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小寺の論壇:2025年はどうなるのか。各方面の動向を予想する

知財、IT産業、ネット、放送、買ったもの、ライフハックなど、コデラの気になるところを語ります。


コデラが小さい頃は、21世紀なんていうものは想像も追いつかないような超未来の話であり、高層ビルの間は透明なビニールチューブで結ばれた列車が走り、車は空を飛び、人々はみな銀色のボディスーツを着ていると相場が決まっていた。場合によってはイルカが知能を発達させて人間を滅ぼしにやってくるという、人間同士の争いを超越した戦争が想像されたりもした。

だが実際には、世紀などというのは単なる数字の区切りでしかなく、未来は現実の延長線上でしかない。そんな夢の21世紀も、4半世紀が過ぎようとしている。

そろそろ銀色のボディスーツが主流にならないといけないタイミングだが、この出っ張ったお腹をどうするかが解決しておらず、まだまだボディスーツは着られない。とりあえずイルカは攻めてくる気配がないので、その点は安心している。

そんなわけで2025年に起こりそうなことを、色々考えてみた。皆さんも頭の体操だと思って、お付き合い願いたい。

■テレビ産業は再編するか

まず最初にお話ししておきたいのは、テレビ産業という世界がどうも大きく変わりそうだ、ということである。芸能界の在り方みたいなのは当分変わらないだろうが、放送事業に関わる部分は、おそらく大きく変わるのではないか。

昨年は9月にポストプロダクション大手のオムニバス・ジャパンが、事業撤退を発表した。そして12月には同じく大手のIMAGICAが、ポスプロ事業の廃業を決めた。

・連結子会社の一部事業撤退および希望退職者募集、特別損失の計上見込に関するお知らせ(株式会社 IMAGICA GROUP)

廃業理由も詳しく書いてあるが、ほぼコデラが以前の論壇で述べた内容通りである。まとめると、

  1. TV市場および TVポストプロダクション市場の縮小傾向という環境の変化

  2. フリーランス化の進行による参入障壁の低下

  3. エディター・ミキサーの離職とそれに伴う顧客離れ

ということになる。放送機材ベースで考えると、もう20年ぐらい前からスイッチャーはポスプロ向けではなくライブ用を謳うようになっている。ライブ用ということは、放送局向けということであり、編集が前提のポストプロダクション向けではないということである。

さらに言えば、その頃からテープ編集用の編集機が作られなくなった。ソニーのハードウェア編集機は、編集機能をスイッチャーと一体型にした「プラグインエディター」をリリースし、編集機単体の販売を終了した。

海外メーカーでは、GrassValleyの編集機部門だったところが独立したEditwareがハードウェア型編集システムをリリースしていたが、今はもう旧製品のメンテナンスが主力のようだ。

つまり20年前からすでに、リニア編集が前提のポストプロダクション業務は、ハードウェア的にはもう未来がなかった。だが番組制作のワークフローが一部そのまま残り続けたので、ノンリニアシステムへの転換を図りつつも、事業をやめるわけにもいかなかったという姿が見えてくる。

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