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アンケートを取りたがる人は仕事ができない

先日、職場で軽い提案があったけど結局流れた。

需要はある→どのくらい需要があるかアンケート取りたい→アンケートするからには供給の詳細を→供給の詳細を検討するには需要がわからないと、で、ぐるぐる回って「無かったことにしましょ」と終了。

社内環境の改善レベルの軽い内容だったので、無ければ無いでOKと合意したから良いんだけどね。
個人的には「調査したい」がイケてないし、流れた原因だと思っている。もっと踏み込むと「アンケートを取りたがる人は仕事ができない人」と、この20年間ずっと思っている。

アンケートって、公平でも無いし実態を正しく把握することもできない。
まず回答者バイアスがかかる。正しく理解してもらって事実を引き出すには、設問と回答方法も相当に練らないといけない。アンケートを取るって、ものすごく大変なことだし、結果の解析も事前に決めておかないと実態を見誤る。そして総論賛成・各論反対みたいな事態を招いて収拾がつかなくなる。アンケート結果を意思決定根拠にするには、相当な準備と覚悟が要る。

でも「アンケートを取りましょう」ってすぐいう人は、ちゃっと調べてちゃっと集計すれば集団の意思決定が最適化されると思い込んでいる。センのパラドックスとかを知らないのは仕方ないにしても、アンケート結果を絶対的に信用できるかどうかを少しでも考えてみたら、意思決定に使えそうかどうかは明らかであろう。

アンケートを取らないと本当に実態を把握できていないのであれば、その人に足りないのはデータじゃなくてコミュニケーションだろう。顧客満足度にしても所属集団内の実態にしても、コミュニケーションができていればアンケートを取るまでもなく課題はある程度見えているはずだ。それに、意思決定を投票に依るのも危険すぎる。正解が無いことは多々あるが、民意と関係なく合理的な判断は可能なはずだ。アンケートを取ろうとすぐ言い出す人は、合理的な判断を下す責任から逃れたがっているのかもしれない。