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「海外渡航」の今(1)
今回からの対談は、PC/IT系ライターの矢作晃さんにお願いしている。これまでメルマガでは同じ方に2回お話しを伺ったことはないのだが、実は矢作さんとの対談は今回で2度目である。
今年1月頭に、CES2022が開催されたのはご存じの方も多いと思う。オミクロン株が流行してきたことを受けて、ライター仲間でも渡航をキャンセルする人も多かったが、矢作さんは実際に渡米してCESを取材した。
そこで今回は、国外に出る際に、出国してから現地の模様、そして帰国後まではどういったレギュレーションで動いているのかを伺ってみることにした。
まだオミクロン株の波が収束していないところではあるが、この波が落ち着いたら、海外のイベントも再開されるだろう。今後海外取材や出張へ行くときには、どんなことが待ち構えているのか。(全5回掲載予定)
■日本出国から現地入国まで
小寺:ではまずですね、出国から順に時系列でおうかがいしていきたいんですけど。日本を出国する際に必要な書類というと、何があるんですか。
矢作:目的国によって要求される書類が違うんですよね。今回の場合はアメリカに行くんですけど、2枚ありました。2回のワクチン接種の証明書と、PCR検査陰性の証明書。
渡航予約した時は、PCR検査陰性の証明書は「72時間以内のもの」で良かったんです。これが12月の頭ぐらい、ちょっとオミクロンが流行り始めた一週間ぐらい前になりますけど、72時間から前日に前倒ししてきたんですよ。
日本では「24時間」と報道されてるんですけど、運用としては前日のハンコだったら良い、というようなことになっちゃったので、けっこう慌ただしくなったと。
小寺:うーん。前日か当日に検査して証明書持ってこいってのは、もうその時点で難易度高いですね。
矢作:今回出発が元旦だったので、検査がわりとタイトだったんですよ。元旦だと31日か元旦にしないといけないわけですよね。これはなかなか厳しいと。
しょうがないので、いちばん確実なのは成田空港の――これは日本医科大がやってるんですけど、PCR検査場というのがあって、それは当日でも2~3時間で結果が出る、と。なので僕はそれを予約して、元旦にいつもよりはさらに2~3時間早く空港に行って、そこで検査をして陰性証明をもらって。
小寺:なるほど。
矢作:時間に余裕があるんだったら、今、都内とかはPCR検査を無料でやってくれるじゃないですか。あれでもOKっぽいんですよ。ちなみにこれ、日本医科大のやつは2万5000円かかったので。
小寺:おおー、結構かかりますね。
矢作:これとゼロとだと全然違うでしょ。
小寺:そうですねぇ。
矢作:あと他には3000円ぐらいでやってくれる検査もあるんですけど、ただその東京都の検査には穴があって。紙でくれない。
小寺:ああー。
矢作:検査結果はメールで送ります、と。で、最長で「翌日の24時まで」、というね。僕は16時の便に乗る予定だったんですけど、仮に31日に受けても、チェックインまでに結果が来ないとアウトなんですよ。
小寺:それはちょっと難しいですねえ(苦笑)。
矢作:ちょっと怖いでしょ?(笑)
小寺:いやですねえ。
矢作:「検査から24時間」じゃなくて、「検査をした翌日の24時までの間」、という言い方なので、ちょっと信じるのが怖いじゃないですか。特に行きの便だから。いきなり最初でつまずくわけにいかないでしょ。まあ来るとは思うんですよ。8割ぐらいは間に合うとは思うんだけど、ここは怖いので、それは諦めたと。
小寺:なるほど。
矢作:うまく羽田発の深夜便とかと組み合わせれば、24時までに来るわけだから、全然OKじゃないですか。そこらへんはもう完全に考え方ですよね。
小寺:組み合わせというか、やりようですねえ。
矢作:はい。で、もう1枚のワクチンの接種証明書。これは年末にデジタル版が出たんですけど、僕が準備してる時はまだ紙しかなかったので、豊島区の保健所に返信用封筒を入れてサイトからダウンロードしたフォーマットに手書きで書き書きして送ったら、公式の証明書というのが送られてきました。
小寺:これは紙なんですね。
矢作:紙です。当初はこの紙だったんですけど、12月の21日かな、一応デジタルでもできるようになったと。でも紙を持ってるほうが視認性は高いので、一応紙を持っていきました。
小寺:どっちも用意して行った、ということですか。
矢作:そうです。
矢作:で、さらにもうひとつ大事なのは、いま2つの書類を出したじゃないですか。PCR検査と、ワクチン接種証明書。これ、見せるのは空港の係官とかじゃなくて、空港のキャリアのグランドスタッフ。
通常飛行機にチェックインする時に「何か危険な物を持っていませんか」って話をするじゃないですか。あそこで見せるんです。だから、ハンドリングは航空会社なんですよ。
小寺:ああ、国じゃないんだ。
矢作:だから、書類はもちろんデジタルでも紙でも、航空会社がOKと言えば良くて、航空会社がダメと言えば乗れない。今回は念のために両方紙で持っていって「大丈夫ですね」って確認とって、入国するじゃないですか。入国したら、ノーチェック。
小寺:ははは(笑)。そうなんだ。一か所でチェックしてるだけなんですね。
矢作:そうそう。空港でチェックされて、乗ってしまえば、アメリカは入国審査があるじゃないですか。そこでは全然聞かれない。
小寺:イミグレではもう関係ないと。
矢作:ノータッチ。何日いるの?とか、何しに来たの?とか、いつも通りのことを聞かれて終わり。アメリカの場合は、乗ってしまえばもうOK。帰る時にはまた全然違うことになるんですけど。
小寺:アメリカ国内線の乗り継ぎもしたんですよね。そこも何もない?
矢作:ノーチェック。今回、けっこう乗り継ぎがタイトだったんですけど、でもノーチェックでした。アメリカの国内線がノーチェックだからですよね。
小寺:まあ日本も国内線はチェックしてないですもんね。それと同じ話なんですね。
矢作:うん。今回サンフランシスコ乗り継ぎだから、税関があるので一回セキュリティゾーンを出るじゃないですか。そしてバックドロップして、また入るでしょ。でもノーチェックですよ。
小寺:このPCR検査24時間以内というレギュレーションは、今もそうなんですか?
矢作:そうです。今もそうです。
小寺:そのレギュレーションは、出国する国が決めてるってことですよね?
矢作:いや、目的の国がね。
小寺:あ、目的の国が。ということは、今回はアメリカが決めてる。
矢作:その通り。だから、ヨーロッパはまた違うんじゃないですかね、PCR検査。
小寺:ああー、なるほどね。
矢作:ヨーロッパもイギリスとEUで違ったり。それはどこに行くかで調べないとダメですね。今言ったように、航空会社がまず最初に判断するので、分からなかったら乗る航空会社に聞くのがいちばん良いかな。
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