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「婦人科受診の目安は、〇〇」意外と知らない生理のハナシ

“生理にまつわる知識向上と相互理解の促進” を目指す、#NoBagForMe プロジェクト。7月31日(金)に開催された、メンバーによる生理勉強会番組「生理って、そもそも何なん?」の内容をご紹介します。

参加者は、産婦人科専門医の稲葉可奈子先生、助産師で性教育YouTuberのシオリーヌさん、お笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーさん、アイドルの和田彩花さん、Youtuberユニット「さんこいち」メンバーの古川優香さん。初めての勉強会ということで、「そもそも生理とは?」について、稲葉先生がレクチャーしてくれました。番組後半では、番組に寄せられた質問にお答えするコーナーも。

生理って何?

稲葉先生 生理って血が出るけど、あの血が何なのか、はっきり答えられる人はいますか?

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和田さん(以下、あやちょ) 答えられないかも…

稲葉先生 みなさん排卵があるのはご存知だと思うんですけど、排卵する=もしかしたら妊娠するかもしれない、ということで、受精卵がやってきた時に着床しやすいように、子宮の中(子宮内膜)をフワフワのベッドみたいにして着床に備えているんです。だけど「今月は受精卵はこなそう(妊娠はなさそう)だぞ…」となったら、フワフワになった内膜たちは出番がない。それが流れ出ていくと生理の出血になるんです。

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バービーさん(以下、敬称略) 内膜が剥がれるのになんで血液なの? (透明の)液体とかじゃないの?

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稲葉先生 いい質問ですね! 実は、内膜は、主に血管でできているんです。膜を厚くする(ベッドをつくる)ために増えた血管が生理で壊れるので、血が出てくるんです。

わたしの生理ってふつう? 婦人科受診の目安は?

稲葉先生 ふだん生理のことについて話しても、出血の量まで話すことってないし、他人と比べられないから、みんな自分の生理しか知らない。教科書にはよく通常〇〇ccっとかって書かれていたりするけど、自分で量ることってないですよね(笑)

生理について考えるときは、サイクル・量・痛みの3点が個々の判断基準の指標になることが多いです。

生理は、実はかならずしも毎月来なくても大丈夫なんです。排卵自体が妊娠のためにあるものだから、特に普通に生活を送るぶんには、毎月生理がなくても構いません。だけど自然の状態でまったく来ない(無月経)のは子宮にとっていいことではありません。なので3ヶ月来なかったら受診してください、とよくお話ししてます。

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あやちょ わたしはあまり生理不順ではないのですが、3ヶ月くらい空いてしまう人は、妊娠しても気付きにくかったり、妊娠しづらかったりすることもあるんですか?

稲葉先生 そうですね、妊娠しようと思って妊娠するのはどちらかというと難しいけれども、逆にいつが排卵日かがわかりにくいから、実は妊娠していた…ということはあるかもしれない。

あやちょ 3ヶ月を目安に受診する、というのはポイントかもしれないですね、覚えておきます。

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稲葉先生 次に量ですが、目安として、日中でも夜用ナプキンが必要という方は少し多めかもしれません。気づかないうちにすごい貧血になっていることもあります。生理の量が多いということで受診したら、実はすごい貧血で、治療したらすごく元気になった、という方もいるので、ぜひ気軽に受診して欲しいです。

バービー 経血量が多いことで考えられる病気ってどれくらいあるんですか?

稲葉先生 筋腫やポリープ、子宮体がんの一歩手前であることも。もちろん特別な原因がなく量が多いこともあるんですが、こればっかりは検査しないとわからないんです。

古川さん(以下、敬称略) 量が多いという自覚がなくても、貧血が辛い人って結構いると思うんですけど、貧血が辛いなら病院に行ったほうがいいんですかね?

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稲葉先生 量が多くなくても、もともとの体質などで個人差はあるし、普段の生活も人それぞれなので、経血量が多くなくても貧血になってしまう人もいます。ちょっとしんどいなと思ったら、念のため受診してみましょう。

バービー 病院に行く勇気がなかなかでない人もいますよね。

古川 わたしもこういう仕事柄、病院に行ったのがバレたらどうしよう、という恥ずかしい気持ちがあったけど、バービーさんのYouTubeで勇気づけられました。

バービー それは嬉しい! わたしの動画についているコメントを見たら「動画を見て、病院に行ってみたらやばい病気が見つかりました」みたいなものもあって…子宮の病気で生死をさまようものもあるんですか…?

稲葉先生 あります。ちょっとした不正出血だし…と思っていた方が、いよいよ受診したら、実は子宮頸がんで、かなり進行していた…ということもありました。

あやちょ 量の話で、いままでの話を聞いていると、わたしは結構少ない気がしていて、少ないことについては心配したほうがいいことってありますか?

稲葉先生 いい質問ですね。少ない場合に関しては基本的には心配しなくて大丈夫です。きちんと周期的に来ているのであれば問題ありません。むしろちょっとラッキーくらいに思ってもらえれば(笑)

バービー 人それぞれの量があるんですね。ちなみに例えば20歳頃の量が基準になる、みたいな定説ってあるんですか?

稲葉先生 そんなことはなくて。「わたしだんだん量が減って来たんですけど…」と心配してくる方わりといらっしゃるんですけど、長い人生、生理の具合も変わります。心配しないでください。

現代女性は生理が多い!?

シオリーヌさん(以下、敬称略) 現代女性は生理が多いというお話もありますが、それってなぜなのでしょうか。

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稲葉先生 わたしたちのおばあちゃん世代より前って、9人兄弟とか普通にありましたよね。でもいまは1人や2人、もちろん出産しない方も珍しくないですよね。加えて、初潮の年齢も昔のほうが遅かったので、一生涯にくる生理って平均50回くらいでした。

いまのわたしたちって、平均何回くらいかわかりますか? 何回くらいでしょう? 100回? 200回? 300回?…

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実は約450回と言われています。1回の生理で5日間程度ですから、それらをすべて足しあげると、一生の生理期間は6年間以上にもなるんです(※)。

※一生の生理期間を積み上げると「6年9ヶ月」といわれています。

{(平均閉経年齢ー平均初潮年齢)ー(妊娠期間)×1生理期間×(1年間の生理の回数)
{(50才-10才)-(約2年間)}×5日×(1年に13回)

生理の回数 = 38 × 13 = 約494回
※昔の女性の平均50回に比べて、約9倍に増えている。
生理の期間 = 494回 × 5日= 約6年9ヶ月

バービー・あやちょ・古川 え〜〜! そんなに多いの!?

稲葉先生 そんな長い期間だからこそ、より快適に過ごして欲しいと思います。

動画全編は、こちらのアーカイブよりご覧いただけます。

第二回勉強会番組、開催決定!

生理について、婦人科に行った方がいい基準や、一生涯の回数など、幅広く学んだ今回の生理勉強会。「自分のからだのことだけど、知らないことが多かった」という方もいるのではないでしょうか。

また、メンバーと一緒に生理について学ぶ、次回の生理勉強会の開催が決定しました! 生理期間を、いままでよりも快適に過ごせるようになるかもしれない、さまざまな生理用品の選択肢について学びます。 #NoBagForMeのメンバーとともに 、自分や、大切な人のからだのことについて学んでみませんか?

#NoBagForMe   公式サイト
https://www.sofy.jp/ja/campaign/nobagforme.html






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