Nobuaki Shinano

Morgenrot Advisory代表。 Roland Bergerで戦略コンサルとして勤務した後、UberEats営業部門日本代表、Google広告営業本部統括部長、SmartNews社長室等、テクノロジー企業の要職を歴任。Limeの日本サービスローンチを支援

Nobuaki Shinano

Morgenrot Advisory代表。 Roland Bergerで戦略コンサルとして勤務した後、UberEats営業部門日本代表、Google広告営業本部統括部長、SmartNews社長室等、テクノロジー企業の要職を歴任。Limeの日本サービスローンチを支援

最近の記事

山小屋ビジネスからみるコロナの不可逆性。コロナ前に戻すではなく発展させる

私は登山が好きで、八ヶ岳や日本アルプスの山小屋にもしばしば宿泊させてもらい縦走登山をすることがある。コロナの影響は山小屋にも大きく、コロナ前、コロナ禍、ポストコロナで、山小屋の経営にも大きな変化がみられてきた。この山小屋経営から見る、コロナによるビジネスの変化を少しまとめてみたいと思う。 山小屋の宿泊スタイル 山小屋は、山の中・高所にあるということで、一般的な宿とは異なる特性をいくつか持っている。ひとつの大きな特徴は、宿泊人数に上限を設けず予約も不要であるということ。これ

    • 儲かる産業と儲からない産業:提供価値との乖離は埋まらないのか

      「飲食店の倒産件数が増加」というニュースが出ている。どうようの「xx店の倒産件数が‥」というニュースは毎月のように出ているのをニュースアプリでよく見かける。しかしながら、こうした業態は偏っており、倒産しやすい産業(ビジネス)というのが存在するのではないかと思う。 儲かる産業と儲からない産業 世の中には、「儲かる産業」と「儲からない産業」が存在する。同じような規模の企業で働くサラリーマン、または個人でビジネスを行う個人事業主、立場は違えど、平均給与は業界によって大きく異なり

      • コンサルを卒業して10年経ったいま改めてコンサルを振り返る

        「戦略コンサル」とはいうものの、実際に「戦略構築」を行い、「経営者」になる道はなかなか開けてこない。コンサルとして勤務した後、事業会社へ転職し10年以上。コンサルの価値とは何であったか、なにを学び、元コンサルのキャリアはどう歩むべきかを考察してみた。 コンサルで学んだことは何だったのか コンサルといえば、経営分析のフレームワークをもっていて、これに基づくと素晴らしい戦略ができるという夢の世界を抱く若者も少なくはないと思う。しかし、「3C分析」や「SWOT」というような経営

        • 企業のOS:日本テックとグローバルテック

          会社には、コンピューターでいう「OS」のようなものがあると感じる事が多い。JTC(日本の伝統企業)にはJTC特有のOS、日本のスタートアップにもJTCとは異なるOSがあり、このOSがの上に乗っかる「戦略」や「プロダクト」が同じものであっても、OSによって機能したりしなかったり、また動かし方が異なるようなものであり、このOSのアップグレードこそが企業が衰退せず躍進していくために必要な重要課題のひとつだと思っている。 企業のOS 「企業のOS」を別の言葉でもう少しいうと、「土

          時代の変遷:リーディングカンパニーと経営論

          「エクセレントカンパニー」と呼ばれる企業は、時代とともに変わっていく。同時に、それぞれの時代の経営論というものも、エクセレントカンパニーの変遷とともに変わっていくのが面白く、簡単に時代と時代のエクセレントカンパニーを振り返りってみたい。 Japan as Number One - Lessons for America 古くは高度成長期の日本企業の躍進は、日本だけではなく世界的にも注目を集めた。「Japan as Number One」という書籍が出版されたのは1979年

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          『イーロン・ショック』

          イーロン・マスクによるTwitter買収によって、「なにが起きたのか」を当時Twitter日本代表の立場からみた破壊と想像、イーロン・マスク、そして日本への学びという観点で書かれた本。笹本さんとは私の代理店時代にお会いさせて頂いたことがありますが、Twitterはグローバルの中でも日本のビジネスサイズが大きく、Twitter Japanのビジネスを大成功に導いた方です。詳しいことは、実際日本を読んで頂きたいと思うので、読んだ所感をここでは簡単に述べるに留めたい 振り子アプロ

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          「キャリアコーチ」の必要性と蓋然性

          「キャリアコーチ」というビジネスを始めた知人がいる。すごく良いコンセプトで必要な機能だとは思うものの、果たしてビジネスとして本当に成り立つのかという疑問もありつつ少し考えてみた 転職エージェント テレビCMでよくお見かけする「転職って誰に相談すればいいの?」という問いに、シンプルに答えると「転職エージェント」ということになると思う。転職エージェントで検索すると総合系、金融に強いエージェント、コンサルティング専門エージェント等、多くのエージェントがつらなってくる。 エージェ

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          リスキリングという言葉から思う、「経営論エコシステム」

          「リスキリング」という言葉が最近良く聞かれるようになった。社会人のスキルアップ、ひいては社会人教育に近しい言葉だが、これを鑑みた際に日本における学術分野と産業分野の断裂にひとつの課題があるのではないかと思うのと同時に、米国が作り上げたMBA・経営学者と企業との「経営論エコシステム」の構築が日本の社会にも必要なのではないかと思う リスキリングとは 日本の世の中で最近よく聞くようになった言葉だが、自分が仕事をしていく上で全く聞くことがなかったこの「リスキリング」という言葉。ど

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          卒業後20年慶應SFCを振り返る - Google/グローバルテック企業の視点から

          慶應SFCを卒業してはや20年以上経った現在、改めて慶應SFCとはなんだったのかを、Googleをはじめとするグローバルテック企業でキャリアを歩んできた視点で振り返ってみたいと思う きっかけ 知人から、息子さんが慶應義塾高等学校、所謂「塾高」に通う高校3年で、進路に悩んでいるので相談に乗って欲しいというご相談を頂いた。同じ塾高出身のSFC卒業生といっても、もはや20年以上も昔の話で、意味があるのかという疑問と共に、逆に20年経ったいまだからこそ「慶應SFCとは何であったの

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