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The Wonderland? #8 [Backroomsリスペクト]
Room 7 "Re:■■■■■■■■"
「助かった…のか…」
異常な時間進行の世界をなんとか抜け出せた。
あの世界を抜け出すと、俺の体は何事もなかったかのように元に戻っていた。一時は、このまま爺さんの体で余生を過ごすことまで覚悟していたが、それは杞憂に終わったようだ。
「しっかし…でっかい餅がいるんだな」
「おなかたくさん食べられるのじゃ♪」
このRoomで、いときわ目を引くのが、巨大な鏡餅だ。
他に、振袖がぶらさがっていたりと、ここはとにかく和風の空間を形成している。
「ひさしぶりの気分なのじゃ♪」
「お前、まえから日本語おもしろいぞ?」
「なんじゃ?お前も、にっぽんごわからないぞ?」
さっきから、俺のはなしもカンナのはなしも、何かはずかしいくなってる…
全く意識せずとも、勝手におかしのことばを話してしまう…
「なんでじゃ?」
「なんでだろ?」
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「どっかーん!!」
語彙力を徐々に失う二人、このままでは一切のコミュニケーション手段を失う危険がある。
そんな中、カンナがあるメッセージを見つける
「おもちにらくがきがおちてたのじゃ!」
「よくできました!」
徐々に対抗していく知能に抗いながら、何とかして脱出手段を探している最中、このメッセージは一縷の希望となるだろうか?
そのメッセージは
「きらきらのせなかのでっかいしろをどっかーんする」
となっていた、
果たして、このメッセージを解読できるだろうか?解読したとて、これが正解という保証もない。しかし、時間は待ってはくれない、この異常な世界を脱出するには、泥臭くもがき尽くさなければいけない。
とはいえ、メッセージを解読する、という通常の成人が行うような解法は、既にこの二人には不可能であった。3分と持たずに、折角得られたヒントを投げ出し、子ども同様の振る舞いを続けていたのだった。
だが、コレが功を奏した。
カンナが偶々、壁を突き破ったことで、出口を発見できたのだ。
「「やったー!!」」
無邪気に喜びを表す二人は、無事に出口を抜けることとなった。
![](https://assets.st-note.com/img/1656245720154-S7UX3PCKjZ.jpg?width=1200)
Room7:Dementia
SURVIVAL DIFFICULTY : Class2 "Unsafe"
巨大な鏡餅が飾られた和の空間です、このRoomでは、強い認知障害が引き起こされることが報告されています。滞在時間が経過するにつれ、自身が話す母語を正確に発話できなくなり、やがて0歳児と同等の言語能力にまで低下し、認知症末期の症状を発症するようになります。
Entrance
Room5を約24マイル進むとRoom7に移動します
Exit
飾られた振袖の裏側の壁を突き破るとRoom8に移動します
鏡餅を食べるとRoom666に移動します
認知機能を無くし、無反応状態になるとRoom1bitに移動します