短歌おきば 2022-08

夜にひとり時をたがへてなく蟬のこゑに更けゆくやどの月かげ

群雨の遠になりゆく野辺の葉に宿りそめぬる月の秋かな

夏暮るる峰の涼風音ふけて星原高く虫ぞ鳴くなる

入日影慕ひし蟬の声遠くこなたの風に秋ぞ知らるる

もみぢせぬ野中そよぎて立つ櫨の一葉に契る秋の夕影


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