短歌おきば 2021-02

うつせみはとまりも知らぬ八重霞なほ越えむとや春の風立つ

人を待つやどの加湿器なほしばし焦がるる恋の煙まがへむ

あともなく葉陰に消なむ草の原わが身ふる世にあらしの底は

かすみつつ雲ゐたなびく花の香の風にゆだねむうたたねの橋

あきのた̣のか̴̛͜り̷͙̊ほ̏⃠͓͢の⃫̡̢̡̢᷍い⃝⃞⃟͖͊ほ⃙⃘⃠⃥⃫̳⃨͟͠の̴⃒⃦̧͚̫︠ͯ⃗⃤⃘⃠̶こͭのͦうͫたͣはͦいͣまͬわͣれͫわͥれ⃛のしはいかにある

雪吊の守りたる池の松も見むももちどり鳴く春のささなみ

ときは木の葉をひとしほの春風にけふほころぶる梅のひと花

(物名:チョコレイトの折句とてよめる)
千代の春こころをそへて霊寵にいまの契りのとこしへもがな

手折りつる枝こそなけれ見ぬ人にしるし伝てなむ花の香の袖

タイムライン君の生けたる桜あれば遠き宿にも花の香ぞする

梅が枝をうつろふ鳥のなごりにや吹くともなくに花ぞかをれる

みなも照る池の下風吹きそへて常葉鳴るなり春のむら立

惜しと思ふ間に梓弓はる風の過ぐれば花の散りしけるかな

梅の花香をとめ来れば道の辺の暗きに出づる曇夜の星

さかさまに年はゆかずと聞くものを齢をおきてかへる春寒

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