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【レポート】シアターホームステイプロジェクト@北千住BUoY

2024年11月末に、シアターホームステイプロジェクトに参加させていただきました。
その滞在レポートです。


はじめに

シアターホームステイプロジェクトとは、、、以下HPより引用です。

シアター・ホームステイ・プロジェクトが目指すのは、全国小劇場ネットワーク(STI)によって生まれた、日本各地にはり巡らされている小劇場たちのゆるやかなつながりが、人の往来によって路として浮かんで見えてくるようなこと、そしてその行き来が劇場に新たな養分を与え、何かの果実を育むようなことです。
滞在者は地域を知り、そこにある劇場の活動に触れ、暮らしている人々と交わりながら、自分自身の可能性を広げます。また同時に、劇場の地域同士をつなぐ花粉や綿毛の種のような役目となるかもしれません。ちいさな一歩ですが、ホーム&アウェイ、悩んだり閃いたり、劇場で学び一緒に活動してくれるアーティスト、スタッフ等を募集します。

全国小劇場ネットワーク「第4回シアターホームステイプロジェクト開催のお知らせ」より

ということで、普段から大変お世話になっている「いわてアートサポートセンター 風のスタジオ」さんに推薦いただき、「北千住 BUoY」さんに滞在をさせていただくこととなりました。

応募段階では
・来年以降の関東圏での活動の手掛かりを掴めるように
・観劇だけじゃなく、東京で活動する皆さんとお話する時間を持ちたい
という思いがあったのですが、、

7月の神奈川での公演以降、資金面や体力面などで団体での活動のモチベーションがなかなか上がらず、そのこともあってか、精神的にもなかなか上向かず、秋頃には「せっかく機会をいただけたのにな……」という考えになってしまってました。

しかしそこで、滞在の目的を自分に向け、
・観劇
・リサーチ(も兼ねたリフレッシュの半ば旅行?)
・付き合いのある方とのお話や、クリエイション
と、修正した辺りからなんとなく気持ちも軽くなり、「もしかしたら何かしなきゃというプレッシャーを感じてしまっていたのかもしれない」と思ったりもしました。弱い自分です。

レポートは、各日の活動と、その時に思ったこと/感じたことが生のまま残せるようにと、なるだけリアルタイムで書いたものになります。

11月21日:1日目

21日、東京に到着。
午前中まで仕事をしていて、新幹線はほとんど眠っていた。
お隣の方とはほとんどお話はしていないけれど、とてもいい人そうだった。

シアターホームステイの中では、可能な限りたくさんお芝居を見ようと思って観劇の予約をした。
その劇場の場所や、週末のホテルの料金の都合もあり、いろんな宿泊地をジプシーすることになって、移動が多くなるので、いつもよりも東京の方がどう過ごされているのかを見てみようと思った。

ホテルを出て、劇場へ向かう。
地下鉄の駅を目指している時にそわーっと心が寒くなった気がして、「あ、これ気分が落ち込む前の感じによく似てる」と思ったので、気づかないフリをしようと思った。
不安なことが多いからかな。秋だからかな。

飯田橋で乗り換えをする時、天井に緑のオブジェ?があった。初めて見た。
東京にいる人も、見たことのない場所がたくさんあるのだろう。その度に初めて見た、と感動したりするのかな。

乗り換えは、標識を見れば迷うことなく行ける。ギュウギュウまでは行かない満員の電車。
ほとんどの人がスマホを手にしていて、じろじろ覗くつもりはなかったのだけれど、目に入ったのは、スマホを横にしてゲームをしている?方、小説を読んでいる方、奥の方は劇場?っぽい様子が見えた。お笑いの配信だろうか。僕は文字を打っている。

アトリエ春風舎にて、紙魚さんの『ハムレット』を観劇。「現代の日本、小劇場で」>「シェイクスピアをやること」という図式のもとで上演に向き合っているのを感じて、とてもよいなと思った。

