大手企業の地方勤務が最強
就職氷河期の入り口、流されるままに一応は大手企業にかろうじて就職して、縁もゆかりも無かった某地方市が勤務地になった。人口4万人ほどの小さな市だったが、私は北海道の大学で「雪のある生活はもうこりごり」と思っていたから、雪が数年に一度ぱらつく程度の温暖な地方に就職できて本当に良かった、と呑気に思ってた。借上社宅住まいになって、学生の時に飼ってた猫を実家に預けないといけなかったのだけが心残りだったが、生活に困らない程度には何でも買える総合スーパーと雑貨店が近くにあり、高い建物がほとんど無いから空が広くて、歩いて3分で職場に着く。同期入社の女子は私以外はほとんど都内勤務だったけど、私は全然気にしていなかった。車の免許を持っていなかったので、働きながら教習所に通うのは大変だったが、同僚たちにイジられながらもAT限定じゃない方の運転免許を取って、ごきげんで乗り回してた。高速道路を使わなくてもドライブを楽しめる道はいっぱいあった。アパートの隣地が田んぼで、カエルがケロケロと合唱するのも嬉しかった(カエル大好き)。
そうこうしているうちに、結婚&出産。
そして、狙っていたわけではないのだが、下の子が小学校に入学のタイミングで都内に転勤になった。
都内で、ベビーカーと子どもを小脇に抱えて、バスや地下鉄の乗り降りを頑張っている人々を見ると、田舎で就学まで育てることができて本当に良かったと思う。どこへでも車で子どもを連れ歩けるのは本当に楽だった。
子どもの遊び場も、都内のちょっと広い公園は人がびっしりいて、なかなか大変。田舎はいいぞ。人はもちろんいるけど密度が全然違うし、広さの規模も違う。
なんと、数字的に見ても東京暮らしは金銭的に有利とは言い難いらしい。近年は住宅費が上がる一方だから大変よ。子どもが産まれても住居や職場の近隣の保育園に入れる保証も無いし。
ただ、高等教育機関が限られるのは地方の弱点。大学があっても、医大か偏差値が低い大学かの両極端だったり。職場の現地採用メンバーはほとんど高卒、稀に短大か専門学校卒だった。
もっとも、偏差値がそこまで高くない大学に行くよりも、工業高校や高専の方が大企業就職が容易な現実もある。農業高校も意外と大手からの求人がある。
難関大学を目指すならスタディサプリなどの良質な通信教育で地道に勉強しても良いし、なんなら塾など行かずに学校の授業だけで東大進学しちゃう子も、地方にはそれなりに存在する。職場の難関大学出身者で、首都圏出身者はそこまで多くない。隣の家まで徒歩数分、みたいな過疎地で育って難関大学に進学している人もいる。
大学進学で一人暮らしさせる経費はそれなりにかかるが、それを容易に貯められるのも地方の良さだ。何しろ、通勤が車なので、地下鉄などの乗り換えでついつい寄っちゃうカフェやアパレルショップなどの誘惑がほとんどない。パチンコだけは近づかないように要注意だし、家飲みの度が過ぎないような注意も必要だけど、住宅費用も生鮮食品も地方のほうが総じて安い。でも勤務先が大手なら給与体系は大都市圏勤務者と同じ。
若い間は地方暮らしでお金を貯めて、運用で遊ぶ余力ができてきたら、時々都会で楽しむ。おすすめのライフスタイルです。