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ウイルスの大きさはどのくらい?ウイルスについての話
ウイルスについて、どのくらいご存知でしょうか。
今回はウイルスの基本について話していこうと思います。
1. 大きさ
ウイルスの大きさは、約20nm〜300nmほどといわれています。と言っても、大きさのイメージがしずらいと思いますので、下に比較図を載せています。
髪の毛が100μmくらいです。「髪の毛>ヒト細胞>真菌>細菌>ウイルス」の順に大きいです。一般的に、細菌までは光学顕微鏡で観察が可能です。ウイルスの観察には光学顕微鏡ではなく、電子顕微鏡が用いられます。
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2. 構造
ウイルスは、核酸(DNAまたはRNA)、カプシド、エンベロープから構成されています。
ウイルスの核酸はDNA、RNAのどちらか一方しか持ちません。核酸の違いにより、DNAを核酸にもつウイルスはDNAウイルス、RNAを核酸にもつウイルスはRNAウイルスと呼ばれます。
カプシドは、ゲノム核酸を包む蛋白質の殻のことです。構成単位はカプソメアです。
エンベロープを持つウイルスと持たないウイルスがあります。エンベロープは宿主細胞への感染時に必要です。エンベロープが破壊されると、そのウイルスの感染力は失活してしまいます。そのため、エンベロープを持たないウイルスの方がエンベロープを持つウイルスに比べ、消毒薬に対する抵抗性は高いと言えます。
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3. 特徴
ウイルスは、「寄生する細胞の外では増殖できない」という特徴があります。このことを「偏性細胞内寄生性」といいます。
ウイルス増殖は、宿主細胞の表面にウイルスが吸着することで始まります。ウイルスが細胞に接触すると、ウイルスの表面にあ るタンパク質が宿主細胞の表面に露出しているいずれかの分子(レセプター)を標的にして吸着します。ウイルスが感染できるかどうかは、そのウイルスに対するレセプターを宿主細胞が持っているかどうかに依存します。
次に細胞内への侵入が起こります。ウイルスのエンベロープが宿主の細胞膜と融合し、粒子内部のヌクレオカプシドが細胞質内に送り込まれる(エンベロープを持 つウイルス)や、宿主細胞の飲食作用(エンベロープを持たないウイルス)、吸着したウイルス粒子の尾部にある管を通しての移動(バクテリオファージ)があります。
カプシドごと細胞内に侵入したウイルスは、一旦カプシドが分解されてウイルス核酸が宿主細胞質に遊離します。核酸の複製とウイルス・タンパク質の合成が別々に行われた後、カプソメアが核酸を包み込むようにしてカプシドを形成し、ヌクレオカプシドが作られます。
その後、出芽や宿主細胞が死ぬことにより、宿主細胞外に放出されます。
今回はウイルスの基本について話していきました。
今後も、投稿していきますのでフォローをして頂くとありがたいです。
それではまた。