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NewsPicksの番組、MakeMoneyに出演したらホリエモンに「全力で潰す」と詰められて泣きそうになった話

この記事には 3/25放送のNewsPics x dTV主催の番組 MakeMoney(メイクマネー) のネタバレが含まれています。まだ見ていない方はご注意ください。NewsPicksでも後日配信されるみたいですよ。

最初に言っておこう。本当にただ何気なく応募したのだ。そしてホリエモンさん達に完膚なきまでに叩きのめされた。起業家のリアリティー・ショーがテーマの番組なので、ボコられた奴のリアリティーがあってもいいだろう。今からここに書くのはまぎれもないノンフィクションで、ドキュメンタリーだ。

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NewsPicks主催で「マネーの虎」のような番組をやるという記事を見たのは、確か2月の中旬くらいだったと思う。

【挑戦者求む】

堀江貴文氏率いるNewsPicksオールスター

プレゼン成功で賞金1,000万

テーマ:日本のアップデート

起業のリアリティーショー

なんだこれは、インパクトのある文字列が次々と目に飛び込んできた。どうやら、ビジネスアイデアをプレゼンして、ホリエモンさん率いるオールスター軍団をやっつければ、賞金1,000万円がもらえるという企画らしい。1,000万円・・・ほ、ほちい・・・!!!

早い話が、「フリースタイルダンジョンのビジネス版」じゃないか。

*フリースタイルダンジョン知らない人、分かりにくい例えでごめんなさい。

単純に面白そうだなと思ったのと、こういった無名の素人が主役になる番組が好きだし、興味があったのですぐに応募してみようと思った。

とはいえ、主催がNewsPicksである。意識が高くて呪文のようなIT系のカタカナ言葉を得意とする奴らがワンサカ応募してくるだろう。きっとそいつらはビジネスコンペの応募経験が豊富だ。投資家にプレゼンしたこともあるかもしれない。

正直なところ、

自分の会社の事業ですらロクに儲けられてない俺に勝ち目は無い!

と思った。

今やってるVRの事業を応募しようかなとも考えたけど、VR系のアイデアなんてきっとチラ見しただけで「ありきたり」と思われて落とされるだろう。

が、勝ち目は一つだけあった。

お笑いグランプリのM-1の選考基準について、知らない誰かがインターネットに書き残したコメントを思い出したのだ。

「笑える順に6組が最終選考に残る訳じゃない」  と。

要はグランプリと銘打っていても、テレビ的には「若手枠」「女性枠」など、番組のバランスを取るためにどうしても撮りたい枠があり、審査はあくまで枠ごとに行われるというのだ。これが本当だとすれば、笑える順の6組からは外れても、「若手枠」「女性枠」といった、用意された枠のNo.1にさえなれれば最終的には残るのだ。

つまり、俺の作戦はこうだ。

「テレビ的に欲しい」アイデアを応募すればいいのだ

卑劣だ。自分で言うのもアレだがとても卑劣だ。

卑劣だが、巧妙だとも思った。

『一番フッ飛んだアイデアを応募して目ん玉飛び出させてやるぜェェェェ!!』

と叫びながら俺は送信ボタンを押した。

だって考えてみてほしい。「メイクマネー」という名前の番組に「一番ブッ飛んだアイデアを出そう」と考える奴が他にいるだろうか。いやいないだろ普通に考えて。

そこそこ新しい技術を使っていながらも、手堅くお金を稼げそうな質実剛健なビジネスアイデアが殺到するはずなのだ。似たようなアイデアの審査に疲れてきた頃に俺のアイデア見てみ?何だこれは!!!テレビ的に欲しい!!と思うに違いない。

そう思って、俺はあえて裏をかいたのだ。

日頃からムカつくと思っていることを撲滅する、刺激的なアイデアを練って応募した

数日後、作戦は見事に成功した!!!

