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貧富の差が拡大し続ける必然

シンプルに一人暮らしの手取り収入別に考えよう。

手取り月収8万円だと、シェアハウスに住んでも食べるのに精一杯。外食する余裕なんて一切無いので人付き合いも最低限にするしかない。

手取り月収10万円だとシェアハウスなら少し食に余裕ができて、嗜好品を買ったり、3ヶ月に一回くらいなら外食もできる。普通の賃貸物件だと外食もままならない。ふるさと納税が11000円くらい可能なので、米の返礼品で一番多くもらえるところなら、4ヶ月は米を買わずに済ませられる可能性がある。

手取り月収12万円だと、上手に節約すれば少しは貯金もできるかもしれない。でも、その節約術が「自炊」なので、一人暮らしを経て結婚するカップルにでも頼んで調理器具や家電を分けてもらわないと、一通りが揃うまではとてもお金がかかる。ふるさと納税は14000円くらい可能。
なお、東京ではざっくりここまでが生活保護水準だ。

手取り月収14万円になると、普通に賃貸住宅に住んでも贅沢をしなければ月1万円は貯められる。ふるさと納税は22000円くらい可能なので、他の主食も食べれば、米をほとんど買わずに済むかもしれない。そうするとさらに節約できるので、年間14万円くらいの貯蓄ができる。NTT株を買えば配当利回り3%。10万円投資したら3千円の配当金が毎年もらえる。3年経てば預金と投資元本が42万円に配当金が計9千円。この時点で手取り月収12万円の人は金融資産0円なので、金融資産額に42万円の差がついている。

手取り月収16万円で、手取り月収14万円の生活をすれば月3万円は貯められるが、そこまで切り詰めないで生活水準を上げて、月2万円、年間24万円の貯蓄、投資は年20万円だとする。3年経てば預金と投資元本が72万円に配当金が計1万8千円、金融資産は73万円になる。

手取り月収12万円、14万円、16万円で、わずか3年でここまで差がつく。投資を一切せず預金だけだとしても、差は歴然。さらにふるさと納税が生活の足しになるのは大きい。

年収1千万円プレイヤーともなると、手取り年収は700万円、このレベルだとボーナスもあるので手取り月収は50万円程度か。ふるさと納税は独身でも17万円まで可能なので、米は間違いなく買わずに済むし、肉や野菜も多少は買わずに済む。毎月30万円使っても年に340万円の貯蓄が可能。手取り月収16万円の人が爪に火を灯しながら清水の舞台で大半を株式投資して3年かけて貯める金額を、そこそこ贅沢しながらノーリスクでも、わずか4ヶ月で超える。

毎月の手取りと貯蓄を確保する重要性がここにある。しかもこの差はわずか3年の話で、人生は長い。社会人になってから軽く50年は生きると想定すると、「組織に縛られたくない」「自由な時間が大事」「若い時に楽しまないと」といった言葉を最初から実践すると大変なことになるのがよくわかる。ブラック企業で耐えろ、という話ではなく、非正規だとしても複数の勤務先を掛け持ちしたり、就職先で求められるスキルや資格をさっさと取って早く昇進するなど、ある程度なりふり構わない仕事ぶりも大事、ということだ。

なお、親や祖父母がそこそこ資産に余裕がある場合、社会に出る時点で貯蓄100万円とか投資資産300万円という人もいる。私の子どもが公立小学校で仲良くしてた友達の一人はオリエンタルランドの株を家族それぞれ1単元ずつ持ってたとか。オリエンタルランドは株価が上がり続けているから今頃は1人200万円以上になっているだろう(2017年初頭は50万円で1単元買えた)。祖父母からの教育信託贈与で数百万円ゲットという子もいる。今年廃止だがジュニアNISAで蓄財した家庭も少なくないだろう。2016年から毎年満額80万円積んでいれば元本だけで640万円
一方で、親から支援が無くとも高校生の時からコツコツと時給が少しでも良いアルバイトを頑張って、勉強もしっかりやって給付型奨学金を得て大学進学、引き続きアルバイトで着々と蓄財している子もいる。
現在、私の高校生の子もアルバイトをしていて、月5万円程度を稼いでいる。高校大学と毎月5万円稼いでいけば7年で420万円。生活や遊興にかなり使ったとしても、社会人デビュー時に100万円もあれば、その後の人生に相当な余裕ができる。
社会人デビュー時点で100万円持っていて、全てを株式投資すれば年3万円ずつ増えるので、手取り月収12万円だとしても、お金が働いて3年経てば106万円になるから。たかが6万とか言わない。10年で30万、20年で60万。ゼロよりはるかに良い。
社会人デビュー時点で持っているのが株式資産500万円なら、3年経てば530万円。証券口座は18歳から本人名義で開設できるので、学生のうちに投資家デビューするとさらに差がつく。

こうして考えると、高校生のうちから働いて株式投資するのって本当に大事だな。かく言う我が家も、ジュニアNISAではないが株主優待の名義を増やしたいという邪道な目的で子ども名義にした株が少しある。マイナスももちろんあるが、大きくプラスになった株もある。子どもが社会に出る時にインフレ率を超えて上がる保証は無いが、ゼロやマイナスからのスタートではないのは良い。
今、貯蓄も無く生活保護水準以下の人は何らかの福祉施策を頼ろう。健康上の問題が無いなら、アルバイトを追加するとかして収入と貯蓄を一円でも増やそう。住み込みの仕事で生活コストを下げるのも良い。ホテルや旅館の住み込みバイトとか、なかなか良い時給だし、地方なら散財する時間も場所も無いだろうから、3年は住み込みで頑張って貯めるというのも良さそうだ。