スズメの赤ちゃんが落ちてきた(最近のあれこれ)
6月某日。
力のない泣き声が「ピヨピヨ」と何かを訴えかけるように聞こえてきた。スズメの赤ちゃんが、飛ぶにとべずに実家の玄関先で困っていた。さて。どうしようか。
これと同じような経験が私にはあるのだ。H研究所付近を歩いていたら、やはり鳥の赤ちゃんが目の前に落ちてきた。どうしてよいかわからずにH研究所に電話をしてみて、状況を説明する。暫くすると、研究所の門の向こう側から男性2人が申し訳無さそうに
「この箱に入れて下さい。僕たちで上手く育てられるかわかりませんが」
と、箱をこちらによこした。
「すみません、お願いします」と、赤ちゃん鳥を手渡した。しかし後から友人が鳥の赤ちゃんについて調べたところ、それはしてはいけない対応だったようだ。
春から夏にかけて、スズメの赤ちゃんは飛ぶ練習をする。よって上手く飛べずに地上で困っている姿を見かける事もある。そんな時に人間が餌をあげたり、手を貸したりすると人間の匂いがうつってしまい、2度とスズメの世界には戻れなくなるという。
ああ、私はしてはいけない対応をしてしまったのだ。後悔の念に苛まれた。
そんな経験があったので、今回は遠くから見守る方針で家の中に入った。そうこうしているうちに、親鳥が迎えに来て、赤ちゃんは巣に帰れたようだ。良かった。本当に良かった。
6月某日。国立市公民館わいがやにて。
知人が国立市でコミュニティカフェを始めて、「朝採れたての野菜、店頭に置いてあります」と連絡があったので、買いに行く。
以前、ジャガイモが百円で売っていて、購入してポテトサラダを作ったところ、本当に美味しいジャガイモでびっくりした。カフェには、知人のファミリーがおり、歓迎されながらズッキーニやピーマン、トマト、モロッコインゲンなどが破格で置いてあったので、ラタトゥーユを作ろうと購入。最近は実家におかずを作って届けているので、安くて美味しい野菜は嬉しい。
その帰り道、わいがやでハーブティーを頼む。¥220円でポットに入っているなんて安い。しかも美味しい。「いらっしゃい」とぶっきらぼうに出迎えてくれた文豪のおでこには、傷なのか赤いたんこぶのようなものがあった。両腕もただれている。指摘しようと思った時
「いらっしゃいませ」
文豪の凄く丁寧な呼び込みが聞こえたのと同時に若い男性が隣の席に座った。
「あ、向かい側にあるお店の方です。いや、本当に来て貰えるとは!ありがとうございます」
紹介されたので互いに会釈をする。
「向かいにある角打ちbarやってます」
と男性が言ったので、Googleで検索。口コミが大変良く「優しいイケメンと、物凄いイケメンがいます」と書いてあった。
(この人はいったいどちらのイケメンなんだろうなあ)と思いながらお茶を飲んだ。
「ここはカレーも美味しいですよ」
と、私が言うと
「カレーあるんですか?じゃあ、カレー頼もうかな。お願いします」
と彼は言った。
「まさか来てくれるなんて」
と、文豪。
「いや、話しを聞いたら来たいなって思って」
と、優しいイケメン、もしくは物凄いイケメン。
「ボクはお店出た時は普通だったんですけど、これが急に酔いがまわりまして、大学通りで転んで、ほらおでこって血管が集まっているでしょう。だから流血しちゃって。大量に血を流していたら見知らぬ人が谷保駅まで送ってくれて」
さすが文豪。また逸話が生まれたんだね。優しいイケメン、もしくは物凄いイケメンは、お酒で酔った話しなどには慣れているのか顔色一つ変えずにその話しを聞いていた。
接客業をしているだけあり、人との距離の取り方が絶妙だった。そんなある日。父の散歩に付き合うため、急いで実家に向かった。
わいがやに行くと面白いエピソードが聞けるのでお近くにお立ち寄りの際には是非行ってみて下さい。