フハハ!ザコどもよ、刮目せよ。これが戦略だ。「俺なんかよりも100万倍稼いでるであろう人も落選してんだろうな」と想像して興奮した。性格が悪い。

選考過程は非公開という約束をしているので内容には触れないが、書類選考以降にも審査はあった。が、これも難なく通過した。

収録日は、合格のメールが届いてから2週間後だった。ドキドキしていた。

「落ちたのがバレたらダサい」というちっぽけなプライドで、会社の創業メンバーにすら応募していたことを隠していたのだが、合格メールを受け取った日に打ち明けた。スタッフからは「収録の付き添いもOK」と言われていたので、そのことも伝えた。

『え、まじで!!ホリエモン生で見たい!!』

会社のメンバー何人かに伝えたが、第一声はだいたいこんな感じだった。「え、俺の応援は???」と正直思ったが、仏のようなスマイルで見逃した。

眠い目こすっていざ出陣!!

いよいよ収録当日だ。撮影には時間がかかる。準備やリハーサルなども含めると、当然スケジュールは朝から夕方まで詰まっている。

普段はだいたい午後起床・夕方出社であり、夜型起業家グランプリ2018があったら間違いなく入賞するレベルの俺からすると、だいぶキツい時間帯に奇跡的に寝坊せず起床した。この時点で賞金1,000万のうち200万くらいは出てもいいんじゃないか、などどふざけたことを思いつつ早足で会場に向かった。

会場に着くと、大きな楽屋に案内された。周りを見渡すと出演者らしき人たちがチラホラいた。出演者同士ですでに会話を初めている人たちもいた。

「こういうところで知り合った人って、だいたいその場では盛り上がるけど二度と会うことはないよね。」

と、いつものひねくれ者の精神が働いて俺は人に話しかけなかった。なにを達観したつもりになっていたんだ。もっとガツガツ行ってれば、何か得るものがあったかもしれないのに。

『3番、斉藤さん!』 プレゼンの順番がやっと発表された

楽屋でぼーっとしていると、スタッフが来て、すぐにプレゼン順が発表された。俺は3番だった。それを受けて、

「1番、2番は様子見ムードになるとして、慣れてきた3番あたりが一番何かが起こる番号だよね」

と、呑気に同行に来てくれた会社の創業メンバーに話したりしていた。非常にバカだ。本当にそうなるとも知らないで。

まもなくして、リハーサルのために収録会場に案内された。

収録会場に着いてまず思ったのは

ヤッバ!!!セット装飾すっご!!!!

第一印象で「賞金1000万円取っても、ここにあるシャンデリア全部ぶっ壊したら赤字になりそう〜」と思った。知的レベルが小学生並みだ。

リハーサル前にテンションが最高潮になり、「賞金1000万円取っても、ここにあるシャンデリア全部ぶっ壊したら赤字になりそうですね」とリハの出番待ちの出演者に話しかけたら「そうですね」と言われた。

とにかく、すごかったのだ。「うわあ、まだ予算が豊富にあった頃のテレビ番組で見たことある感じのやつだ!」と思った。このセットの豪華さは実際に番組を見てもらえれば伝わると思う。

しかもだ、

イスがウィーーーッンって動く。ウィーーッンて。

番組のシステムを説明しよう。ホリエモン含む審査員6名の手元にはスイッチが用意されていて、「もうプレゼンは不要(聞きたくない)」と思った審査員から順にスイッチを押していく。スイッチが6つたまると、プレゼン者のイスがウィーーッンと動いて強制退場になるのだ。そのためのウィーーッンなのだ。あと、出場する時もウィーーッンって動く。

「す、すげえ。イスが完全に自動で動いてやがる。」

とカイジっぽい声が脳内で聞こえた。

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そして、いよいよ本番が始まる

1番、2番と順にプレゼンを終えていく。滑り出しは順調。っていうかみんなマジでレベル高けぇ。完全にプレゼン慣れしてやがる。

一方で、審査員のコメントも的確だ。「プレゼン慣れしたプレゼン」を聞き慣れているのだろう。粗のあるディテールの部分をビジビシを付いていく。

そんな攻防を舞台裏で聞き終えると、俺の出番がやってきた。

*プレゼンの内容は書くと長くなるし面倒なので割愛する。興味があったらNewsPicsで後日配信される番組を見てくれ。

マジごめんなさい。間違えて出演しちゃいました。

2分間のプレゼン終了も、つかの間。プレゼン中の表情をどうしようとか、立ち振る舞いはどうだとか、事前に変に計算していたのがバカバカしくなるくらいの、質疑応答という名のフルボッコタイムのゴングが鳴った。

