リスクを取りたくない家族と投資
ちゃんとした統計はないけど、世の中はリスクを取りたくない人が圧倒的に多い。会社組織で働くというのは稼ぎ方として非常にリスクが低いし、お金の保管方法としては預金が一番リスクが低い。
普通の労力で人並みに給与を得て、普通に預金金利でお金が増える昭和後半が良かった、と嘆く声はあちこちで聞く。
さて、そんな保守的な人に投資を勧めても高確率で拒否される。他人は私の株式投資のことまでどうこう言わないが、家族だとそうはいかない。
私の父はそこそこ株式投資していたが、母は投資なんて怪しい、と大反対、私が株式投資していることにも、いい顔しない。
私の夫も、私が株式投資していることを本当はあまりよく思っていない。オンラインサロンでカモになってるくらいの認識。それなのに夫は株主優待などの恩恵は普通に使うのだから勝手なものである(なんで私は離婚しないんだろう?)。
さて、私の株の師匠は「投資にあたっては、反対する家族の説得が一番大変」と言う。家族の一人が投資に前向き、他の家族は反対、という家族は珍しくないらしい。
確率論で言えば、上場株式の中長期の現物取引はプラスサムゲームと言い切って良い。銀行預金よりも宝くじよりも良い。
勝間和代など、金融資産の全額を株式型の投資信託にしているという(公共料金やクレジットカードの引き落とし分くらいは銀行にあるのだろうけど)。
投資を嫌う人は、マイナスサムゲームや投資詐欺と株式投資を混同している。
投資したい人が投資に反対する家族を説得するアプローチを考えてみた。
年金基金を引き合いに出す
ジェレミー・シーゲルのグラフを見せる
NISAの趣旨を説明する
r>gのグラフを見せる
投資実績を見せる
うーん、弱い。
母や夫を、こんな話で説得できる自信がまるでない。そもそも話を聞いてもらえるかどうか。
投資なんてもってのほかと信じる彼らは言うだろう。
株式投資がそんなにうまい話なら、どうして誰もがやらないのか。
この問いへの回答を、私は持っていない。
うまい話なんだから、みんなやれば良いのに、と思ってはいる。でも、うまい話にするための我慢(節約するか労働収入を増やして種銭を作る、下落相場に耐える、上昇相場に耐える、年単位で待つ)が必須で、我慢も楽しめる人か忘れて放置できる人じゃないときつい。その条件の段階で、みんな脱落する。
そして思う。
食うや食わずで困窮しているのならともかく、50の余力を100に増やそうが50のままで置こうが、大勢に影響は無い。お金の使い道が各自の自由であるように、使い道の一つに投資を加えるかどうかも完全に個人の自由だ。
結論。家族と意見が合わないのなら、家族の意見を尊重しておく方が良い。家族との良好な関係はお金では買えないから。
お小遣いの範囲だけで投資をするとしても、「評価損になっても家計からの補填や他からの借り入れを絶対にしない」くらいの念書は交わしておく方が家庭の平和のために良いだろう。
株式投資という趣味はとても刺激的だけど、サッカー観戦や読書よりも良い趣味というわけでもない。株式市場への参加者が増えると市場の健全化には役立つけれど、せいぜい1千万円規模の個人投資家が数百人増えたところで、株式市場への影響は微々たるものだ。
と言いつつ、夫の不信感ガン無視で株式投資に全力な私。株主優待欲しさに家族名義の証券口座も作ったし、子どものお小遣いとして株主優待のQUOカードを活用するし、飲食系株主優待も家族の楽しみとなり、今となっては私の保有株は家計維持に無くてはならない。ややこしいことになるだろうから夫に面と向かって言うことはないけど、夫は働かなくても生活できる上に株式投資に伴う恐怖と向き合う必要もないのだから、私がどれだけ株を買おうと、どうこう言える立場ではないのだ(いや、本当に、なんで私は離婚しないんだろう?)。