地上波初! 生理を語るバラエティ「生理CAMP 2020」収録現場レポート&未収録トーク
2020年、8月31日。夏休み最終日の深夜に、Twitterのタイムラインをざわつかせたテレビ番組がありました。その名も「生理CAMP 2020」(テレビ東京 ※放送は関東のみ)。地上波放送で生理に特化するのは初の試みということで、放送前から一部で話題に。#NoBagForMe メンバーのバービーさん、稲葉可奈子先生も出演されるということで、スタジオにお邪魔してきました。今回は、当日の現場の様子をお届けします!
(取材・文:斎藤岬)
8月某日夜、東京の片隅で、キャンプをする4人の姿がありました。
キャンプはキャンプでも、アウトドアではありません。生理について語り合う、『生理CAMP 2020~前代未聞!生理の特番?テレ東、あえて話し合っちゃいます!〜』の収録です。30分番組まるごと生理がテーマという前代未聞の企画に集まったのは、フォーリンラブ・バービーさん、森三中・黒沢さん、りゅうちぇるさん、ゆきぽよさんの4人。不思議なことに、焚き火を囲むと普段は言いづらいことも言えてしまうのが人間というもの。焚き火こそありませんが(スタジオなので……)、キャンプを模したセットの中で日頃はなかなか話せない生理についてのぶっちゃけ話を繰り広げます。
「今日は全部言っていいの!」とMCを務めるバービーさんが気勢を上げると、ゆきぽよさんが「言っていい日なんだ! 私、普段(生理について)あんまり人前で話しちゃいけないって思っちゃってるから。友達に『ナプキン貸して』って言われてもこっそり渡したり」と応えます。「意外〜! ナプキン投げ渡してそうなのに!」というところから、それぞれの普段の生理との向き合い方についてトークがスタート。
りゅうちぇるさんからの「女性だけで知識をふくらませるんじゃなくて、それを男性も知って広めないといけない。だから今日はルンルンで撮影に来ました」という言葉に、女性陣3人が「最高〜」と盛り上がります。そこから「いろんな疑問を専門家の方に聞いてみたい!」ということで、産婦人科医・稲葉可奈子先生がリモートでスタジオに登場します。
「タンポンを2つ使うのはどうなんですか?」
「生理前後でニキビが出やすくなるんですけど……」
「ピルを飲んでると生涯の生理の期間が延びると聞いたことがあるけど本当ですか?」
などなど、質問が止まりません。
特に黒沢さんは
「生理痛がつらい人は痛め止めの薬を飲んだほうがいいんですか?」
「(経血の)塊が出るのはなんなんですか?」
と、診察室にいるかのようにさまざまな疑問を投げかけます。
黒沢さんに「バービー、やたらご飯たくさん食べる時期がときどきあるよね? 汗もめっちゃかいたり」と指摘され、「そう! あれ、PMSの時期なの」とバービーさんが答えると、ゆきぽよさんが「黒沢さん、よく見てる!(笑)」とその観察眼に驚く場面も。
稲葉先生からは「『PMSだから』と諦めないで、病院に行けば解消できることはたくさんあります。『生理は我慢』と思わないでくださいね」と解説がありました。4人は真剣な顔で話に聞き入ります。
続いて、スタジオには世界各国の生理用品が登場。カラフルな製品の数々に「かわいい! おしゃれ!」とテンションが上がります。アンケート調査によれば、日本国内では約8割がナプキン派とのこと。スタジオメンバーでは黒沢さんがナプキン派、ゆきぽよさんとバービーさんはタンポンとナプキンの併用派だそうです。オーストラリア製のタンポンを開封し、「初めて触った」というりゅうちぇるさん。「これ、アプリケーターないんだね」とゆきぽよさん&バービーさんが盛り上がっていると「アプリケーターって何!?」「僕も知りたい!」と残る2人も食いつきます。
黒沢さんが「小学生みたいな疑問だけど、タンポン入れたまま水に入ると、全部の水を吸っちゃうのかなって……そのままお腹の中でパーン!ってなっちゃいそうで」と不安そうな顔で質問を投げかけていると、稲葉先生から「タンポンは膣の中に入っているだけなので、お腹の中に入ってるわけじゃないんですよ。お腹で爆発することはないです」と安心のお墨付きが。「30年来の謎が解けました!」と興奮する黒沢さんでした。