ホテルに戻って、盛岡の方とお電話。来年の演劇の公演のことについて。
正直なところ、金銭面を含むモチベーションから、なかなか団体(演劇ユニットせのび)で動くのが難しい中、ありがたいお話なのかもしれない。やっぱり難しいのかもしれないけど。

ということを、団員の温斗くんと、録っているラジオを終えてから話す。
まずは、みんなで会うことからですねという結論に。僕が仙台やら東京やらでごめん。

好きなお笑い芸人さん(エバース)のラジオを聴いて、『深夜特急1』を少し読んで眠る。

11月22日:2日目

朝、何食べるかなあとうろうろしてたら決まらず。結局微妙な時間になって見送り。

泊まっていた上野から北千住まで歩いてみる。
国道4号線の標識を見つけて嬉しくなる。
盛岡の今住んでいるところも、仙台の実家の近くも通っていて、すごく馴染みがある道路。

千住大橋に着くと、松尾芭蕉の「おくのほそ道」についていろいろと書かれているものを発見した。
勝手に東北の人は芭蕉に対して好感を持っていると思っているけれど、どうなんだろう。
先日、盛岡でこまつ座さんの『芭蕉通夜舟』を見たばかりということもあって、自分の中でもホットだったから、ここを歩いて渡れてよかった。
今日は暖かい。

北千住に着いて、BUoYが開くまで少しだけ街を歩く。
足立区観光交流協会さんのところへ立ち寄る。係の方と、常連さん?
荷物を見て、「どちらから?」「岩手です。」「岩手といったら大谷だ。」という会話、僕は苦手ではないなあ、と気づいた。

(岩手と苦手が読みづらい。ここに若手も混ざってくる。)

「演劇をやっていて、BUoYに行くんです。」と話すと、「ああ、BUoYだね。」「大道芸?」「演劇だってよ。」という会話が。BUoYが、そういう場所とまちの方にも認知されているのは、いいことだなあと思った。

14時に、BUoYへ。
メールでやり取りをしていた担当の方は都合によりこの日はお会いできず、カフェの方にご案内をしていただく。
ギャラリースペースを眺めたり、オンラインでミーティングをしたり。

地下にある、かつて銭湯だった空間を、公演の時ではなかなか見られないようなところまで見させてもらう。
最初は空間にドキドキしていたけど、慣れてくると「どんなことができるかな?」の脳みそもちゃんと出てきてよかった。
ここが銭湯だったときはどんな人たちが出入りして、どんな会話がされていたのだろう、ということを想像してみる。
浴槽や流し場などは確実にそこにあるのに、既に「背景」になっているような。(バックグラウンドか、そうか。)
前にここで作品を観た時にもそう思ったけど、やっぱりここに来て、自分の創作でやっていることに近しい「場所」だなと思う。

夜は果てとチークさんの『害悪』を観る。10年前に書かれた戯曲かあ、と思いながら観る。とても力強かった。

11月23日:3日目

北千住駅で大学の頃の友人と待ち合わせ。
東京に来た時にはしばしばお家に泊まらせてもらっている友人で、創作活動をしているわけではないけれど、作品を観てもらったり、たまに誘って一緒にお芝居を観に行ったり。
彼はスマホを持っていないので、落ち合う時はいつも少しドキドキしながら、無事に会えるとほっとする。

二人でマルイの屋上庭園に上がってみる。
風が強かったけど天気が良く、遠くに富士山が見えた。
ここで、ジャグラーの山村佑理さんと合流。佑理さんとは盛岡で交流が始まってから、何作も一緒に作品をつくってきていて、今でも「BAZAR」という団体で一緒にクリエイションをしている仲。

(ちなみにその大学の友人とも交流があって、お二人は久しぶり再会。そんな機会をつくれて嬉しくなる。)

