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『鋼鉄紅女』シーラン・ジェイ・ジャオ(著)中原尚哉(訳)

華夏の辺境の娘、則天は、異星の機械生物・渾沌と戦う人類解放軍に入隊する。巨大戦闘機械・霊蛹機に搭乗し、人類を滅亡させんとする渾沌と戦うのだ。霊蛹機は男女一組で乗り、〈気〉で操るが、ペアの女子は多くが精神的重圧から死ぬ。ある密計のため、則天はあえてパイロットに志願し、過酷な戦いに身を投じるが……。中国古代史から創造された世界で、巨大メカが戦場を駆ける。英国SF協会賞受賞の傑作アクションSF。

ジェンダー、スーパーロボット、復讐、おもしれー女、三角関係 etc etc、設定てんこ盛り中華SF。メインは少女漫画かな。主人公モテ過ぎ(笑)
風呂敷は綺麗に畳まれたし、ラストも衝撃でお腹いっぱい。
第2部、神殺し編はまだか!

お話は、エイリアンに侵略され敗北、人類が、男尊女卑、纏足や科挙の時代まで逆行してしまうも、神からもたらされたテクノロジーで敵の素体から巨大ロボを建造し、反旗を翻してゆく。
主人公は一本眉で纏足、小太りの少女。大富豪からの求婚を断り、姉の敵討ちのため、身を売るって軍に入るが…。

序盤は情報量多すぎてクラクラするが、それを乗り越えると割と普通の少女漫画。ジェンダーがメインかと思いきやそうでもないので、『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』というより『レイアース』かな。

女が理不尽に虐げられる現状に怒り、打破しようとしてるんだけど、主人公がモテモテすぎて全然可哀想に思えないのよね。

エイリアンと生存をかけ戦っているのだが、人間同士のごたごたが話の大半で、敵の造形とかバトルとかはしょぼめ。必殺技を叫んだりしないので、若干消化不良。ロボが良いだけにもったいない。

面白かったのは三角関係。主人公、細面富豪美少年、ワイルドで陰のあるムキムキエースパイロット。今の時代はバイセクシャルが混じってくるので、1対1が2つあるのではなく、ドロドロに混じってゆく(笑)

あと、終わり方も素晴らしかった。神や歴史の真実はせやろなって感じなんだが、問題はそこじゃなく、神のしでかし。読者もアアアアア!ってなるわ。主人公はどちらを選んだのか…。

また、以下最高に笑ったので引用。中華って感じ。

”人生のたいていの問題は金で解決できるということだ。解決できなかったら金がたりなかったのだ。”

#読書感想 #読了 #ネタバレ #海外小説 #SF

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