「あなたの為」と言われたらそいつを殴れ
4日後、ICUから出て、一般病棟に移るとなりました
嬉しいという気持ちよりも、不安のほうが大きかった気がしますね
身体から伸びている管は相変わらず15本以上あったし、顔は鼻下から2倍以上に腫れているし、首周りはグルっとホチキスみたいなのが30本くらい刺さってるフランケンシュタイン状態
このクリーチャーが『一般』病棟にいていいのか?という感じでした
眠るときも、15本の管が無駄に絡まってしまい、寝返りも禁止だったので、まあ眠れません
とにかく、眠れないんですけど、
「歩けば治りは早くなる」
というストロング先生の話を信じて、15本管をひきずりながら毎日病棟をうろつく悲しきフランケンと化しておりました
この時期、辛いのはやはり痰でして、まだ気管からカシューレで呼吸していたので、ICU時代と同じく痰の吸引が必要だったのです
でも、ICUでは患者一人に看護師1名だったのが、一般病棟なので夜中は30名くらいの患者を看護師4名で診るというブラックofブラック
鋼の連勤看護師の皆さんは必死で働きつつ、週末の合コンのために肌荒れも防がねばならず、大変だなあとぼけーっと見ておりました
「自分で咳き込んだりして痰を出せませんかあ。その方があなたのリハビリにもなりますし」
みたいに、事情の分からない疲れた看護師さんから言われたり
「あなたのためだから」
はどの世界でもあなたのためじゃないんだなあと思いました
その翌日か何か、ストロング先生(実は病棟長だった)が何かナースステーションで話していて、それから何か雰囲気変わりました。
「本当に大手術でしたね」
「誇って良いと思いますよ」
みたいに、急に看護師の皆さんが優しくなった気がしました。
敢えて、フランケンでナースステーションの周りを歩きまくった私の姑息な計略が成功した可能性もゼロではない
そういえばストロング先生のことを書いていなかった
次くらいに書いておこうと思います