始まりの場所 終焉の地 地球のなめらかな肌に 雨になって還る場所 粉々に砕けて朽ちて 宇宙と繋がる場所 文 MITSUKI photo by SHIORI
目を見て話せば あなたは存在する どうあがいても あなたは生きている 私はあなたをこの世に繋ぎ止める 優しく繋ぎ止める 目と目を合わせて話すと 私という人間が 生まれる あるいは、生き返る もしくは、生かされる その繰り返しで 誰もが 共存している 最後まで 私の目を見て 悲しくても 私の目を見て 最期まで繋ぎ止めて 思い出いっぱいのこの世界に 生を全うするその時まで 文 MITSUKI photo by
語る正義 傍観者の論理 わかる だけど やらない偽善より やる偽善や潔し 文 MITSUKI photo by SHIORI
気軽に行けなくなった あの場所を思って かろやかなメロディーと コーヒーを楽しむ ほんのひと手間を 感じる空間 自然体で 行き届いていて オープン クローズ 陰と陽 絶妙なバランス ここはプラスの気配で満ちている はやく あの場所へも行けたらいいな だけど今は ここで、楽しもう 文 MITSUKI photo by SHIORI
暗闇は この壁面の彫刻も あなたの表情も隠すけど 振動 風 繋いだ手のぬくもり 目に見えない真実を 感じさせる あなたを知れて嬉しい 軽やかにステップを踏んで 腕を引く 夜の女神に 感謝しながら 文 MITSUKI photo by SHIORI
心底お金が欲しい こんなにもお金というものを 意識した事は無かった 困った事もなければ 望んだ事もなく なのに今は お金の事ばかり考えている 私には 変えたい事がある 莫大な資金を投入すれば 解決する ちっぽけで薄汚くて だけど許容された とんでもない数の こびりついたガムみたいなのを 全部丸ごと剥ぎ取りたい 誰もやらないなら私がやるよ そう思ったら お金が欲しくて欲しくて たまらなくなった 私に任せて 私がやるよ 抜群の機動力
井の中の蛙 大海を知らず されど 空の蒼さを知る その美しさに 心奪われ 囚われ しがみつく阿呆 田畑に広がる 肥溜めの豊かさを嗤う 星空を崇める狂信者 苦しいくせに 麻痺 狂い狂わせ 群がる亡者 天から垂れる 蜘蛛の糸 それはマボロシ 大海を知らない 井戸の主の妄想 文 MITSUKI photo by SHIORI
過酷な冬は 寝ちゃえば分からないもの そう言ってドサっと冬眠するの ステキだな 夢の中に拠点を移して ぐっすり 躍動する筋肉 どうやら ご活躍のようだわ 春がくれば ひなたの香りが呼ぶのでしょうね 虫の羽音が起こしてくれるよ 芳しきフカフカの丘を 顔いっぱいに花粉をつけて 無性に跳ね回りたくなるよ きっと戻ってくるの 巡る季節の 一番良いところめがけて 文 MITSUKI phot
私はそうは思わない 私はこう思ってる そうやって 互いの違いをなぞって はじめて 具体的に 存在できる 皮膚と皮膚の隙間を あなたと私の境界線を ただなぞる この神聖な行為を 大切にしたい 文 MITSUKI photo by SHIORI
このレンガも 見慣れた石柱も 指でなぞって 一歩 二歩 大胆に 通り過ぎているように 見えるでしょ だけど 一番美しい 歩調のままで 余すことなく 味わうのが好きなの 中途半端に 立ち止まったりはしない 軽やかに 立ち去って 私の肩は うきうき 文 MITSUKI photo by SHIORI
あの頃の僕たちは 毎日が冒険だった 夢中で何かを探してた ドングリの隅っこの小さな穴 小さいはずなのに果てしない 虫の死骸と蟻の群 永遠かと思うほどの 遠い空 いつからか突き破って 見上げることもなくなった 永遠の空は 気づく間も無く 流れ込んできて シュワシュワと静かに 輝き出した 目を瞑ればいつでも スカイダイヴが出来るんだ 脳天から 脈打つところまで ドクドクとした心地 あの頃感じた高鳴り 目を拓けば 遠くに空が見えた
わたしは 取り残されたあなた方を 愛おしく思います あなたの生きてきた全てで なおもそのままのあなたで この場所で生きようとする そのいじましさに 心を掴まれるのです その姿に 強さと 不器用さ 誠実さとを感じて 非常に愛おしく思うのです 文 MITSUKI photo by SHIORI
幸せを飛ばそう 一度しかない 今この瞬間を燃料に ゴンドラに乗って行くよ 飛ばされないように しっかり掴まって 羽を広げて感じるんだ 風と酸素と燃える火と 寒さと熱さと つまり幸せを めいいっぱい受け止めて 大地の人々に 生きとし生けるものたちに おすそわけをしよう 幸せだけを いっぱい いっぱい 文 MITSUKI photo by SHIORI
美しさを前に 私たちは 平伏さなければならない 美しい空気 美しい山々 美しい海 美しい心 それらに浄化され また己もかくあろうと 居住まいを正す 我々の指針 絶対的な美しさ 切り貼りされた美しさに うつつを抜かして 腑抜けになってはいけないよ 簡単に手に入るそれは まやかし 小手先の美しさに なんの価値があろうか 文 MITSUKI photo by SHIORI
不自然な誕生 誰かを満たす為に生まれた命 分かってる ずっとのお家に行ける子はごく僅か 日に日に濃くなる 死の気配 君も君も 気づいたんだね 昨日まで子供らしく あんなにはしゃいでいたのに 何も知らない無垢なままで いてほしかった 僕は君らより先輩だから もう時間がないんだよ 待てども待てども来ないんだ ここに来る人間は 全員嫌いだ かわいいって 優しく抱きしめるくせに ヘラヘラ笑って帰っていく どんどん濃くなる 死の気配 この
人は 何のために存在するのか なんて 哲学をする必要はない 特別ぶる必要も モヤモヤする必要もない 踏み潰して すり潰して 咀嚼して ドロドロにする 土に還す 落ち葉を砕き 食べカスを撒き散らし カラスや 蟻んこや 微生物へと 繋ぐ そうやってバトンを渡して 地球へと送り届ける なにも特別な事などありはしない 人の存在意義を 深く考える必要もない ただ生きる それだけで使命を全うしてる それだけで価値があるって 思えるよ