1.入院するまで~体調の変化~

11月初旬

なんだか疲れやすい。
仕事が忙しいからかなー。
職場の方が家の都合でこれから1ヶ月ほどお休みすることになり、その引き継ぎやら先月入社した子の指導やらで毎日バタバタしていた。
だから家では疲れもあり毎日イライラ。
子供たちにあたってしまう。
そんな自分を反省しつつ自己嫌悪の日々。
夫や友達には「更年期かもー。」とぼやいていた。

11月中旬

さらに疲れやすくなり、頭痛もひどい。
何とか家事はこなすものの子供たちが寝た後は何をする気にもならない。
今までなら、読書したり勉強したりドラマを見たりして過ごす1日のうちで唯一好きなことを好きなだけできる時間。
なのに、何もできない。
土日に関しては、私の変化を察した夫や両親が子供たちを外に連れ出してくれる。
私はご飯を作ったりはするが、1日中ソファから動けない。
元々薬が嫌いなので、普段は極力飲まないようにしているが飲まずにはいられない。
頭痛薬ばっかり飲んでいた。

入浴中に足に赤い点々が3箇所ほどあることに気が付く。
夫には「ストレスからくる蕁麻疹やろ。頑張りすぎたらいかんで。」と言われる。
確かに忙しいけど、こんなことでへこたれる自分じゃない。
忙しさは気付かないふりをしていた。
私自身は「蕁麻疹出たことあるけどこんなんじゃなかったし、虫刺されかも。」って思ってた。

かゆくもないのに、なぜかムヒを塗ってみる私。
せめて、オロナインにしておくべきだった。
治らんけど。

11月下旬

足の点々がどんどん増える・・・。

「やっぱり布団とかソファに何か虫がおるな。」

そう思った私は重い身体に鞭うって、
シーツを総洗いして、
布団乾燥機をかけて、
レイコップをかける。

これだけやれば大丈夫だと安心したものの、翌朝には更に増えてる。

そこでやっと気が付く。

「そういえば全然かゆくも痛くもない。」

主婦から看護師へと脳内をシフトし、自分の足をよく観察してみる。

刺しあとがない!
点々の下に何か固いしこりみたいなのがある!!
押してもつまんでも赤みが消えない!!

・・・ってことは、
虫刺されではない。
蕁麻疹でもない。

となると・・・
身体の中からの出血。
つまり、紫斑。

自分は医者でもないし確信がないので、とりあえず皮膚科へ行こう。

仕事の合間に近所の皮膚科へ。

Dr.パッと診て、

Dr.「ダニやね。」

私「え・・・でも痛くもかゆくもないんですけど。」

Dr.「そんなダニもおるんや。虫刺されの薬出しとくで、部屋綺麗にしてな。」

そんな痛みもかゆみも与えず刺すだけの、必殺仕事人的なダニおるんや。
必殺仕事人知らんけど。

当時の私は歯向かう気力もなく、何も思わんかったけど冷静になったらすごく失礼な診察。
遠回しに部屋が汚いって言われとる気がする。
まぁいいんやけどさ。

処方された虫刺されの薬を塗るが、もちろんよくはならない。

そして段々とお腹も痛くなってきた。
食欲もない。
これはやっぱりストレスか・・・。

とりあえず、ダニではないはず。
必殺仕事人のダニではない。
いや、普通のダニでもない。

ネットで「赤い 斑点」「下肢 斑点」「斑点 しこり 赤い」とか色々調べる日々。

出てくるのは、梅毒とか蕁麻疹とかアレルギーとかダニとか・・・

ダニしつこい。

でも、どれを見ても自分の足の斑点とは見た目も症状も違う。

だから「紫斑」で調べてみた。
小児の症例しか出てこない。
でも、よくよく調べてみると自分の症状と当てはまるものがあった。

Iga血管炎


【症状】
全身倦怠感、微熱、下肢の紫斑や点状出血
消化器症状、悪心、吐下血、血尿など

後半の症状は現時点ではあまり当てはまらないが、半分以上当てはまる。

紫斑の下のしこり=触知可能な紫斑はIga血管炎の特徴。
完全にこれやん!!

私、看護師してたけどこんな病気聞いたことない!
と思ってたら、数年前にどうやら名前が変わっていたらしい。

以前の病名は、

ヘノッホ・シェーライン紫斑病

これは聞いたことがある。
覚えにくい名前だから、頑張って覚えた。
せめて、ヘノッホかシェーラインのどっちかにしてほしいと思いつつ覚えた。
小児科の講義で。

あれ・・・?私、大人。

疫学を見ると、発症率が10万人につき約20人。
少ない。

発症は3~10才に最も多い。
私、32才。

男児が多い。
私、女子。

発症者のうち成人での発症は25~30%
ってことは、10万人につき5~6人程度。
私、めっちゃレア。

症状だけ見るとこの病気だという確信と、
疫学を見るとレアケースなので、本当に当てはまるのかよくわからない不安感が押し寄せてきた。

でも、とりあえずもう一度皮膚科へ行こう。
ダニ医者ではない、ちゃんとした皮膚科へ。
セカンド・オピニオンだ。
そう決心した11月末日。

次回、②入院するまで~セカンド・オピニオン~に続きます。

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