佑理さんに馴染みのある場所を案内してもらったり、荒川の方まで歩いてみたり、ぼんやりと話したり、時間を過ごす。
河川工事は子どもの頃の砂場で水を流した遊びの延長線上だ、なんて笑ったり、水害や灌漑のために必要だったのかも、なんて真面目になったり。こういう行ったり来たりが好きだ。

三人で物価高の影響を受けていないんじゃないかと思うくらいの盛り付け・価格設定の中華料理屋さんでご飯を食べてから、BUoYへ。その、BAZARの次回クリエイションに向けての準備として、佑理さんのジャグリングのメソッドの基礎になる部分を、WS的にやらせてもらう。

大学の友人も試しに一緒に、とやってみたのだけれど、同じ寮で大学院まで六年間一緒にいて、人前に立つ、注目が集まるという場を苦手そうにしていた彼が、インプロではすっかりパフォーマーの姿をしていて、こっそり感動していた。

そうなるように順序立てて場を創っていた佑理さんも、その場に入っていけていた友人も、すごい。
あと、使わせていただいたBUoYのギャラリーの空間もよかった。
(このWSでは重要な役割を占めている)床がドラマティックだったし、カフェ空間と地続きで声や音は聞こえているのに、ほどよく閉鎖されているようで集中がしやすかった。

そんな自分は自我との戦いだった。
BAZARはダンサー3名、ジャグラー1名、そこに僕なので、どう在ればいいのかということをやっぱり未だに考えたりしている。言葉をどう置いていったらよいか、どうしたら阻害することなく、より豊かに、楽しくできるのか。

ゆっくりフィードバックしたり、いろいろお話を聞いたりして、この日は終了。友人宅へ泊まらせてもらう。

11月24日:4日目

午前中はゆっくりしてから、友人宅を出発してBUoYへ。
カフェの営業がとても賑わっていて、とても素敵だなと思った。
各々心地よさそうに過ごしている。

この日は早めに離れて、ザジ・ズーさんの『ザジ・ズー オブ ザ ナイト 〜𝓚𝓘𝓢𝓢降る夜に星を見ろ!〜』を観に蒲田温泉へ。
道路標識に「六郷橋」の文字が見えて「箱根駅伝1区の仕掛けどころだ!」と思って走りに行きたくなったけど、時間に余裕がなくて諦めた。またゆっくり来たい。

入ってすぐに、せのびの作品に何度も出演していただいている狩野瑞樹くんに会えた。変わっていないようで、元気そうに見えてよかった。
役者さんとして大好きなので、楽しみ。

少し早めに受付して、さっと温泉に入り、身体もこの場に馴染ませる。なんか個人的にはそれが礼儀な気がして。

お風呂上がってゆったりと開演を待っていたけれど、人が増えるにつれてどんどんにぎにぎとして来て、出演者と観客の境がなくなっていく気がして「ああ、もうこれだけでいい上演だなあ」と思った。

作品は、メンバーの皆さんそれぞれが主体的に関わっていて、混沌としているけれどもこれから先の未来にいろんな可能性を孕んだ坩堝のような状態だなあと感じた。

そのあと、下北沢に移動して男肉du Soleilの団長さんとご飯に行く。
自分にとっての演劇の入り口がヨーロッパ企画で、好きなものはしっかり追いかける性質の自分は、大学生の頃にラジオなども聞き漁り、そこで団長さんに出会った。

10年前くらいに京都で初めて直接お会いし、去年「かながわ短編演劇アワード」に出場した際に隣の会場で演出をされていたことから改めてご挨拶をさせていただき、今年はスタジオHIKARIでの上演も観てもらっていて。

近況とか今後とか、演劇についてのお話、団体を主宰する者としての考え方とか、苦労とか、楽しいこととか、たくさんお話をさせていただいた。
完全にただのリスナーから、演劇についてのお話ができる未来があるなんてなあ。
そんな未来もあると思って、自分も真摯に活動を続けていきたいなと思った。

