声劇配信サイト(ボイコネ)へ台本を投稿していた中で考えていた諸々のあれこれ
声劇/小説ライブ配信サービス「ボイコネ」が本日4/30をもってサービス終了になります。
※2020/05~2022/06までは声劇ライブ配信サービス、2022/07~からはリニューアルして小説ライブ配信サービスでした。
自分は本サービスに主にシナリオライターとして声劇台本/小説を投稿しており、人気作家ではありませんでしたが端っこの方で細々と使用していただいておりました。
自分の台本を手に取っていただいた方々に心よりお礼申し上げます。
要約
内容に自信があっても手に取ってもらう努力と戦略は大事
声劇台本には小説とは違う戦略がある(推測)
「ライターの俺」が考える戦略と「キャストの俺」が考える戦略の乖離に全俺が吹いた
戦略とプライド、どっちを優先するべきか
結局のところ「人気が出なかった!悔しい!」という気持ちを下手な理屈に転化しているだけと思ってくれて構わねえぜ!!悔しい!!!
台本を手に取ってもらうという事
声劇/小説ライブ配信サービスでは、「自分の書いたシナリオを人に読んでもらい(声を当ててもらい)、配信してもらう」という体験ができました。人気の作品などは月に数十回、物によっては月に100回や200回など上演されることもあったりし、ほぼ毎日だれかがその作品を上演している、という状態です。
自分は人気作品のライターではなかったため、毎日張り付いて月に2~3回上演されていれば御の字でした。そりゃあまあ悔しさもあるってもんです。
ただまあ本サービス、声劇/小説ライブという普通の小説投稿ではないサービスではあるにせよ、月600本以上、全盛期には月1000本近くの声劇台本がアップされていました。日単位でも20~40本も新作が上がる状態です。
それによりリニューアル前で総勢2万作品強、フォーマットが一新されたリニューアル後でも(再投稿含め)7000作品前後という大量の声劇台本/小説が投稿されており、その中から自作を選んでもらうというのも至難の業です。
要は即売会のような状態で、人気作品は壁サークルみたいなもので、しかも人気作品の完売というものが無い状態ということです。
作品を見てもらうまでの流れ
これは本サービスに限らず何かを投稿するサービスにおいておおむねそうだと思っていますが、作品を見てもらうまでには3ステップあると考えています。
大量にある作品群の中から、まず目につく(タイトルや表紙などで)
一旦手に取ってもらい、概要やジャンルをざっと見る
興味のある概要やジャンルであれば、内容を見る
つまりどういうことかというと、
「いくら内容に自信のある仕上がりのものができたとしても、それが評価されるのは3.の段階であり、まず1.と2.をクリアしなければならない」
ということです。
だからこそ、大事になるのが宣伝なのです。大量にある作品群の中から、まず手に取ってもらう必要があるのです。
今回こういった投稿サービスに作品を投稿している中で一番身に染みた部分です。
また、宣伝が届かない範囲の相手にも手に取ってもらうために「タイトルや表紙イラストの工夫をする」というのもめちゃくちゃ大事です。ですが、今回は割愛します
配信サービスで自作を使ってもらうには
さてシナリオライターの俺、そうと決まれば打てる範囲で宣伝を打ちましょう、ということで色々考えていました。
Twitterなど外部SNSで新作投稿の宣伝をする
積極的に配信や交流(何なら自作自演)を行い、キャストに対し「シナリオライターとしての自分」という存在を知ってもらい、そこから作品に繋がってもらう
他の作品も積極的に読んで感想などを送りつつ、ライターに対し以下同文
何だかんだで1.しかできませんでしたが。
配信自体にはそもそもそういう配信媒体に慣れていないため話題が尽きるというのと、なかなか配信をする気力と機会がマッチしないというのとなどなどあり、まあ積極的な配信というものが相性悪かったというのはあります。
で、「他の作品も積極的に読んで感想などを送りつつ」の方。
実の所自分は書くのはそこそこに好きだけど読むのはそれほどでもなく、「とはいえ、この大量の作品群の中で何を読もうか……?」という状態になったわけです。
そこで俺はライターの俺からキャスト/リスナーの俺に考え方をシフトし、「いやそもそもこの戦略はミスっているのでは……?」という部分に行きつきました。
ちょっと冷静に考えたら「いや別にライターさん自身と仲良くなったり、他のライターさんが自分の作品に感想くれたからといって、その人の作品を積極的に読みに行ったりしないな……?」という。
※「好きな作品のライター」と仲良くなったら話は別だと思いますが
※実際の所ある程度仲良くなった(と思ってる)フォロワーさんとか居ましたが、別に新作をすぐに読んでくれるわけではなく
つまるところ、声劇台本には声劇台本の宣伝の仕方があるのでは?というところに落ち着いてきました。
ここにきて俺のライターとして色々考えていた戦略が破綻し、キャスト目線で考えなければいけないというエウレーカ!!状態になりました。
何かを伝えたいときは相手の目線に立てって上司も言ってたでしょ!!
