新卒一括採用するから治安が良いのかも
NHKの記者が、南アフリカに赴任して、いろいろ最高なんだけど犯罪率がすごくて、って記事を読んだ。
犯罪率の高さの原因は、アパルトヘイトで黒人が教育を受けられなかったから、そして失業率が高いから、らしい。アパルトヘイトは1990年代に解消したので、20 代ならある程度は教育を受けていそうだし、温暖な気候に豊富な鉱物資源、BRICSの一角と恵まれた条件なのだが、失業率は30%前後、若者に限ると60%前後とか。日本の就職氷河期で失業率5%前後、若年層失業率は10%前後だったのだから、異次元の失業率だ。主要国比較で、南アフリカは失業率1位。
働けないなら犯罪でもやらなきゃ逆に死んじゃうよね。そんな若者が人口の半分もいたら治安を良くするなんて無理な話だ。
就職氷河期には、新卒一括採用で職にありつけ場合は「不本意非正規雇用」しか道が無かったことが散々批判された。近年は、安定雇用が人材流動性を下げてると批判される。
でも、ひとまず食える、当面は衣食住に困らないって、ものすごく大事なことだ。少なくとも南アフリカの生産年齢層から見たら、失業率が一桁なんて、めちゃくちゃ恵まれてる状況だ。
日本は治安が良過ぎるほど良い。強盗とか物騒な話も少なくはないけど、ニュースになる程度にはレアだし、女性の一人暮らしが当たり前に可能。
これって、みんなが仕事で食えてるからだ。新卒一括採用や定年制と引き換えの終身雇用は、日本の治安を守っている。大事にしないといけない。
日本の社会システムは「最も成功した社会主義」なんて言われることもある。縁故採用とか普通だし、自由主義ではないことは確かだ。
戦争でリセットして日本を良い感じの属国にできたアメリカは、韓国、ベトナム、イラク、アフガニスタンなどで同じことを再現しようとして、韓国以外は全部失敗してる。何がポイントだったのかはわからない。運とかもあったのかも。
社会の課題や災害が多発する問題はいろいろあれど、治安の良さと超低い失業率は世界に誇れる。安い国になったとか腐らずに、日々を真面目に生きて、食べられること、安心して生活できることに感謝したい。