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【濃度100%のエロゲ移植作?】セガサターン版「きゃんきゃんバニー プルミエール」感想

ドーモ。セガサターンの美少女ゲームを探して駿河屋とハードオフをパトロールしている妖怪です。

SS版「きゃんきゃんバニープルミエール」をクリアしたので感想をば

※ネタバレ含みます


濃度ほぼそのままのエロゲ移植作

本作、元はPC版として1992年に発売したエロゲで、今回プレイしたSS版は所謂家庭用ゲーム機移植作。普通はえっちシーン全カットでストーリーだけお楽しみくださいが相場なんだけど、サターンX指定ソフトの特権でえっちシーンぜんぶのせです(たぶん)
同じX指定でも「野々村病院の人々」なんかは本番シーンの描写はテキストごとカットされてたので、当時としてもかなり攻めた移植なのでは??
PC版未プレイなので比較はできませんが、プレイしててあ、エロゲだこれ!ってなったのでほぼ原液そのままと思ってよいでしょう。

ちなみに、CEROレーティングとか出るずっと前からセガサターンにはレーティングが設けられてて(すごくね?)、
中でも”18歳以上推奨“と”X指定(18歳未満禁止)“という同じようでたぶん何かが大きく違う区分けが存在してて、すごく、わくわくしますよな。

大事

だいたいこんな話

ストーリーは全3章あり、各章毎に女の子が2人登場するのでよき行動を選択しながら1人、はたまた2人まとめていい関係になろうって流れ。
主人公はビンボー学生でバイト先を転々としており、各章毎に職場が変わるのでそこで人間関係をリセットし、新たに出会う子達と仲良くなるという中々のドライさ。
物語としてはある日主人公の部屋に七福神が居候させてくれと転がり込んできて、住まわせてもらう代わりに恋愛のバックアップをしてやろうというのでそれを承諾したのがはじまり。上手くいかなかった1日の終わりに時間を戻してくれたりするんだけど、初日からやり直しとかそれならロードでよくね?と最後まであまり恩恵は感じず。だがスワティ(弁天様)はかわいい。

七福神。スワティはどこでしょう

一期一会の(ワンナイト)ラブストーリー

上記で述べた通り各章ごとに攻略対象のヒロインが変わります。
つまり、このゲームには誰かと添い遂げるという概念は存在しません。
出会って間もない女の子にデートを申し込み、その最後にえっちできたら即終了という流れがこのゲームの基本です。由緒正しいギャルゲーしかプレイしてこなかったので最初は面食らいましたが、仕事終わりの夜中にちびちびやるにはちょうどよいテンポ。

お知り合いになった次の日にはデートの約束。この世界ではテンポこそがすべて

基本はコマンドをポチポチしていけばクリアできるんだけど、各章毎にちょっとしたゲーム要素もあり。1章ではデート時にプレゼントを買ったりホテルを取ったりとお金をうまく使っていく必要があったり、2章では唐突にクイズが始まったりと飽きさせない作りになってます。(3章は何もなかったなぁ?)
バイト代をおろすため実際にATMを操作する工程があったり妙なとこで拘りが見れておもろい。

ゲーム内でこの画面見たの初めて

バッドエンドのようなトゥルーエンド

個人的にこのゲームの一番のミソになっているのはヒロイン毎のエンディングだと思います。
意中の女の子とデートをし、身体の関係まで築き上げハッピーエンド!
とは絶対にさせてくれない。何の抵抗も出来ず強制終了させてきます。
各章攻略後、後日譚みたいな形でヒロインから手紙が届きます。
その内容はキャラによって詳細は異なれど、要約すると
『人生前に進んでて忙しいけど充実しとる。あの日は思い出としてとっておくよ、じゃあの』
1名を除いてだいたいこんな感じです。
その後、バ先だけが変わった主人公が「今はガソスタでバイトしてるよ〜ん」(←マジでこの口調)とかバカみたいなモノローグで新章突入するんだからすげえよな。
一応最後の最後で、恋のサポート役だったスワティが主人公のこと好きでしたみたいな救いはあるんだけど、その後すぐ天界へ帰っちゃうし…
結局本作のエンディングって6人の女の子にやり捨てられた男が元の日常へ戻されるってだけなんすよね。
しかもそれがゲーム的には全員攻略できてグッドエンド!なわけであって…
でもまあ、主人公の独白を散々聞かされた身からすると、こいつただの頭おちんぽ野郎なのでなんの同情も沸かないから良い塩梅かと思います。

