web業界に来る前にコックさんをやってた時のはなし
プロフィールにも軽く書いてありますが、20代の頃は飲食業界で働いていました。
主に厨房内で料理人、いわゆるコックさんをやってたんです。
今回はマネジメントと絡めてその当時の事を思い出しながら書いてみようと思います。
■アルバイトから正社員に
初めて厨房で働いたのは上京してきて半年程経った頃でした。
まだ19歳とかだったと思います。
その当時住んでいた家の傍に、某大手居酒屋チェーン店がオープンすると言う事で、オープニングスタッフを募集してたんですね。
まだ店舗も工事していて、業者さんがけたたましい音を立てながら内装工事してる中面接を済ませました。
その場で合格をもらい、オープン前から働く事となったんです。
なぜ厨房のアルバイトに応募したかと言うと、ズバリ賄いが食べれるからです。
昼間は音楽の専門学校に通っていて、バンドマン=飲食業で働くみたいな風潮もあったんですよ。
まあバンドマンは年中金欠ですから、食費を少しでも浮かそうみたいな発想もあったと思います。
■エスカレーター式に正社員に
ノーリーは割となんでもそつなくこなせるタイプなんですよ。
要領がいいと言うか、コアな部分を把握するのが上手い人種だと思います。
これは未経験と言えども、飲食業界で働くには功を奏しました。
すぐに認めてもらえて、専門学校卒業後に正社員登用の話も来たんです。
ただ、一旦ステイとして今まで通りアルバイトで働くことを選択しました。
理由はライブ活動などもしてたからです。
フルで拘束される正社員では、音楽活動の方に支障をきたすと考えた上で、この決断を下しました。
結局音楽に見切りをつける年ごろになるまで、アルバイトで色んなジャンルの店舗を渡り歩く事になります。
■料理人の世界は厳しかった
居酒屋に始まって、イタリアン、フレンチ、中華なども経験しました。
印象に残ってるのは蕎麦屋さんですね。
蕎麦が大好きだからという軽い気持ちで入店したんですが、技術だけでなく人間性も磨いてくれるようないい職場でした。
かれこれ働いていたのは10年以上も前ですが、いまだにこのお店の皆とは交流が続いてます。
人間性を磨くと言う話は、全てマネジメントを通して学んだことです。
当時マネジメントなんて言葉は無かったですが、料理人の正解はとにかく厳しい。
新人が仕事が出来ない、分からないと言った際は、すべてきちんと教えていない上司の責任になります。
場合によっては芋づる式に、更に上の先輩まで叱責されることもあるんですよ。
これはどこのお店、どのジャンルでも共通していて、蕎麦屋さんは一番それを明確に教えてくれたと思います。
この伝統があるから、教える方も必死で教えます。
じゃないと忘れた頃にいきなり怒られる事になりますからね。
自然と新人と接する時間も長くなるし、自ずとコミュニケーションも取るようになります。
■気が利くという能力は結構最強だと思った
マネジメントと並んで飲食業界で大事な能力は、気が利くかどうかです。
これは厨房だけでなくホールスタッフにも言える事です。
皆さんも外食されると思いますが、一流のお店はお客様に「すいませーん」と呼ばせません。
店員を呼ぼうと辺りを見回した時点で、目が合うように配慮してます。
お客様に手を上げさせるなんて言語道断なんですよ。
全てのテーブルに気を配り、あらかじめ次に呼ばれそうな事も想定しておく。
料理が出た順で各テーブルにはお会計までの進行度の差異がありますから、優先順位をつける能力もここで身に着いたと思います。
これができるようになるとサービスの質も向上するし、お客様も気持ちよく過ごしてくれます。
そしてリピーターになってくれる。
ただこの気が利くと言う話し、人によって元々の素養は差がある物だと感じました。
気を利かせる事が苦手な人もいるんですね。
■うまく人を動かす事も大事
例えば厨房で料理を作っていたら、出来上がってホールのスタッフに渡す段階は気を使います。
仮に全スタッフが各テーブルにオーダーを取りに行っていたら、出来た料理をすぐに持っていく事は難しくなるじゃないですか。
あたたかい料理はあたたかいうちに出す。
冷たいデザートも冷たいうちに出す。
そのためには、仕上げの段階でもホールを見て時間の調整をしたりします。
合わせて人員をうまく動かす必要もあるんですよ。
厨房内のスタッフもそうだし、ホールスタッフもそうです。
全ては適切なタイミングで料理を提供するためです。
そのためには普段からコミュニケーションを取っておく必要があるし、その人の性格なんかも一応把握しとかないと難しいんです。
この話ってweb業界に来た後も必要だなーと感じました。
■問題のある上司は飲食業未経験な事が多い
ノーリーは割と真剣に、過去飲食業界で働いた経験があるか聞きます。
偏見でもなんでもなく、問題のある上司に共通しているのは、飲食業界未経験だと言う事なんですよ。
なにも一流のお店で働いた経歴なんて求めてなくて、アイス屋さんでもいいしドーナツ屋さんでもいいんですけど、大事なのはサービス業を経験したことがあるかと言う事なんです。
経験してればマネジメントも、気が利くかどうかと言う話も、多少理解できると思います。
web業界でマネジメントが出来ない上司というのは、サービス精神も足りなければ周りと連携する、周りに気を配る事ができないんですよ。
その結果不満が噴出する事になります。
今のとこ考えては無いですが、もし将来webの経営者になったら、自分の会社の研修期間は提携してる飲食店で数か月働いてもらおうと思ってます。
各管理者も、定期的に飲食業やサービス業を経験する機会を設けます。
結局他人に気を使う、配慮すると言う事はこう言った現場的な経験が一番物を言うと思いますね。
■コックさんをして身に着いたこと
まず打たれ強くなった気がします。
無茶な要求も多少は飲まなきゃと言う発想も根付いたと思ってます。
後は効率化なんて事も身に付きましたね。
オーダーが入って食材を取りに行くのに、どれだけ他のオーダーの物も一度に持ってこれるか。
何往復もしてたら非効率なんですよ。
細かい事ですが、こういう所が最終的にお客様へのサービスに繋がります。
後は業務の組み立ても考えられるようになりましたね。
この組み立ては、ほんとにweb業界でも使えるものなので次回の記事にでも詳しく書きますが、要は案件が複数同時に走ってたら、何から手を付けるかと言うところの話になります。
長くなりましたが、久しぶりに飲食業時代の友人に会って、当時の事を思い出したので記事にしてみました。
結果一番得意になった料理は卵焼きかなー。
ではでは!