているはずなのに、対策しない。私が上記のとおり暇だった時は、上司も暇潰ししているところを見てしまったことがあったけど、上司は暇を苦にしないタイプだったらしい。その上も、状況をうっすらと把握しているくせに「いざという時のための人材としてキープ」みたいなことを考えていたようである。
背任とまでは言わないけれど、組織成果がどうだの中期経営計画がどうだの言う口で働かない社員を抱えても対策しないって、褒められたことではないよね。普通に考えたら人材募集をしている部署に異動させるとか、超過労働時間が多い部署の仕事を一部担当するとか、何かしないと。どんなに単機能な人でも、カバー範囲を広げるとか、やりようはあるわけで。例えばルンバさん1号がコピー用紙の在庫管理を他のフロアまで引き受けるようにした、とかね。在庫切れを自ら確認する習慣の定着に何ヶ月もかかって、周囲にも迷惑かけてしまったから、良い対策とは言えないか。

あまりにも忙しすぎるのもダメだけど、暇すぎるのも良くない。
ちょうど良い分量で、個人の特性や能力に見合う、達成感や成長があるような仕事を継続的に課する。なかなか難しいことだけど、中間管理職がやらないといけないし、短期的な調整弁にもならないといけない。それだけの余裕が中間管理職にあるかというと、ね。
でも、今日も陽は昇り、職場は始業し、給料日には給料が入る。会社ってすごい組織だ。