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小寺の論壇:考えるパートナーとしてのAI。Wondershare EdrawMind

知財、IT産業、ネット、放送、買ったもの、ライフハックなど、コデラの気になるところを語ります。


取材した話を記事にまとめるときや、幅広い要素から何らかの筋道を見つけて記事を書いていくような場合、コデラは昔からMind Mapを使ってきた。Mind Mapとは、ツリー構造を使って要素をグループ化し、考えをまとめるためのツールである。

一時期は下火になったツールで、フリーで使えるものはオープンソースで開発されている「FreeMind」ぐらいしか見当たらないという時代もあったが、「Xmind」が登場し、無料版でもそこそこいい感じに使えるということで愛用するに至った。

ところが最新版のバージョン24ぐらいになったころから、機能が妙な風に変わっていき、無料版でできることがかなり限られるようになってしまった。過去に作った大量のマップがあるのでアンインストールするわけにもいかないが、まあちょっと新規マップを作るにはだんだんしんどくなってきたので、乗り換え先を探していた。

そんなおりに知ったのが、「Wondershare EdrawMind」だ。Wondershareは中国深センのソフトウェアベンダーで、編集ツールの「Filmora」がよく知られるところである。Wodershare自体もソフトウェア開発拠点ではあるが、同時に他の企業のソフトウェアも同ブランドで販売するという、割と複雑なビジネスモデルになっているようだ。

Wondershare EdrawMindも、開発自体はEdrowという別の会社が行なっている。EdrawはMind Mapのほか、ガントチャートやダイヤグラムといった、プロジェクト管理進行ツールを作るのが得意なようである。

EdrawMindにはフリー版と有料版があるが、面白いのはMind Mapを作る上で、AIと相談しながらマップが作れるというところだ。まずはフリー版から試してみた。

EdrawMindの料金プラン

■AIが考えの構造を支援する

EdrawMindを起動すると、初期画面は次のようになっている。自分でマップを作りたい場合は、左上の「作成」を選ぶとカラのマップが表示される。UIとしてはXmindに似ており、乗り換えは問題なさそうだ。

EdrawMind起動時
マップ画面はXmindにも似ている

だがEdrawMindの強みはそこではない。中央の入力スペースにキーワードを入力し、「実行」とやれば、AIがそのテーマに沿って、Mind Mapを自動で作ってくれる。

例えば「南海トラフ大地震」と入力しただけで、次のようなマップを自動的に生成してくれる。「説明」と「影響」の2つに大別し、それぞれについて何を論じるべきかが記述される。内容はごく一般的な話にはなるが、要素に抜けがないかのチェック項目としても有用だ。

「南海トラフ大地震」だけで自動生成したマップ

もう少し細かい指定も可能だ。例えば以下のように入力してみた。

”南海トラフ大地震について、揺れそのものに対する対策と、津波への対策、さらには停電や断水といった対策について考えてください。”

すると以下のようなマップが出力された。論ずるべき項目としては、妥当だ。

プロンプトで細かく指定した結果のマップ

「注意」として出力された文章が中国語になってしまっているが、これはアップデートでそのうち修正されるだろう。何が出力されたかというと、以下のような内容である。

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