壇先生に聞く、「ステマ規制」でどう変わる? (2)
毎月専門家のゲストをお招きして、旬なネタ、トレンドのお話を伺います。
前回からの対談は、以前から気になっていた景品表示法によるステルスマーケティング規制について、弁護士の壇俊光先生にお話しを伺う。
前回はサラッと壇先生って紹介してしまったが、今年3月に映画が公開されて話題になったWinny事件、これの金子勇氏側の弁護人だったのが、壇先生である。映画の中では、三浦貴大氏が演じている。
あいにくこの映画、配給元があんまり力が入っておらず、上映期間が短かった。コデラも見に行こうと思っていたところ、気がついたら上映終了となっており、未視聴である。
さてそんな壇先生が委員として参加した有識者会議で方向性が決まったステルスマーケティング規制は、なにがセーフでなにがアウトなのか。規制の趣旨などを伺っていく。(全4回予定)
小寺:ステルスマーケティング規制、これ行政規制で行くということは、違反すると”行政罰”になるということですかね?
壇:行政罰というか、措置命令が出て、それで氏名公表とかになる。
小寺:ああ、そういうことですか。
壇:課徴金制裁はないんですよ。現在。
小寺:あ、なるほど。
壇:あと景表法の強い規制の、不実証広告規制。「裏付ける資料があるなら出せ、出せなかったら不当な表示と認定しちゃうよ」という、あの強力な規定は対象外です。
小寺:なるほど。世界的にはもう規制されてるということですけれども、具体的には、どの国で。
壇:アメリカはFTC法(アメリカ連邦取引委員会法)FTCの指針で規制対象になってます。
小寺:あ、結構早いんですね。
壇:逆に、アメリカでできてるのに、これやってないと絶対やばいよね、というのがスタートで。その時にEU指令でも、不公正取引方法に関する規制があって、イギリスは立法化されてるみたいですよね。
小寺:うーん。じゃ、今のところ先に走ってるのは、アメリカ、イギリスという感じですか。
壇:そうですね。ただ、EUって立法があっても運用が違うとか……。オランダはけっこう法律としてはあるけど運用しないとか、フリーダムな国だったりするので。EU全国の運用までは確認はしてないです。
小寺:オランダはね(笑)。でも一応規制はあるぞ、と。
壇:はい。先進国では規制してることが多いです。
小寺:規制のスタイルは、やっぱり行政規制?
壇:行政規制ですねえ。
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