
第3号被保険者制度の見直し
第3号被保険者制度の廃止を連合が提言したとのこと。連合が言うんだ!ってのは衝撃だけど、女性が社会で活躍するには、この流れは良いことだ。
会社員など厚生年金等の加入者の配偶者が、年収130万円未満なら加入できる「第3号被保険者」。制度としては比較的新しく、制定は1985年とのこと。その財源は厚生年金。ものすごくざっくり言うと、旦那さんの会社と旦那さんが専業主婦やパートタイマーである奥さんの年金も負担している。
年収130万円未満に抑えるために、勤務日数や時間をセーブするのはパートタイマーの常識だ。
そして、そんなパートタイマーたちは第3号被保険者制度の廃止に反対する。
子どもの帰宅時に家にいてあげたい
フルタイム勤務しながら家事もやれと言うのか
これらの「家事や育児に偏った視点」では、「たった年収130万円で搾取されている」事実を見落とす。
私はパートタイマーだったことがないし、同僚にもパートタイマーがいないので想像だけど、雇用主と社員とで折半する厚生年金を、扶養の範囲内のパートタイマーに払わずに済むのは、雇用主にとって都合が良い。時給も抑えられるし、正社員の1/5くらいの経費で雇用できるのだから(正社員の各種社会保険料の会社負担はそれだけ大きい)。
年収130万円かフルタイム勤務か、という選択肢しか無いのは、働く女性にとって不都合すぎる。パートタイマーより正社員の方が使えない、なんて職場も少なくないだろう。
週20〜30時間程度の勤務であっても、パートタイマーではなく、例えば契約社員として働けて、正当な対価が得られ、年金も支給される。そういう仕組みに変えていければ、結婚や出産で退職する必要もなくなるし、有能なパートタイマーが抜擢される機会も増える。
こういう労働条件の可能性を探っていくためにも、第3号被保険者は段階的に廃止が望ましいだろう。うちの第3号被保険者も働けばいいのになー。