ここで「ナプキン変えるとき、交換する新しいものを一時的にどこに置く?」という話題に。たしかに同性の友人同士でもそうしたディテールを話す機会はめったにないので、人がどうやっているのか案外知らないものです。バービーさんは「私、太ももに置いてる」と実演。その後しばらくしてから、開いたナプキンをももに置いたまま収録を続けていたことに気付き、4人が爆笑する一幕も。
番組終盤では、「世界の進化系生理用品2020」と題して生理ショーツや月経カップ、月経ディスクといった新たな生理用品を紹介。「私、月経ディスク以外使ったことあります」というバービーさんに、「なんで教えてくれないの!?」と黒沢さんは友人として憤っていました。
そしてあっという間に収録はエンディングへ。「もう終わり!?」「次は来月やりましょう!」と全員が前のめりのままキャンプの夜は幕を下ろしたのでした。
収録後コメント
収録後、出演者のみなさんにコメントをいただくことができました。
・りゅうちぇるさん:VTRで女性の方が語っていた『男性には生理について理解はしてほしいけど、把握はしてほしくない』っていう言葉がすごく刺さりました。男性も理解してるだけで、声掛け一つから意識が違ってきますよね。どうしても男性が上に立っていることが多い社会ではすごく大事なことだと思うので、こうやってテレビという大きいメディアで情報をシェアするのはいいことだとあらためて思います!
・黒沢かずこさん:今日、初めてタンポンのことをよく知りました。いろいろ怖かったのが、安心していいんだってわかってよかったです。私、2日目じゃなくてもずっと40センチくらいあるデカいナプキンを使ってるんです。不安が大きくて。でもモソモソして不快だな〜と思うこともあったから、そういうときにタンポンを使えばいいんですね。残り少ない生理の期間を快適に過ごせたらいいなって思います。
・ゆきぽよさん:生理って女性にとってナイーブなことだし、人それぞれでとらえ方も違うからオープンに話したくない人もいると思うけど、メディアに出てる人がこうやってオープンに話してたら革命起こせるんじゃないかな? 今日収録をしてみて、今までナプキン隠してこそこそトイレ行ってたのが超バカバカしいなって思いました。普通に持ってトイレ入って良くない? この番組がゴールデンでやれたらマジで革命ですよね。
・バービーさん:まずは地上波でこういう番組をつくってくださったテレ東さんに感謝です。これが放送されるって、時代が変わってきたんだなと素直に嬉しいです。生理に対して、私はいかにストレスの原因を取り除くかに注力するタイプですけど、黒沢さんのように「チャレンジすることで失敗したらどうしよう」と思う人もいるんですよね。「タンポンが爆発しちゃうんじゃない!?」って、やっぱり怖いと思ってる人はそこまで発想がいくんだな、というのを知れたのは新鮮でした。不安を少しずつ取り除いていくのに有効なのはやっぱり知識や情報だと思うので、今後も皆さんに届くよう発信を続けていきたいと思います。
番組プロデューサーからもコメント
放送後、番組を担当したプロデューサー・工藤里紗さんからもコメントをいただきました。
8月の最後に放送ならばキャンプを! と思い、気づいたらそれがタイトルにも。撮影はスタジオですが、この「生理CAMP」意外と良かったです! 何となく密室で男女分かれ行われるイメージの「生理や性の話」。確かにこの方が安心する部分もあるかもしれませんが、青空の下で性教育を受ければ、何かが変わるかも! と新たな発見になりました。
番組では生理をオープンに話しましたが、実際はオープンに話しても話さなくてもいいと思っています。「100人いたら100人通りの生理ライフと知識」があるからです。しかし、だからこそテレビが男女年代問わず知る機会の少ない人に何かを届けることに意味を感じています。放送後はPMSを知りたい! 更年期を知りたい! 子供用にも作って欲しい! 男性でも分かるように知りたい! と様々なお声を頂きました。
放送、ネット、イベント…未来の野外学習で!? またお届けできたらいいなと思います。
期間限定・YouTubeでも見られるように!
大反響にお応えして、「生理CAMP 2020」は、YouTubeで見られるようになったそう。見逃したかたは、ぜひこの機会にご覧ください!
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