『こどものうた』の装幀家とは?
こんにちは、野ばら子です。
今日も元気に野ばら社で働いています。
自己紹介を兼ねた記事はこちらからどうぞ🍀
さて、今日は新しく野ばら社に仲間入りした商品『復刻こどものうた』シリーズのもととなった本『こどものうた(絶版)』装幀を手がけた方について書いてみたいと思います。
復刻『こどものうた』シリーズが出来るまで
野ばら社には、本も本棚もたくさんあります。出版社だから当たり前と言えばそうなのですがスペースの関係で?通路(だったと思われる場所)にも本棚が置いてあり人がやっと一人入れるといった場所も。
時折資料を探しに隙間に入るのですが、そんな時に今でも「見たことのない」絶版本を見つけることがあります。
『こどものうた』もそのひとつで、何年か前に見つけてあまりの可愛らしさに胸を撃ち抜かれ…「いつか何かのかたちで復刻できないだろうか。」と考えていた装幀のひとつ。
古本やさんで見つけてくださった方もいました。同感です。
実は今年に入り、「これをこのままトートバッグにしたら…」と閃いてからはメーカーさんと一緒に試行錯誤の連続をしていました。
生地を替えてみたり、マチあり、なしを考えてみたり、、
読者の皆さまにもSNSを通してアンケートにご回答いただいたり、ご協力&背中を押していただき、どうにかかたちにすることができました。
この可愛い装幀を手がけたのは…
さて、今回発売したグッズのもとになった装幀は、ご覧のとおり五線譜や音符のおたまじゃくし、ト音記号などの音楽モチーフを用いて女の子の顔が構成されているとても可愛らしいデザインとなっています。
この本の扉に装幀を手がけた方のお名前として「森脇 恒」と記載がありました。お名前は「もりわきひさし」さんと読むそうです。
この方は、野ばら社のこの頃の本にはよく名前が見つけられる方で野ばら社に勤めていたとのこと。その後、日本テレビの美術部長になったそうです。
野ばら社では、版画家の河野薫さんらが在籍していた時期(昭和20〜30年頃)に活躍されたようです。
この頃の図画の本を開くと、殆どの本に名前が入っているのがわかります。
そして、野ばら社の創業家である志村家の方と結婚されてご親戚になったということでした。当時一緒に働いていた創業者の息子・志村建世さんによれば「常におだやかで、誠実な人だった。」そうです。
『復刻こどものうた』シリーズのラインナップ
この装幀をそのまま復刻したのが『復刻こどものうたシリーズ』。
今回は、トートバッグとポーチ(巾着)を作りました。受注生産にはなりますが、この可愛らしさをそのまま形にすることができました。
現在、ご予約承り中です。
クッキー缶は、期間限定の予約品ですが山中湖のcafecitronさんが『こどものうた』のモチーフを美味しいクッキーとして再現してくださいました。
野ばら社の宝もの
それにしても。
この頃の図案のとびきりの可愛さといったら、宝ものだと思うのです。
本当はもっと日の目を見せてあげたい…
昭和の頃は、スキャナなどなかったので「図案集」のような本はたくさんあったのです。皆、それを真似して描いていたのですね。
しかし、時代の流れとともに「図案集」の需要は減っていっています。
そしてそれは当然売り上げにも響き、売れないものは重版されなくなっていきます。
けれども、こんなに魅力的な本や図案が「絶版」となって忘れ去られていくなんて耐えられません…。
本としては絶版になったものの中からでも、ひとつでも多くの野ばら社の図案を今の暮らしに合った形でのこしていけるようにと思っています。
そんな思いで少しずつですが、図案のグッズを作りはじめています。
よかったらグッズのお店「野ばら子商店」も覗いてみてくださいね。
身につける『図画辞典』シリーズ。「昆虫」のモチーフを集めたサコッシュ。
昭和初期の『図案辞典』より幸福のモチーフ「すずらん」の一筆箋
これからも、令和なのに昭和な野ばら社をどうぞ見守ってください。
noteにサポートという機能があることを、サポートをいただいて初めて知りました。たくさんサポートいただいたら、読者のみなさまが欲しい野ばら社グッズを作ります。