じゃあどんな時に声劇台本を探すのさ
声劇台本、他の小説とかと違って探すタイミング自体が特殊な気がすると思っています。というのも、(自分がやっていた頃を考えると)以下の流れが一番多いのかなって。
まず声劇をやりたいと思う
人を集めて、人数比が決まる
決まった人数比で台本を探し、その中から面白そうなものを探す
前読みして実際にやる
ということは、「まず人数比ありき」なのです。
しかもこれが野良劇とかになると、3.の探す行為や4.の前読み自体も「他の人を待たせちゃならねえ……!」みたいになったりもするため、結果「この作品ならみんな知っとるやろ」とか「これなら前読みとかそんなに要らなさそう」とか、そういうのが選ばれがちなのではないかという(後者は内容まで踏み込んでいるので、その時点でタイトルや概要の書き方には成功しているのかもしれません)
辿り着いた戦略と、下手なプライドと
ということは、考えるべき点は
「人数比が分かる事」
「手に取りやすい人数比であること(不問の多さ等)」
だったのではないか、という所で。
リニューアル前のボイコネは台本を投稿する際に人数比が決められたため、必然的に人数比からは探しやすい状態でしたが、当時は不問が選択できなかったため、不問の台本は人数比ごとに大量投稿する必要がありました。
戦略「ということで、不問が出てくる場合は不問の人数に合わせて大量投稿しような! 不問4人なら5パターンだ!」
プライド「うるせえバカ! 新着投稿を汚すな!! 作品の投稿は1本につき1本までにしなさい!!」
リニューアル後のボイコネはキャラクターに不問が選択できるようになりましたが、逆に人数比検索できなくなりました。
たぶん「小説投稿サイト」を名乗るようになったので、おそらくボイコネとしては「まず作品を読む」>「興味を持った作品があったら、上演を決める」>「人数を集めて上演する」という流れを想定していたのかな、と。既に上演作品が決まっており、人数比は後から付いてくるという所だったのかと。
でも、そうはならなかった。そうはならなかったんだよ、ココネちゃん。
だから、この戦略はここで終わりなんだ。
ということで、このフォーマットだとしてもまず「人数比が分かるようにする」というのは検索性をもりっと向上させるわけです。で、ボイコネの検索はタイトル(サブタイトル)と作者名が引っ掛かる仕様だったため、どうするかというと「タイトルに人数比を入れる」というやつをするのです。
これはリニューアル前のボイコネでも活用可能な戦略でした(不問が設定できないので、不問であることをタイトルに記載する)
戦略「ということで、タイトルに人数比を入れよう! みんなが台本を検索する時の手助けになるよ!」
プライド「タイトルを汚すな!!!! ちょっと考えてみたまえ、背表紙に人数比書いてるような単行本あるか????」
ということで、色々考えていたもののプライド的なものが優先されて実戦には至らなかったという所がままあります。
あとあれね、この戦略をプライド曲げてまで実践して結果が振るわなかったら心が死ぬ気がしてね。
(まだ)あくまで趣味で創作活動やっているので、趣味なら楽しくやりてえよなあ! 人気が出なくて悔しいという気持ちはあれど、ゆずれない想いがある。
まとめ
いろいろ苦難と葛藤はありましたが、創作活動で試行錯誤していた貴重な2年半でした。
作品を通じて色々なキャストさんやライターさんと知り合えたし、俺は俺なりにボイコネのコネを楽しめたのかなあと思っています。ありがたい限りです。
いやでも人気作品の人気を見てるとくやしくなっちゃうなあ!!
なんかまたどこかのタイミングで書くかもしれませんが、「少しでも応援してくれる人がいるなら充分じゃないですか」とか「推してくれる人が居たら栄養になりませんか」とかあると思いますが、それはそうです。いつもありがとうございます。でも、それとこれとは話が別です。一人から貰える応援を受け入れる器と、不特定多数から貰える応援を受け入れる器は、たぶん別々にあるんすよ。
ということで、声劇台本は声劇台本の戦略があるんだなあと思いながら、ちゃんと読む人(需要)の立場になって宣伝戦略を打たなきゃなあという勉強をしました。
でもその戦略がプライドと相反するとき、どれだけ許容できるのかという所も色々考えちゃうなあとかなんとか。そういうのは人気になってから考えればいいんじゃないかなという気持ちもあり
余談:ボイコネ終わったらどこかいくの?
未定です。
もしかしたらここにアップするかもしれないし、また別の場所にアップするかもしれないし、しないかもしれないし、しばらく創作活動の予定がないかもしれないし、かと言ったらふと新作が上がるかもしれません。
ボイコネで自分の作品を手に取っていただいた方々、本当にありがとうございました!