この日の宿泊は中央線で武蔵境へ。駅を降りて、ここは"住"のまちだ、と感じた。なんかもったいなくて、少しだけホテルの外を歩いてみた。

荷物を下ろして軽くなったからから?寒かったから?走りたいなと思って、いやいや私服だし、、となったけど、何も制限するものはないなと思って、少し小走りした。

11月25日:5日目

ホテルで朝ごはんを食べた後、ボトルにお水を汲んでもらっていた時に「武蔵境は地下水から汲み上げているから水が美味しいんですよ」と教えていただいた。
水が美味しいのはとても嬉しい。

この日はリサーチの日。
まずは朝に吉祥寺へ。「演劇」ではないけれど、創作活動の一環で「hacotoki」というチームでボードゲーム製作をしていて、今年から盛岡市内の何か所かで『謎解き』のゲームデザインをやらせていただけることになり、そのリサーチのために。(実はこの締切が結構タイトなのであった…)

吉祥寺は、お芝居を観に来た時などなどで何回か来たことがあったものの、こうしてゲームに参加しながら街を歩いていると、街をよく観察したり、いつもなら入りづらく感じてしまうところもすんなり入れたりして楽しい。
こういう仕掛けを、盛岡の街で起こしていきたい。

盛岡では旅行会社で働いて、まち歩きなどをしながら知識を蓄えたり、人とコミュニケーションをとったりしていて、自分にとってはこれも演劇の一部だなあと思っているのだけれど、もっと演劇の部分や、自分のやっていること/やりたいことが絡んだらいいのかなと考えたりもしている。

昨年、もりおか周遊舞台芸術祭で、旧石井県令邸にて上演した『ト(゛)リップ』もそうだし、公演時にモニター的にまち歩きガイドをしたりとか、そういうものもだし、謎解きまち歩きもそう。

お昼を食べてからはバスと歩きで三鷹市国立天文台へ。
星とか宇宙に対しての憧れ?みたいなものがずっとあって、作品のモチーフになっているモノとか、そのスケール感みたいなものを扱おうとしたり、できなかったりしているなと思っているので、足を運んでみた。

先日、岩手県の水沢にある国立天文台にも行ってみていたので、そこのことを思い返しながら比べてみたり、みなかったり。同じところを探してみたり、みなかったり。

夜のうちに、小田原急行に乗って小田原まで行く。
姉が小田急の沿線に住んでいた時、東京でお芝居を観る時はよく泊まらせてもらっていたので、とても馴染みのある電車。
思えば、そのおかげでたくさん芝居も観れていた。ありがたし。

長い電車はnoteが捗って嬉しい。
下北沢ではあんなにぎゅうぎゅうだったのに、小田原に着く頃にはガラガラになっていた。
明日も日中はリサーチ。楽しみ。

11月26日:6日目

午前中から小田原でリサーチ。
今請けている仕事や、盛岡のまちの人々の感じでは、一番参考になるかもしれないなあと思いながら、じゃあ実際にどういうものを作っていくか、というところまでいけたので、だいぶ収穫あり。

それから、7月に上演した作品で「二宮金次郎像」(二宮金次郎ではなく)に出てもらっていて、なんとなくご挨拶をしなくちゃいけないなと思っていたので、二宮尊徳神社へ。
遅ればせながらようやく来れました。その節はすいません。ありがとうございました。

道を歩きながらこの辺は、箱根駅伝4区の最終盤。(あるいは7区の走り出しかあ、と思いながら見ていた。)
一応ランニング道具も持って来てはいたのだけれど、時間をとることができず、断念。

横浜まで移動すると雨。アイカサはすごく便利。わざわざ傘を買わなくていいし、返せば荷物にならない。
宿は中華街の方にあるキャビン。荷物を置いてから、歩いてスタジオHIKARIへ。

