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相対的貧困率という指標
相対があるということは絶対もある。絶対的貧困とは、1日に使うお金が1.9ドル以下。今の為替レートで274円だが、物価差も考慮してきりよく300円とすると、月額9千円。空き缶払いで生計を立てるホームレスはこのくらいの水準か。世界にはこのレベルも何千万人といる。
さて、相対的貧困とは「等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の貧困線(中央値の半分)に満たない世帯員の割合」だそうだ。2018年の調査では等価可処分所得127万円が貧困線となる。一人暮らしなら手取り年収127万円、4人家族なら手取り年収254万円が貧困線。概ね生活保護受給水準に相当するのが、そういう制度設計なのか、たまたまなのか。とにかく、生活保護受給時点で「貧困」であるし、受給していても「貧困」だ。
相対的貧困率という言葉を最初に聞いた時、貧困判定が緩やかというか、多いな、って思った。ざっくり30%くらいにならない?と。
実際には、収入の分布は高い方に大きく裾を引く分布になるのと、高収入の人がたくさん納税して低収入の人が免税になったり給付を受ける、いわゆる富の再分配によって、相対的貧困率は高めの国でもせいぜい20%くらいらしい。
日本は15%くらい。34人学級なら5人は相対的貧困ということだ。いや、多いな。再分配が行き届いている国だと5〜8%くらい。34人学級なら2〜3人。これでも多いな、と思うが、まあ、相対的ってそういうことかな。
割合もさることながら「一人暮らしなら手取り年収127万円、4人家族なら手取り年収254万円が貧困線」という数値には、非常に説得力がある。絶対的貧困のラインが低すぎるのだけど、この貧困線も現代の日本では相当にシビアだ。うちは4人家族でこのくらいの支出だった時もあるけど、親の家に同居して子どもが小学校低学年だったから実現できたことだ。普通に賃貸住宅だったら旅行も習い事も無理だし、毎日おなかいっぱい食べさせるためには栄養度外視で炭水化物に頼ることになりそう。
このレベルはどんなに節約しても限界がある。働ける成人はできるだけ好条件で雇用されて安定的な収入を得たい。それが難しいなら生活保護など福祉に頼るべきだ。
自分が貧困であることを認めるのはつらいことだけど、プライドより自分と家族の心身の健康を大切にしてほしい。