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久しぶりにもらい泣きをした日

のびたまごのヒビノカケラ
#006

久しぶりにもらい泣きをした。
想いが伝わってきて言葉にならなかったから、それが涙になって瞳にたまって、静かに流れた。

言葉にならない、言葉と言葉以外のもの、その混ざったままの感覚をそのまま受け取って、そのまま自分の中にそれが満ちて、そして器を超えたものがそのまま外に溢れた。

そうか、これがもらい泣きか。

したことないわけじゃないけど、ちゃんと味わったのは初めてかもしれない。

誰かがないているとき、一緒に泣いたことは何度もある。
でもそれは、その人の境遇に泣いたのであったり、自分に重ねたからであったりして、どこかその人の涙の理由を推測したり自分と照らし合わせていたところがあったように思う。

あとは、家族とか感覚的にも肉体的にも近しい間柄だと、意識が同調してしまって相手か泣くとき一緒に泣いてしまうとかも、あったと思う。

つまり、ちゃんとしたもらい泣きは、今回が初めてかもしれないということだ。
感覚というものは、より鋭敏なそれを感じたとき、自ずとupdateされていくしていくものなのかもしれない。

何歳になっても、初めてというのはあるんだなぁと当たり前のことを思って、切なさと喜びで心がマーブルになった。




2022.12.16

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