ピンチに備えることと医療保険
医療保険は不要、と言うと、高確率で反論される。
2人に1人が癌になるのだから備えは必要
病気になったら保険に入れないから健康なうちに入らないと
どっちも正しい。
でも備え方として医療保険が最適解か、というと、普通預金の方がマシだ。
日本の健康保険証を持っている人は、収入に応じて高額療養費制度が適用されて、1ヶ月間の医療費自己負担総額に上限が設けられている。その上限額はせいぜい10万円くらいなので、月額5千円の医療保険3年分の金額で大抵の病気に備えられる。何十年も医療保険に入るくらいなら預金の方が良い。預金残高があると使わずにいられない性格でない限り、医療保険は不要。
本当に備えなければならないのは、医療費の方ではない。病気や怪我で、仕事を休むあるいは辞める必要がある時の生活費の方だ。家賃もローンも、個人の事情を汲んだり待ったりはしてくれない。
私の知人は、ちょっとした交通事故で3ヶ月も入院することになり、怪我や治療の苦痛より、休業中の無収入の方がよほどきつかったとぼやいてた。退院後も即フルタイム復帰とはならないので、年間1/3の収入が消えるという大変な事態だ。実際には休業期間も健康保険からの何らかの補填はあるので完全無収入ではないのだが、国民健康保険だと詰む。
このあたりが、まずは3ヶ月分貯めよう、投資する時も生活防衛資金として3ヶ月分は預貯金で確保しておこう、と言われる根拠であろう。
保険に詳しい後田亨氏は収入保障保険を推奨している。
十分な貯蓄のないサラリーマンには、医療保険より収入保障保険を推奨する。職場でまとめて加入している場合もあるので、総務部門とかに確認することも推奨する。
一方で、医療保険の代わりに貯蓄する、医療保険をやめたくないなら、せめて減らす、など工夫もすると良いと思う。ほんと医療保険ほど無駄なものはない。貯金の方がマシ。