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はい、勝手にします

勝手にしやがれ

そう言われることが多い人生だった気がする。

周囲のアドバイスに耳を傾けず、冷たくそう言い放たれたことも一度や二度ではなかった。

ただ反抗したかったわけではない。

道はひとつじゃない。それを証明したかっただけなのだ。

たとえどんな過程を経たとしても、目指す場所にたどり着くことができたならば、それがその人にとっての正解なのだと。

正直なところ、勝手にしてきてよかったことしかない。

自分に自信があるわけじゃないけど、自分の選択は間違ってはいないと確信している。誰かのせいにはしたくないし、てめえのケツはてめえで拭く。

だから、これからも勝手にします。


そういえば、最近になって『勝手にしやがれ』というフレーズをよく目にするようになった。

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上白石萌音のカバーアルバム『あの歌』には、ジュリーこと沢田研二の「勝手にしやがれ」が収録されている。

70年代楽曲カバーの『あの歌-1-』、そして80〜90年代楽曲カバーの『あの歌-2-』と、それぞれ異なる時代のヒット曲で構成された、2枚同時リリースとなったこのカバーアルバム。

特に、彼女はおろか、80年代生まれの自分にとってもリアルタイムではない、70年代のいわゆる昭和歌謡を集めた『あの歌-1-』が出色の出来で、「勝手にしやがれ」はこちらに収められている。

いずれの楽曲も、原曲の世界観を大切にしつつしっかりと現代風にアップデートされていて、オリジナルへのリスペクトを感じる。

選曲も良い。Night Tempoも取り上げた八神純子の「水色の雨」や、杏里の「オリビアを聴きながら」、布施明の「君は薔薇より美しい」、さらにはゴダイゴの「ガンダーラ」等々、男女織り交ぜた選曲の幅も広く、当時を知る世代には懐かしく、初めて触れる若い世代にはきっと新鮮に響くだろう。

クセのないフラットな歌声が、かえってどんな曲にもうまくマッチしており、アレンジに寄り添ってカメレオンのように様々に表情を変えていて、なんだか古くて新しいものに生まれ変わっている。これぞ温故知新。

全体的にポップな曲が並ぶ中、“バーボンのボトルを抱いて“ 等のフレーズが出てくる「勝手にしやがれ」は、男性目線のロックでハードボイルドな世界を描いていて、他とはちょっと違う表情を見せている。

ミスマッチの妙というか、これが意外なほどハマっていて良い。

ギターアルペジオの旋律を活かした小気味よくもノスタルジーあふれるロックという感じで、アレンジも秀逸。

音楽番組で「世界中の誰よりきっと」とか歌ってたけど、あれは芸能的なアレもあると思うので、それはまぁちょっと傍に置いといて、他の曲も聴いてもらえたら、この作品の良さがわかると思う。

ちなみに、昭和歌謡に造詣の深い、我らが隆も駆り出されてます。


さて、このカバーされた方のジュリーだけど、志村けんの代役として映画『キネマの神様』に出演したり、バナナマン日村がよくモノマネしてる「TOKIOの人」くらいの認識はあったもの、曲自体ちゃんと聴いたことがなかったので、良い機会なので、今回初めて当時の姿を追ってみた。

は???
めちゃくちゃかっこいいんですけど????????

日村全然違うし????????????

つか、煙出すぎじゃね??????????

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勝手にしやがれ」は、5週連続オリコン1位を記録した沢田研二の代表曲。
確変モードに入っていた30歳の時にこの曲を出してるんだけど、この歳でこの色気は異常。こりゃスターだわ。

この曲で第19回日本レコード大賞を受賞。のちにベストアルバム『ロイヤル・ストレート・フラッシュ』に収録される。

そのベストアルバムを、ポーカーにおける最も強い上がり手である『ロイヤル・ストレート・フラッシュ』と名付けたの、むちゃくちゃ「センス!」って感じだし、オシャレすぎるよね。ヒット曲満載のベスト盤にこれ以上ふさわしいタイトルはない。ジャケも最高。

ちなみこの『ロイヤル・ストレート・フラッシュ』は、その後も2、3とシリーズ化され、どちらもジャケが死ぬほどかっこいいので見てほしい。

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さて、この「勝手にしやがれ」、ヒット曲だけあって沢山のアーティストにカバーされている。

最後に、その中でも特に気になったものを載せて締めたいと思う。

天童よしみ

THE ALFEE 桜井賢

志茂田景樹

藤井風



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