「古坂大魔王さんは見た目が優しそうだから辛辣なことは言わないだろう」と思っていたが、そんなことはなかった。全員が俺を殴るのをやめない。

「やっぱいいです、帰ります。」

そう言って審査員全員分のボタンを自分で押してまわって、自ら椅子に座ってウィーーッンて退場すればよかった。そんな機転が効くはずもなくフルボッコタイムは続く。

そんな中、ホリエモンさんに放たれた一言

「そのアイデアが実現されたら、俺が全精力をあげて潰すわ」

はい、おしっこ漏れたー。イヤ、これはチビるだろ。いろんな人を敵に回す過激なアイデアだったとは思うけど、ここまで詰められるとは思わなかった。なんかすいませんでした。完敗しました。セコンド白タオル早く投げて。

ここまでくると、テレビ的な意図を感じざるを得ない...

テレビ的な意図...

ああっ!そうか...


「テレビ的に欲しい」ってコレのことじゃね?

要は自分で撒いたタネなのだ。。。「パンチの効いたアイデアなら通るだろう」というレベルの俺の考えは浅はかだったのだ。

テレビ側は「パンチの効いたアイデアを持ってきた奴がボコボコにされる画」が撮りたかったんじゃないのか?(*実際はスタッフさん皆優しく丁寧な人ばかりで、これは俺のこじつけです。)

そこまでは予想できなかった。が、それこそ「テレビ的に欲しい画」じゃないか。ワタクシ、一本取られました。

そんなことを考えていた矢先に、SHOWROOM代表取締役社長の前田さんが最後のボタンをポチッと押した。

「ウィーーッン」

この椅子、いま気づいたけど思ったより動き遅えッ。こちとら早く帰りたいんだからピューンと移動してくれや。と思いながら俺は15秒くらいかけて自動的に退場した。メイクマネー初の退場者、記念すべき誕生の瞬間だった。

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さて。どうでしたか。これが「ボク1000万円ほちいなあ」と本当にただ何気なく、ちょっとした小細工でアイデアを練って選考を通過した一人の起業家が、プロの経営者たちに叩きのめされて痛い目を見るまでのノンフィクション・ドキュメンタリーです。

ぶっちゃけノリで応募しちゃっただけに、プレゼン直後のフルボッコタイム中は「本気で事業化したいアイデアを持ってくればよかった」「こんなはずじゃなかったのに」と、ガチで死にたくなるほど後悔しました。画面ごしでも心の折れる音が聞こえたんじゃないかな?

でも、全体を通せば超絶楽しかったです。

そもそも、少しネジが外れたアイデアだったから通ったんでしょうし。出れただけでも良かったのかなと。テレビ制作の裏側も目の前で見れましたし。また呼んでもらえるならリベンジャーとして、よりクレイジーなアイデアをひっさげて出てみたいなと思いますね。どんな反応されるのか。

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そして、もしこれを読んで「ドンマイやで」「記事おもしろいやんけ」と思ってくれる方がいらっしゃったら、是非ともノートの購入をお願いいたします。

値段をNoteで設定できる下限値の¥100に設定しておきます。これを10万人くらいの方に買っていただき、僕が取り損ねた賞金1,000万円にどうにか到達させたいです。

*ちなみに買ってもこれ以上文章は出ないです。すいません。

(5/21 更新)続編記事を書きました!!

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最後に、友人と一緒に起業した会社の宣伝をさせてください。僕が代表取締役CTO(チーフ・トンチ・オフィサー)として所属しているOneStoneという会社です。

ワンストーンは、ビジネスを単なるお金稼ぎの手段ではなく、絵や音楽にかわる新しい表現媒体として捉えています。アーティストが思いを表現するために音楽や絵画を作り出すように、私たちは自らの価値観を表現するために新しい仕組みや枠組みを開発していきたいとう考えにもとづいて立ち上げた会社です。

この理念にもとづいて生まれるビジネスを「ビジネスアート」と名付けました。ビジネスアートの制作活動を率先して行うことで、カタ苦しいと思われがちなビジネスの世界をコンテンツ化したいと考えています。

また、企業タイアップなども募集しています。

「尖ったこと以外やりたくない」と思っている無謀な私たちと一緒に仕事がしたい方・応援してくれる方は、ぜひコンタクトをください。
企画からアウトプットまで、全力を尽くします。

https://one-stone.co.jp/

おわり。

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