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小寺の論壇:ヘリコイド付きマウントアダプターでマクロ撮影が簡単に
知財、IT産業、ネット、放送、買ったもの、ライフハックなど、コデラの気になるところを語ります。
皆さんは「エクステンションチューブ」というのをご存じだろうか。フィルム時代からの一眼レフユーザーならもしかしてご存じの方もいらっしゃるかもしれないが、最近はあまり見なくなったマクロ用カメラアクセサリである。
その昔、ちゃんとマクロ撮影しようと思えば、魚眼クラスのワイドレンズで近接するというのが定石だった。魚眼レンズなんて今ではアクションカメラにも付いているが、昔はガッツリ使う人など建築系や不動産系のプロカメラマンぐらいしかなかったので、非常に高価であった。したがって多くの人は、逆に望遠レンズで遠くから被写体を拡大撮影する、いわゆる「テレマクロ」で撮影していた。
一方エクステンションチューブは、普通のレンズをマクロレンズに変身させてくれる。正体は、タダの筒。もちろん双方にマウントが付けられているのだが、レンズとカメラの間に挟み込んでフランジバックを伸ばすことで、マクロ撮影を可能にするというものだ。価格も安く、マクロレンズを購入するまでもないがたまにマクロ撮影がしたいという人達には知られており、一時期はメーカーからも純正品が出ていた。ただそれも、アクロバティックな手法ではあるので、珍品と言えば珍品である。
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そんなエクステンションチューブとマウントアダプタが合体したような製品が発売された。焦点工房のヘリコイド付きマウントアダプター「M42-SE M」である。早速購入してみた。
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■標準からマクロまで遷移する
M42マウントは、古いスクリューマウント規格で、旧東ドイツ製カメラ「プラクチカ」で知られたことから、プラクチカマウントなどと呼ばれる。旧東ドイツ製カメラに採用例が多いが、日本では旭ペンタックスのSuper-Takumarシリーズが有名なところだ。ほかオリンパス、富士フイルムのFUJICAなどでも採用され、中古市場にはまあまあ玉数がある。
筆者宅にも何本かあるが、珍品はCarl Zeiss JenaのTessar 2.8/50(解放F2.8 焦点距離50mm)である。このシリーズは各種マウント用が作られたが、同じように見えて設計が違う。それぞれフランジバック長が違うので当然そうなるわけだが、撮り味も微妙に違っている。筆者が好きなのはEXAKTAマウントのもので、このM42マウントはそれほど好きではなかったのだが、ひさしぶりにこれでも撮ってみようという気になった。
今回は上記Carl Zeiss JenaのTessar 2.8/50と、Pentax Super-Takmar 3.5/28(解放F3.5/28mm)の2本を試してみる。
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