『鋼鉄紅女』シーラン・ジェイ・ジャオ(著)中原尚哉(訳)
ジェンダー、スーパーロボット、復讐、おもしれー女、三角関係 etc etc、設定てんこ盛り中華SF。メインは少女漫画かな。主人公モテ過ぎ(笑)
風呂敷は綺麗に畳まれたし、ラストも衝撃でお腹いっぱい。
第2部、神殺し編はまだか!
お話は、エイリアンに侵略され敗北、人類が、男尊女卑、纏足や科挙の時代まで逆行してしまうも、神からもたらされたテクノロジーで敵の素体から巨大ロボを建造し、反旗を翻してゆく。
主人公は一本眉で纏足、小太りの少女。大富豪からの求婚を断り、姉の敵討ちのため、身を売るって軍に入るが…。
序盤は情報量多すぎてクラクラするが、それを乗り越えると割と普通の少女漫画。ジェンダーがメインかと思いきやそうでもないので、『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』というより『レイアース』かな。
女が理不尽に虐げられる現状に怒り、打破しようとしてるんだけど、主人公がモテモテすぎて全然可哀想に思えないのよね。
エイリアンと生存をかけ戦っているのだが、人間同士のごたごたが話の大半で、敵の造形とかバトルとかはしょぼめ。必殺技を叫んだりしないので、若干消化不良。ロボが良いだけにもったいない。
面白かったのは三角関係。主人公、細面富豪美少年、ワイルドで陰のあるムキムキエースパイロット。今の時代はバイセクシャルが混じってくるので、1対1が2つあるのではなく、ドロドロに混じってゆく(笑)
あと、終わり方も素晴らしかった。神や歴史の真実はせやろなって感じなんだが、問題はそこじゃなく、神のしでかし。読者もアアアアア!ってなるわ。主人公はどちらを選んだのか…。
また、以下最高に笑ったので引用。中華って感じ。