中華街からスタジオHIKARIにかけては、「かながわ短編演劇アワード2023」に出場した時に泊まっていた場所があったり、スタジオHIKARIでの公演もあったので、馴染みのあるように感じる。

ブルーエゴナクさんの『たしかめようのない』を観る。
作・演出の穴迫さんとは、岩手でお会いしてからかれこれ6年くらい?
宮古市の学校にWSの講師で来ていた時に、アシスタントとして入らせていただいてから、何度か作品を観させていただいたり、ひとつの企画で作品を創り合ったりしている。

今作は穴迫さんの狙いがハマっていたように見えて、とてもよかった。
佐々木敦さんとのアフタートークもよかった。

活動については、北九州、京都を拠点に、これからは東京でも、、、というお話があったけれど、せのびもどうなっていくか/どうしていくか、考えていかないとと思った。
都市の規模の差はあるとはいえ、北九州という地から「ブルーエゴナク/穴迫さん」のスタイルの作品を発信し続けていることが救いのようだなとも思った。

雨の中、びちゃびちゃと歩いて帰る。
靴が濡れるのは不快だけれど、よい気分で。
宿でサウナに入っている時、「こういうことをやりたい」「やってみたらどうなるか」というものが浮かんだりもしてきた。どう形になるか分からないけれど、自分も頑張ろうと思えた。

11月27日:7日目

午前中は北千住へ。BUoYにて、昨日までのインプットを少し形にまとめていく時間を取る。

お昼過ぎくらいに移動。お昼を食べていないのが不安なので、コンビニでおにぎりとホットスナックを買う。

早稲田小劇場どらま館にて、ぺぺぺの会 + いいへんじさんの『LifeとWork』の公開ゲネプロを観させていただく。
この公演は、取り組み自体がとても素晴らしいなあと感じていて、制作面はとにかく開いて開いて、作品面は自分たちに向き合って真摯に、というのが宣伝の段階から分かる状態になっているのは、本当にすごいなあと。

作品は、観ながら、自分のことやせのびのメンバーのことを考えたりした。
せのびは、僕とプロデューサーの藤原慶が30歳、それ以外の役者・スタッフはみんな下の世代なので、今回の公演に関わっている皆さんとほとんど同世代。悩むところや考えることで、共通する部分もあったりするのかな、なんて観ていた。
僕も含めて、「東京で演劇をする人たち」に対する過度の敬意や距離感みたいなものは、想像しているよりも少ないのかもしれない、と思った。

新宿まで歩いてみる。
いろんな形のマンションがあって、この部屋の分だけ人が住んでいて、それぞれに生活があるということを改めて思い返す。すごいことだ。

3〜40分もしないうちに街の様子がどんどん変わってくる。東京は街ごとに顔が変わるし、それがたった数キロで次々と現れてくるから、歩いていて飽きない。(基本どこでも歩くことは楽しいし飽きないけれど。)
この滞在期間はほぼ毎日10km以上歩いているようだ。

下北沢にて、コメディアスさんの『レット・イット・ビーム』を観る。
コメディアスさんは、同時期に仙台で旗揚げをした劇団さんで、前から親交があったり、嫉妬をしたり、それがもとで少し微妙な距離を感じていたりする劇団さん。(僕目線)

作品は、構図的に観客も出演者と一緒にゲームに対峙しているのが、一緒にプレイしている感じがして、それはすっかりコメディアスさんのものだなあと思った。
お話を聞いて、「ゲーム実況みたいなもので、劇作・演出はゲーム製作、出演者は配信者、観客は視聴者」と言っていたのがしっくり来た。

終演後、作・演出の鈴木あいれさん、キャストの武長慧介さん、東京に研修で来ている演劇ユニットせのびの菅野未帆とご飯を食べながらお話をする。
コメディアスのお2人とは、学生の時からお付き合いがあるものの、こうしてご飯食べたりお話したりするのはあまりなかったように思う。
お互いの団体のこと、現状、これからのことなんかを話す。いい時間だった。

高輪ゲートウェイ、降り立ったのは初めてかな。鯨の中にいるみたいだった。と書いて、当然鯨の中に入ったことはないのに、鯨の中という表現がある(伝わる)のはどうしてだろうと思った。ピノキオ?

