のびパパ軽井沢日記:#9 秋茜も、ススキの姿も・・・
東京が猛暑に襲われている今日8月27日、軽井沢も27℃まで気温が上がった。
暑い。
ひとしきりルーティンのデスクワークを片付け、恒例の100分散歩に出ると、往く夏を惜しむかのようにミンミンゼミが喧しく鳴きしきる中、秋茜が飛んでいた。
のびパパが小学生のころ、昆虫採集が夏休みの宿題だった。
8月末になると、東京郊外で採集できる昆虫の種類は限られてしまう。
だから新学期初日に提出する宿題は、少々さみしいものになってしまっていた。
もっと早く始めればいいのだが、なかなかそうはいかないのが人生だ。
蝉は、アブラゼミの数が少なくなり、ミンミンゼミは姿を見ることがなかった。手に入るのは「オーシンツクツク」と鳴くツクツクボウシだけだった。
蜻蛉は、シオカラトンボやムギワラトンボを捕まえることができた。運がいいと、オニヤンマも昆虫採集に付け加えられた。
だが、8月中、秋茜が飛んでいることはなかった。
秋茜は、9月も半ばが過ぎ「たしかに秋になった」ことの証のようなものだった。
そういえば、ススキの姿も見かけた。
のびパパは一瞬、たじろいてしまった。
ススキこそ、秋、そのものだからだ。
季語にもなっている。
もう、そんな季節なのだ。
ススキといえば、その昔『昭和枯れすすき』という歌謡曲が流行ったことがある。
♪ 貧しさに 負けた
いいえ 世間に 負けた ♪
暗い、寂しい歌だが、人心を捉えるところがあったらしく、レコードは150万枚も売れたそうだ。
♪ 今日の 仕事は つらかった
後は 焼酎を あおるだけ ♪
この二行から始まる『山谷ブルース』は、B面が学生運動テーマソングもどきの『友よ』だったこともあり、それなりに売れたようだ。
♪ 友よ 夜明け前の 闇の中で
友よ 戦いの 炎を燃やせ
夜明けは近い 夜明けは近い
友よ この闇の 向こうには
友よ 輝く あしたがある ♪
はやり歌は、時代を映す鏡だ。
半世紀前のフォークソングは、明確なメッセージソングだった。
では、いま若者の心をとらえているのはどんな歌だろうか?
♪ 正しさとは 愚かさとは
それが何か 見せつけてやる
ちっちゃな頃から優等生
気づいたら 大人になっていた ♪
こんな歌詞から始まるAdoの『うっせーな』は、「2020年代の若者の本音そのものであるとし、大人への抗議ではなく諦念を歌っている」のだそうだ(音楽評論家、鮎川パテ)。
あるいはYOASOBIの『夜に駆ける』は、次のように始まる。
♪ 沈むように 溶けてゆくように
二人だけの 空の広がる 夜に
「さよなら」だけだった
その一言で 全てが分かった
日が沈み出した空と君の姿
フェンス越しに重なっていた ♪
これは「小説を音楽にする試み」第一弾だったとのことだ。
これらから見えて来るのは、今の若者は直截的にメッセージを送ることを「良し」としていない、ということなのだろうか?
ちなみにのびパパの「朝のルーティン・デスクワーク」とは、前日の日記を3冊目の「10年日記」に書き(たった4行なので続けられている)、ニュースをチェックし、特にめぼしいエネルギー関連ニュースは後で読むためにダウンロードしておき、原油先物相場「NYMEX」の終値などをメモし、週に一度「米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)」の「週報(Weekly Petroleum Status Report)」のデータを書き写すことだ。これらを「Radiko」でラジオ放送を聞きながら行っている。
長いあいだ聞いていたのは「TBSラジオ」の「森本毅郎スタンバイ」だった。
理由は簡単である。「フェースブック」を介して数十年ぶりに再会した学生時代の仲間の一人が、だいぶ前に「NHK」から「TBS」に転職して当時、まだ何かの形で働いていたからだ。
その彼は今、ふたたび「NHK」で働いている。
これが間接的に影響しているのか、今春から元「TBS」アナウンサーの吉田明世が「Tokyo FM」で朝の番組を始めることを知り、チャンネルを切り替えることにしたのだ。
これは、実に劇的な変化だった。
見える世界がまったく違ってくるのだ。
おそらく両番組が「対象」としている「リスナー層」が大きく異なっているからだろう。
カンタンに言えば「森本毅郎」が60歳台、タレントのユージと二人でMCを務めている吉田明世の「One Morning」は30歳台を主なリスナーとして番組を構成しているようだ。
だから(エヘン)、「うっせーな」もYOSASOBIも知っているのだ。
疑問に思われた皆さん、いちどルーティンを変えて見てください。
新しい世界がきっと、そこにありますから。
さて、と。
たまっているエネルギー関連ニュースを読まなければ。