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好き嫌い

一般論として、好き嫌いをあからさまに表出するのは行儀が悪い。
飲み会の計画で「生物が苦手だから刺身やカルパッチョを含むコース料理は避けて」などと事前に表明するのは必要なコミュニケーションだけど、ビジネスの場面で「嫌いなメンバーがいるからプロジェクトに加わりたくない」とか言うのは単なるワガママとしか認識されない。

でも、管理職人事って「好き嫌い」も意外と考慮されてる、って社内の人事関係者から聞かされてびっくりしているところ。
そりゃあね、全くソリが合わない人と一緒に組織運営したら先に進まないとかはあるかもしれない。でも、所詮は仕事のことじゃん。適当にあしらうとか妥協するとかもビジネス作法でしょう?
ところが、部署長レベルともなると、「その上に上がるのは俺だ」ってみんな思ってるし、こいつが自分より先に上がったら敗北、みたいなライバル設定も各々が持ってるものらしくて。そういうドロドロが部署間抗争に発展することが無いような部署長選定や配置って、ものすごい大変らしい。好き嫌いの配慮って言うか、仲良くやれそうなメンバーで固めるというか。だから、偉くなりたかったら野心も持ちつつ嫌われないように周囲と協調してよ、っていうのが人事の本音みたい。

たかが仕事なのに必死な人もいるものだなあ、と思う。私も、そのぐらい熱くなれたら仕事辞めたいなんて思わないのかな。
個人的な情熱が組織成果になるんだから、管理職がガツガツしてないと会社が傾くのか。でも出世にご執心なトップの下で働くのってなんかイヤだな。たまたまだけど、ここ数年、毎年のように変わった私の上司はみんなあと1〜2年で役職定年という方ばかりだからか、そんなにガツガツしてなかったし。
一方で、周囲と協力して穏便にやってくれっていうのも人事側の都合だよなあ、という気もする。侃侃諤諤と半ば喧嘩するような勢いで議論しながら一丸となって成果を出してた組織も若い時に経験しているから。面子を潰されたと嘆く人がいないように、当時の部長は裏でいろいろ気を遣って調整していたと聞くので、簡単なことでは無いのだろうけれど。

人間関係ウォッチが大好きな同僚は、「あの人は誰それのお気に入りだから」みたいな社内政治の噂もバンバンふってくる。私はそういうの、あんまり得意じゃない。噂話として面白いねって聞けるけど、仕事は人生の1パーツに過ぎないから、職場での人間関係のお気に入りも嫌いも共感できないんだよね。犬同士が吠えあってるようなものじゃん。みんな、大人になろう?