11月28日:8日目

最終日。この日も北千住へ移動して、アウトプットの作業を。
カフェの方の準備の音が聞こえているのが心地よかった。

お昼までで北千住BUoYを離れる。カフェには光が差し込んでいて綺麗だった。公演だけでなく、東京に来た時にはまた来たい。カフェチケットもあるし。

昨日に続き、ぺぺぺの会 + いいへんじさんの『LifeとWork』の公開ゲネプロへ。
今日は終演後に皆さんといろいろお話もできた。どのように活動されているのか、この作品について、など。お聞きできてよかった。
ゲネプロに2日間もお邪魔して、お時間いただいてお話もさせてもらい、なんだか申し訳ない。

作品は、昨日から通してでもあるけれど、LifeとWorkがある中で、演劇を行っている皆さんが、一人芝居ということで自分自身に真摯に向き合っているように見えて、とてもよかった。

その後、また歩いて新宿まで。
荷物を持ち歩いているのでさすがにしんどかったけど、街の様子を見ながら歩けてよかった。ちょうど日が沈んでいく頃合い。

(バックパックを背負っている姿は、二宮金次郎にも似ている、ということを7月の公演にも盛り込もうとしていたことを思い出した。)

夜は新宿、プーク人形劇場でワワフラミンゴさんの『たずね先』を観る。
5年前にワワフラミンゴさんの『くも行き』を観て、内容はほとんど覚えていないのに衝撃だけは残っている。そんな大好きな劇団さん。

鳥山さんには、僕らの公演も観にきていただいたり、お話をさせていただいたり、神奈川の公演時には応援コメントも寄せていただいたりとお世話になっていて、忍びない限り。

プーク人形劇場、恥ずかしながら初めて存在も知った場所で、外観を見た時からワワフラミンゴさんにぴったりだなあと思った。
作品は可愛らしくもピリッとした内容が入っていたり、でも圧倒的に軽やかに笑えて、なぜだか「いろいろ大変なこともあったけど、今年も年を越せそう」と思えた。どうしてだろう。

電車で大宮まで、そこから新幹線に乗って仙台まで。
帰り道ではせのびのメンバーに連絡を取ったりしていた。
これにてシアターホームステイは終了。
ありがとうございました。

まとめ

「はじめに」で書いた通り、応募時には「これから東京で活動していくために!」と意気込んでいたものの、7月の神奈川の公演を終えてからいろいろダメージが大きく、「行ったとしても何もできないかも…申し訳ない……」と気分が落ち込み、行く直前くらいから割り切って「インプット!お話はできる人とできれば!」としたら、期間中にゆっくりとエネルギーが溜まっていく感じがして、「次に創る作品は〜」と考えられるようになったのは、一番大きな収穫でした。

それから、当初の考えでもあった「公演を観る」だけで終わらないお話もできたら、という部分でも、お知り合いの方を中心だったり、ペペぺの会+いいへんじさんの企画に乗らせていただいたところもありながら、東京で演劇をされている皆さんのことを聞くことなどができたので、それもよかったです。

改めて文章を見てみると、何かを見て、聞いて、感じて、受け取った時、すぐに自分や自分の団体のことにつなげて考えているなあ、というのが、シアターホームステイの期間だったからというわけではなく、普段からそうなのだろうなあ、と気づくことができました。

とても、今の自分にとって大事な機会、期間になりました。

今回、このような機会をいただいた全国小劇場ネットワークさん、推薦していただいたいわてアートサポートセンター風のスタジオさん、そして受け入れてくださったBUoYさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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