主人公の独白。基本このマインドなのでなんかもうどうでもよくなる

ヒロインの魅力がすげえ!

攻略対象の女の子は6人とも個性がありかなり魅力的。全員20歳以上ということもあって、学校が舞台になることが多いギャルゲーとは一味違うヒロイン達と出会えます。たとえば、
大型バイク乗り少女、クイズ大好きお嬢様、美人現場監督……等々個性豊かなラインナップ。

中でも個人的にグッときたお二人を紹介します。

氷室 深雪(ひむろ みゆき)

洋モクのメンソールを吸っている深雪さん

1章に登場する氷室深雪さん。
会社の昼休みに訪れたファミレスでポンコツ店員(主人公)と出会う。オモシレー男という理由でデートを承諾してくれました。

実はピアノが得意でバーで演奏してたりもして。父がクラシック界で有名なピアニストらしく、ジャズを弾きたい深雪さんとの間で軋轢があったりとかなんとか、酒の力で色々曝けてくれました。

ヒロイン中最年長(いうても24歳)で、どこまでいっても敵わんお姉様感がとにかくgood。
楽しいひと時を過ごしてサイナラ(される)がコンセプトの本作とめちゃくちゃマッチしてるヒロインではなかろうか。

押し倒されてもこの余裕。ちなみに倒れ込んでるのは駐車場に停めてあった誰かの車で、そのまま車上でおっぱじめてしまいます。無法がすぎる

江藤 莉奈(えとう りな)

ナナハンライダーの莉奈ちゃん

2章から江藤莉奈ちゃん。
バイク便の仕事をしており、仕事中に立ち寄ったガソリンスタンドの店員(主人公)と出会う。
おそらく主人公と同い年くらい?と思うんだけど、性格キツそうな第一印象とは裏腹、仲良くなるまでは『さん』付けで呼んできたり、バイクが本当に好きなんだなあというのが会話の端々から伝わったり、若くで上京し学費稼ぎのため働いてるとことか…とにかくいい子なんです。
デートでは、愛車で箱根まで乗せてってくれました。

人乗せるの慣れてないから不安と言いながらめちゃくちゃコーナー攻める莉奈ちゃん

どの道で行くか、どこで休憩するか考えながら目的地を目指す…休憩中の会話も場所によって変化したり、時間とともに関係性が進む過程が描写されてたりと、恋愛ゲームのデートとしてかなり完成度高くないですか??急にどうしたんだこのゲーム

時間を気にしつつ、ルートと休憩場所を選んでいく

終盤は飛び込みで仕事が入ったりバイクで横転してしまったりとはちゃめちゃでしたが、そんな困難を乗り越えた2人の距離はさらに縮まり…
てな感じで、このエピソードだけやたら真っ当な恋愛してるんですよね。その分、この子のお手紙シーンはさすがに効いたぜ…

あの主人公が唯一まともに人と向き合っていた

総評

とくに複雑な選択肢もなく美少女ゲームとしてはかなり簡単な方かと。また、1人あたりの攻略時間が短いのでお手軽に遊べるのもポイント。
元が古のエロゲ作品でえっち重視の作りになっているためシナリオは正直……ですが、先述した深雪さんと莉奈ちゃんルートは太鼓判押せます。あとはヒロインの魅力だけで余裕でお釣りがきます。
最後はやはり主人公の品性をどこまで許容できるかが評価の分かれ目な気がするので、ぜひ時代を考慮しながらプレイしてほしい。


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