壇先生に聞く、「ステマ規制」でどう変わる? (3)
毎月専門家のゲストをお招きして、旬なネタ、トレンドのお話を伺います。
映画「Winny」で一躍多くの人が知ることとなった弁護士の壇先生に、景品表示法によるステルスマーケティング規制について伺う3回目。
今回はほぼメインテーマだと思われるが、単に違反があったら摘発します、というだけではなく、ECサイト事業者が自主的にステマを排除していくために、どういう制度設計になっているのか、というところを紐解いていく。
(全4回予定)
小寺:ステマ規制でいちばん適用が期待されるケースって、やっぱりECサイトの口コミ情報かなと思うんですが。
壇:フェイクレビューですね。アメリカも問題になってますよね。
小寺:はい。これに今後はメスが入るんですかね。
壇:入って欲しいと思ってやってきました。今回の告示追加でもそこは規制の対象ですし、ちゃんとやってもらいたいなとは思ってます。
ただ、事業者側がそれをやる気になって情報を提供してくれないと、なかなか規制にはならんので。
小寺:そこは動いてくれそうなんですかね?
壇:うーん、今後次第ですね。まだ、連絡協議会がちゃんと立ち上がってないですから。
特定の事業者名を出すのは止めておきますが、あるところはちゃんとやらないよね、一方他のところはちゃんとやってるじゃないか!となったら、ステマ対策をやってるところのほうが、ユーザーにとって良いものだ、というふうなブランド価値をもってもらえるようになってくれたらありがたいなと思うんですけどね。
小寺:なるほどね。そういったところで競争が起こらないと、事業者はなかなか乗ってこないというところなんですね。そこはどういうふうに火をつけていくんですか。法規制って、今年の10月からスタートしますけど。
壇:僕の指示のもとにみんなが動いてるわけじゃないですから、なんとも言いにくいんですけど(苦笑)。10月1日施行で、消費者庁さんのほうが、施行までにはいろいろ立ち上げるらしいですけど。
小寺:じゃあまずは、消費者庁の肝入りで連絡協議会的なものが立ち上がる、と。
壇:立ち上がる方向でお願いしますと消費者庁には何度も言ってます。プラットフォーマーさんを集めて、「これからこういうふうな方向でやっていきます」とやっていただくだけでも、だいぶ違うと思うんですよね。そこで何もやってない事業者は、ブランド意識が変わってきますし。現在、モールに出店してる人たちってよくわかんないや、みたいな人がけっこう多いですからね、今のところ。
小寺:はいはい。いわゆるモール化していて全体でECサービスですって顔してるけど、実際に個別の店の正体なんて消費者にはわかりません。
壇:そういうところの差別化というのも、今後、“ステルスマーケティング”というのをキーにできていくんじゃないかなとは思いますけどね。
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